不登校は3歩進んで2歩下がる
さて、昨日は不登校に陥った彼らが自分の居場所を確認するためには「地図」「地球儀」などが必要だということを述べました。
もちろんこれは「象徴的な」意味合いで言っているので、現実的に世界地図や日本地図を買い与えたら学校に行けるようになる、と言うことではありませんからお間違いなく。
彼らは地図でどうやって自分の居場所や目的地を探し当てるのでしょうか?
それにはいくつかの軸が必要となります。
例えば「緯度」と「経度」の二つの軸。
北緯〇〇度東経△△度、などと言いますが、私たちはこの二つの軸のどこに位置するかで自分の居場所を確定できるのです。
もちろん人生の軸は「緯度・経度」ではありません。さまざまな場面でさまざまな軸が必要になりますが、特に不登校のように自分のアイデンティティがぼやけてしまった場合、私は「時間の軸」と「人間関係の軸」が必要なのではないか、と考えています。
「時間の軸」と言うのは、過去を未来を結ぶ時間軸の中でしっかりと今の自分を位置付けられるか、と言うことです。
不登校の子どもたちは、、どうも過去のトラウマや問題を手放せないのですが、未来の目標や自分の具体的な将来について思い浮かべることが苦手です。
過去の自分の経験を、未来の具体的な目標にどう結び付ければ良いかがはっきりしてこそ、「今何をすべきか?」がわかってくるのですが、残念ながら未来の目標が定まらないために、今現在の位置づけができないように思えます。
ですから、例えば中学生の不登校の場合、中1中2は何とも動けない状態が続くのに中3の2学期に入り、現実的な進路のことが見えてくると、何とか動き始めることができるケースがしばしば見られます。
やはり人間には、「過去ー現在ー未来」という時間の軸が大切なのでなぁ、と思わされる瞬間です。
さて、もう一つの軸「人間関係の軸」とは何でしょうか?
それはまた明日。