事業の目標を、売上と利益だけに設定する危険性を知っていますか?
目次
AI開発競争が向かう先の未来
2025年後半から2026年にかけて、生成AIは劇的な進化を遂げています。特に、世界的に見ても投資規模が圧倒的なOpenAIとGoogleという二大企業のAI開発スピードには、目を見張るものがあります。
両社の投資規模は、他の企業が容易に追いつける水準ではありません。現在のAIビジネスは、なお多額の研究開発投資を必要とする成長段階にあります。しかし、マネタイズモデルが確立され、安定的な利益計上が始まれば、その利益はさらにAI開発へ再投資され、他のAI開発企業や関連モデルのM&Aにも向かっていく可能性が高いでしょう。
OpenAIとGoogleのどちらが最終的な勝者になるかは、現時点で断定できません。しかし、AI開発の世界では、圧倒的な資本力、データ量、開発人材、計算資源を持つ企業が優位に立ち、その他のモデルや企業がその勝者に吸収・統合されていく未来は十分に予想できます。
生成AIが向かう先には、さらなる技術進化、激しい開発競争、そしてM&Aによる業界再編という近未来が見えています。
生成AIを使い始めた経営者が陥る、事業計画の大量生産問題
生成AIの進化は、それを使いこなす人の生産性を大きく高めます。情報収集、文章作成、分析、資料作成、企画整理などの業務において、生成AIは非常に大きな力を発揮します。
しかし一方で、急速なAIの進化に対して、多くのビジネスパーソンのAI活用能力が追いついていないことも事実です。
企業の経営者も例外ではありません。
私がその問題を特に強く感じるのが、事業計画の立案や経営戦略の策定の場面です。
ChatGPTをはじめとする生成AIは、事業計画や戦略の策定において、非常に高い効果を発揮するツールです。市場調査、競合分析、顧客課題の整理、収益モデルの検討、実行計画の文章化などに活用すれば、経営者の思考を整理し、意思決定の質を高めることができます。
しかし、それはあくまでも、経営者自身が事業の方向性、顧客価値、収益構造、実行体制について綿密に考え抜いていることが前提です。そのうえで、自社の状況や課題を具体的にプロンプトへ入力してはじめて、生成AIは実務に役立つアウトプットを返します。
生成AIは、情報の収集、分析、論点整理、文章化、提案書作成といった「まとめる力」には非常に優れています。一方で、経営者自身が考え抜いていない事業構想を、ゼロから優れた戦略に変えてくれる魔法の道具ではありません。
不十分なプロンプトを入力してAIに事業計画を作らせると、見た目は整っていても、中身の薄い計画になりがちです。体裁は立派でも、顧客理解、競争優位、実行可能性、収益性、組織体制が十分に詰められていなければ、その事業計画は実務では機能しません。
また、生成AIが作成した提案書や事業計画は、AIを使い慣れている人が見れば、すぐに分かるものです。文体が整いすぎている一方で、現場固有の事情、経営者自身の覚悟、意思決定の背景、実行責任が感じられないからです。
生成AIは、驚くほど速く、大量のアウトプットを誰にでも提供します。そのため、最近では、AIで大量に生成した中身の薄い事業計画を、部下や取引先にもっともらしく提示する経営者が目立つようになりました。
部下や取引先は、言葉には出さなくても、
「これは、AIがほとんど書いたものだろう」
と感じています。
にもかかわらず、経営者本人だけが、立派な事業計画を作ったつもりになっている。この状態は、経営者にとって非常に危険です。
生成AIは、プロンプトが命
生成AIは、
「部下に具体的な指示を出さずに、仕事を丸投げする」
ような使い方で、適切な成果を出してくれるものではありません。
生成AIをビジネスで有効に使うには、目的、背景、前提条件、制約条件、対象顧客、期待する成果、出力形式を明確に伝える必要があります。つまり、論理的に5W1Hを組み立て、それを具体的にプロンプトへ入力してはじめて、生成AIは有効な「経営の道具」として機能します。
特に、事業計画や経営戦略に生成AIを活用する場合には、次の点を明確にすることが重要です。
- 誰に向けた事業なのか。
- どのような課題を解決するのか。
- なぜ自社がその事業を行うのか。
- 競合と何が違うのか。
- どのように収益を上げるのか。
- どの体制で実行するのか。
- どの指標で成果を検証するのか。
これらを経営者自身が考えずに、生成AIへ丸投げしても、実効性のある事業計画は生まれません。
まして、無から有を生み出すような使い方をすれば、生成AIはインターネット上に存在する一般的な情報を組み合わせ、それらしく提示することがあります。
- その情報が正確なのか。
- 自社の状況に本当に合っているのか。
- 誰かの権利に関わる情報ではないのか。
