売上が不安定なのはなぜ?中小企業が見直すべき「売上構造」と継続収益の作り方

松本尚典

松本尚典

テーマ:売上あげる 売れる化 コツ

もし次のような状況が1つでも当てはまる場合、
御社は「売上を増やす方法」だけではなく、「売上が発生する構造」そのものを見直す時期かもしれません。

・毎月の売上に大きな波がある
・特定顧客への売上依存度が高い
・値下げしなければ受注できない
・営業担当者によって売上に大きな差がある
・新規顧客を取り続けなければ売上が維持できない
・既存顧客からの継続受注が少ない
・来月・来期の売上予測に自信が持てない
・大口案件がなくなると、一気に業績が悪化する


売上の安定に不安を感じる経営者


「今月は売上がよかった。しかし来月は分からない。」

「大口顧客からの発注がなくなれば、一気に赤字になる。」

「新規顧客を取り続けなければ、売上を維持できない。」

こうした不安を抱えている中小企業経営者は少なくありません。

売上は企業活動の入口です。

しかし、本当に重要なのは、

「今月いくら売れたか」

だけではありません。

「来月以降の売上が、どの程度見通せる構造になっているか」

という点です。

売上の予測可能性が低い会社では、

人を採用する。

設備へ投資する。

広告へ投資する。

新商品を開発する。

給与を上げる。

という意思決定が難しくなります。

なぜなら、来月どれだけ売れるか分からない状態では、固定費を増やす判断ができないからです。

一方、ある程度の売上が継続的に見通せる会社では、その収益を前提として次の投資を計画できます。

売上の安定とは、「毎月まったく同じ売上を作ること」ではありません。

将来の売上・粗利益を一定程度予測でき、その予測を基礎に経営判断ができる状態を作ることです。


その不安の原因は「売上構造」にある


売上が不安定な会社では、

「もっと営業しなければならない」

「広告を増やさなければならない」

と考えがちです。

もちろん、新規顧客の開拓は必要です。

しかし、新規顧客を増やしても、

特定顧客依存。

単発取引依存。

低価格競争。

営業属人化。

低いリピート率。

といった構造が変わらなければ、売上の不安定さは残ります。

そこでまず、

「なぜ自社の売上は安定しないのか」

を構造別に分析します。

下請・特定顧客依存型


第一は、売上の大部分を特定の取引先に依存しているケースです。

例えば、

売上の50%。

60%。

70%。

を一社が占めている。

こうした会社では、その顧客との取引が続いている間は売上が安定しているように見えます。

しかし、

発注量の減少。

取引条件の変更。

値下げ要求。

内製化。

競合への切り替え。

によって、一気に売上が減少するリスクがあります。

また、一社への依存度が高いほど、価格交渉でも弱くなりやすくなります。

重要なのは、

「大口顧客を失うこと」ではなく、「一社を失っても会社全体が揺らがない顧客構成を作ること」です。

顧客流動・単発売上依存型


BtoC、小売、飲食、ECなどでは、

その日。

その週。

その月。

に顧客が購入して初めて売上が発生します。

これは決して悪いビジネスモデルではありません。

しかし、

毎回ゼロから顧客を集め。

毎回購入してもらい。

毎回売上を作る。

という構造だけに依存すると、売上変動は大きくなりやすくなります。

そこで、

リピート購入。

会員制度。

予約。

定期購入。

法人契約。

業務用販売。

などによって、顧客との関係を継続化できないかを検討します。

案件・単発取引依存型


建築。

Web制作。

コンサルティングプロジェクト。

M&A。

不動産仲介。

設備販売。

などでは、一件の案件が大きな売上を生む一方、

案件が終了すると次の売上がなくなる

ということがあります。

こうした収益を、ここでは「案件・単発取引型収益」と呼びます。

大きな売上・利益を狙える反面、

大型案件が取れた月。

取れなかった月。

で売上が大きく変わります。

問題は、案件型のビジネスそのものではありません。

案件収益しかないこと

です。

例えば、

保守契約。

月額サポート。

定期メンテナンス。

顧問契約。

継続利用。

などを組み合わせることで、売上の一部を継続化できる場合があります。

営業属人型


売上が、

社長。

特定のトップ営業マン。

特定の人脈。

に依存している会社もあります。

「この人が営業すれば売れる。」

しかし、

その人が休めば売れない。

退職すれば売れない。

社長が別の仕事へ時間を使えば売れない。

のであれば、売上そのものが人的リスクを抱えています。

そこで、

顧客情報。

提案書。

営業プロセス。

見積方法。

商談記録。

フォロー方法。

を標準化します。

売上を安定させるとは、「優秀な営業マンを増やすこと」だけではありません。

優秀な人の売り方を、会社の仕組みに変えることです。


付加価値希薄・価格競争型


競合との違いが明確でない商品は、

「どこが一番安いか」

で比較されます。

すると、

値引き。

価格競争。

低粗利益。

へ陥ります。

顧客から見ると、

「どこで買っても同じ」

だからです。

この状態で売上を増やそうとすると、

広告を増やす。

営業人数を増やす。

値引きする。

という方法に頼りやすくなります。

しかし、売上が増えても利益が増えないことがあります。

そこで、

誰のための商品なのか。

どんな問題を解決するのか。

競合との違いは何か。

自社から買う理由は何か。

を明確にします。

安定した売上を作るためには、顧客数だけではなく、「顧客が離れにくい理由」を作ることが重要です。

ストック型収益とは何か?


売上を安定させる方法の一つとして、

「ストック型収益」

という考え方があります。

一般に、顧客との契約や継続関係によって、一定期間にわたり反復して売上が発生する収益を指します。

例えば、

月額顧問。

不動産管理。

保守契約。

サブスクリプション。

定期購入。

会員制度。

継続利用料。

などです。

僕は、より広い意味では、

「継続・反復型収益」

と捉えています。

重要なのは、

毎月完全に同じ金額が入ること

ではありません。

一度獲得した顧客から、一定期間、繰り返し売上・粗利益を得られる構造を作ることです。

ストック収益を作れば、必ず会社が安定するわけではない


ここは非常に重要です。

「ストック型なら安全」

ではありません。

例えば、

月額100万円の継続売上がある。

しかし、そのサービス提供に90万円のコストがかかる。

のであれば、粗利益は10万円です。

また、

解約率が高い。

顧客獲得コストが高い。

特定顧客への依存が高い。

サービス提供の人件費が増え続ける。

という状態であれば、ストック型でも経営は安定しません。

したがって、

売上額。

だけではなく、

継続売上

粗利益率

解約率

顧客継続率

一顧客当たり利益

顧客獲得コスト

顧客集中度


を見ます。

固定費をカバーするのは「売上」ではなく「粗利益」


元々、僕は、

「ストック売上で固定費を賄う」

という表現を使ってきました。

より正確には、

「継続性の高い粗利益で、固定費をどこまでカバーできるか」

を見るべきです。

例えば、

毎月固定費が500万円。

継続売上が600万円。

でも、

粗利益率50%なら、粗利益は300万円です。

固定費500万円をカバーできません。

一方、

継続売上400万円。

粗利益率90%。

なら、粗利益は360万円です。

固定費の大部分を安定的に賄えます。

したがって、

ストック収益化では、売上目標だけでなく「継続粗利益目標」を持つことが重要です。

ストック収益だけを増やせばよいわけではない


売上の安定を考えると、

すべての事業をストック型にしたくなるかもしれません。

しかし、それも必ずしも正解ではありません。

案件・取引型の事業には、

一件当たりの利益を大きくできる。

急速な成長を狙える。

新しい市場を開拓できる。

というメリットがあります。

したがって、僕が重視するのは、

継続・反復型収益



案件・取引型収益


の組み合わせです。

継続収益によって経営基盤を作る。

案件型の収益によって成長利益を得る。

そして、その利益を、

人材。

商品。

マーケティング。

システム。

新規事業。

へ再投資する。

この循環を作ります。

売上を安定させるために確認すべき5つの数字


売上構造を見直すときには、少なくとも次の5つを確認してみてください。

1.上位顧客5社が売上全体の何%を占めているか

2.既存顧客からの売上が全体の何%あるか

3.毎月・毎年、継続的に発生する売上・粗利益はいくらあるか

4.顧客のリピート率・継続率・解約率はどの程度か

5.来月・3か月後・1年後の売上を、どこまで予測できるか


ここを見るだけでも、

「売上が不安定なのは営業力不足なのか」

それとも、

「売上構造そのものに問題があるのか」

が見えてきます。

ストック収入モデル確立のすすめ


では、実際に継続収益を増やす場合、どのように考えればよいでしょうか。

まず、

現在の固定費を把握する。



現在の粗利益率を把握する。



毎月どの程度の継続粗利益があれば、固定費の何%をカバーできるか計算する。



自社の商品・サービスの中で、継続化できるものを探す。



小さくテストする。

という順番で進めます。

例えば、

商品販売
→定期購入。

設備販売
→保守契約。

Web制作
→運用・改善契約。

不動産仲介
→不動産管理。

単発コンサルティング
→継続顧問。

店舗販売
→会員・定期販売。

というように、

「一回売って終わり」の取引を、「顧客との継続関係」に変えられないか

を考えます。

売上構造改革は、「新しい商品を作ること」だけではない


売上を安定させる方法は、ストック商品を作ることだけではありません。

例えば、

特定顧客依存を下げる。

既存顧客への追加提案を増やす。

リピート率を高める。

複数の販路を持つ。

営業を標準化する。

価格以外の差別化を作る。

高粗利益の商品を増やす。