- 法務上・知財上・コンプライアンス上の問題がないのか。
こうした点は、生成AIが自動的に保証してくれるものではありません。
これらの確認条件までプロンプトに具体的に入力し、さらに人間が検証してはじめて、生成AIは「使える部下」のように機能します。
PDCAが伴わない、事業計画の生成は、部下に見放される時代
生成AIに不十分なプロンプトを入力して事業計画を生成しても、その計画には、ほとんどの場合、実行・検証・改善というPDCAが伴いません。
計画(P)だけが立派に見えても、実行(D)、検証(C)、改善(A)の設計がなければ、経営計画としては不十分です。
部下にその計画を指示しても、部下は、生成AIが作成しただけの計画を本気で実行しようとはしません。なぜなら、その計画に経営者自身の考え、意思、覚悟、現場理解が感じられないからです。
その結果、実行が伴わない計画だけが乱発されます。そして、計画が実行されない状態が続くと、最終的には経営者の信頼が失われます。
生成AIによる事業計画の粗製乱造は、経営者の実行力を疑われる原因になります。さらに悪い場合、部下や幹部から、
「またAIで作った計画を持ってきた」
と受け止められ、経営者としての求心力を失うことにもつながります。
既にはじまった、「人間が考え尽くす戦略」への回帰
生成AIは、すでにビジネス利用が当たり前の段階に入りました。
いまや、
「生成AIをビジネスで利用すべきか」
を議論する時期は終わりつつあります。
ChatGPTをはじめとする生成AIは、論理的にプロンプトを書ける人であれば、比較的低いコストで利用できます。つまり、生成AIを使えること自体は、もはや大きな差別化要因ではありません。
これから問われるのは、
「生成AIをどう使うか」
です。
- 生成AIを使う前に、どこまで人間が考え抜いているか。
- 生成AIを使いながら、どこまで問いを深められるか。
- 生成AIの出力を、人間がどこまで検証し、実行可能な戦略に磨き上げられるか。
この差が、企業経営における競争力の差になります。
生成AIの活用で成果を出す経営者は、AIに考えさせるのではなく、自分の思考を深めるためにAIを使います。反対に、成果を出せない経営者は、自分が考えるべきことをAIに丸投げしてしまいます。
つまり、生成AIの時代だからこそ、人間が考え尽くす力が、これまで以上に重要になっているのです。
これからは、本当のAI活用術が問われる時代へ
ここからは、本当のAI活用術と、AIを活用する人間の基礎力が問われる時代に入りました。
面白半分で生成AIに事業計画やプレゼン資料を作らせ、体裁だけを整えて大量生産する時代は、すでに終わっています。
これからの経営者やビジネスパーソンに必要なのは、生成AIを使って楽をすることではありません。生成AIを使うことで、自分の思考をより深くし、事業の本質を明確にし、実行可能な戦略へ落とし込む力です。
- 生成AIを導入しているのに成果が出ない。
- ChatGPTで事業計画を作っても、現場が動かない。
- AIで作成した提案書や戦略資料に、説得力がない。
- 自社に合ったAI活用方法が分からない。
- 経営計画や新規事業開発にAIをどう使えばよいか分からない。
このような課題を感じている経営者やビジネスパーソンは、AIツールそのものではなく、AIを使う前提となる経営思考、プロンプト設計、実行計画、PDCA設計を見直す必要があります。
生成AIは、正しく使えば、経営者の思考を加速させる強力な武器になります。しかし、使い方を誤れば、中身のない計画を大量に生み出し、組織の信頼を損なう危険な道具にもなります。
私は、年商44億円の企業グループのオーナーCEOとして、また経営コンサルタントとして、生成AIを単なる文章作成ツールではなく、経営判断、事業計画、新規事業開発、組織運営に活かすための実践的な活用法を支援しています。
- 生成AIを自社の経営にどう取り入れるべきか。
- AIで作成した事業計画を、実行可能な計画へどう磨き込むべきか。
- 経営者自身の思考とAIの出力を、どのように組み合わせるべきか。
このような課題をお持ちの方は、まずは無料相談をご活用ください。現在のAI活用状況や事業課題を確認したうえで、御社に必要な改善ポイントを具体的に整理いたします。
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また、自社の経営課題を整理したい方は、中小企業経営者向けの課題チェックリストもご活用ください。生成AI活用以前に、自社の経営課題、組織課題、事業課題を把握することが、実効性のあるAI活用の第一歩になります。
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