顧客データを蓄積する。

契約期間を長くする。

といった方法があります。

つまり、

売上構造改革とは、

「ストック型商品を一つ追加すること」

ではなく、

「顧客・商品・販路・契約・営業・利益構造を組み替え、将来の売上を予測しやすい会社へ変えること」です。


事業ポートフォーリオは、安定性と成長性の両方から設計する


中長期的には、会社全体の事業ポートフォーリオを見ます。

例えば、

  1. 継続・反復型の粗利益を積み上げる
  2. 案件・取引型事業で成長利益を獲得する
  3. 利益を人材・商品・マーケティング・システムへ再投資する
  4. 新たな収益源を育てる
  5. 成長した事業の一部を、再び継続収益へ変える


という循環です。

このモデルは、僕自身がURVグローバルグループの経営で実践している考え方の一つでもあります。

ただし、

すべての会社が同じ形を取る必要はありません。

業界。

会社規模。

資金。

人材。

顧客。

経営者の強み。

によって、最適な収益ポートフォリオは違います。

大切なのは、

「自社は、どの収益を経営の土台にし、どの収益で成長を狙うのか」

を意図的に設計することです。

年商1億円から先では、「毎月売上を作り直す会社」から脱却する


年商数千万円までであれば、

社長が毎月営業する。

新しい顧客を取る。

その月の売上を作る。

という経営でも成長できる場合があります。

しかし、年商1億円、その先の5億円へ進むにつれて、

毎月ゼロから売上を作り直す会社

では、経営者・営業組織への負荷が大きくなります。

そこで、

既存顧客から繰り返し売上が生まれる。

契約が継続する。

紹介が生まれる。

営業が仕組み化される。

複数の顧客・販路を持つ。

という状態を作ります。

年商5億円の壁を超える会社は、

「毎月、社長が売上を作る会社」から、

「これまで積み上げた顧客・契約・商品・仕組みが、次の売上を生み出す会社」

へ変わっていきます。


売上の不安定を、営業努力ではなく「構造」から改善したい経営者の方へ


「特定顧客への依存度が高い」

「大口案件がなくなると業績が大きく落ちる」

「毎月、新規顧客を取り続けなければ売上が維持できない」

「継続収益を作りたいが、何を商品化すればよいか分からない」

「営業が社長や一部の社員に依存している」

「来期の売上予測に自信が持てない」

こうした問題は、

単に営業件数を増やすだけでは解決しない場合があります。

顧客。

商品。

価格。

販路。

営業。

契約。

粗利益。

組織。

まで含めて、売上構造そのものを見直す必要があります。

年商5億円の壁を突破するための経営者伴走コンサルティング

年商3000万円から4億円程度のオーナー社長を対象に、2026年3月期・グループ総売上高48億円の企業グループを経営する現役オーナーCEOである松本尚典が、売上構造・収益モデルの分析から、経営戦略、事業計画、組織、マーケティング、財務、実行計画まで、経営判断と実行に継続して伴走します。

https://mbp-japan.com/tokyo/yoshinori-matsumoto/service1/5002501/


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継続的な経営コンサルティングをご検討いただいているオーナー経営者を対象に、現在の顧客構成、売上構造、継続収益、粗利益、営業体制、今後の成長目標を整理し、売上が不安定な本当の原因と、今後どこへ経営資源を集中すべきかを確認します。

https://direct.mbp-japan.com/menu/detail/936


URVグローバルグループの中小企業経営者 成長経営支援

経営戦略、事業計画、新規事業、売上・利益、組織、人材、マーケティング、財務、海外展開など、企業の成長に伴って複雑化する経営課題を、経営全体から支援します。

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松本尚典
専門家

松本尚典(経営コンサルタント)

URVグローバルグループ 

年商3,000万円から4億円程度のオーナー社長を対象に、次の成長ステージへの経営を伴走支援。現役オーナーCEOとして、経営者の意思決定を継続的に支え、年商5億円の壁の突破を目指します。

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