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このコラムは、「事業計画作成法を伝授します①~⑦」から、内容が連続しています。そちらをまだ、お読みになっていない場合、一旦、①~⑦のコラムにお戻りいただき、そちらを読んでから、このコラムをお読みください。
いつ何を、と、誰が?
マーケティング戦略という、事業計画のオペレーションの基本が決まると、次は、具体的に、その事業をどう動かすかという、オペレーションの各論となります。
オペレーションというのは、製造業であれば、研究開発した商品の生産計画・生産管理・生産現場の稼働で、販売業であれば、店舗計画・店舗施設管理・店舗管理・店舗の稼働です。
さて、そのオペレーションを立案するにあたり、マーケティング戦略の次に策定するのは、いつ何を、と、誰が、動かすかという計画です
前者がスケジュールの問題であり、後者がプロジェクト体制の問題です。
スケジュール
このスケジュールが決まらなければ、いつ?という問いが決まりませんので、月次の予算における収益計画も費用計画も立ちようがありません。事業計画の中の最も重要な部分である、採算計画が立案できません。
従って、マーケティング戦略が立案できたら、次に考えることが、スケジュ-ルに落とし込む、ということです。
スケジュール計画は、狂って、修正することが前提
スケジュールを立案する、ということをクライアントの経営者の方にお話すると、よく言われることは、
「事業計画段階のスケジュールは、常に狂うので、スケジュールを立案しても意味がない」
ということです。
勿論、スケジュールというものは、確定的なものではありません。
流動的です。
しかし、皆さんが、かつて受験勉強をしていた時のことを想い出してください。
勉強ができる子、受験に合格する子は、必ずといっていいほど、スケジュールを立てていたはずです。
彼らは、スケジュールは、狂うことを前提に、それでもスケジュールを立てていました。スケジュールを、ぎちぎちのものにせず、余裕をもって、それが狂ってもどこかで修正ができるように組み立てていたはずです。
狂うことがあっても、スケジュールを組み立てることは必要です。当初のスケジュールが狂った場合、それが狂ったことを認識し、何の理由で狂ったのか(外部要因か、内部要因か)を分析し、それを修正するのです。
もともとスケジュールを立てていなければ、そもそも、それが当初の予定通りに進んでいるのか、狂っているのかさえ、認識ができません。それが、最もまずい事業の進め方です。
ローリングプランと、コンティンジェンシープラン
事業計画のスケジュールは、以上のように狂うことが前提で立案します。
このスケジュールと修正の関係で、2つの考え方があります。
ローリングプラン
ローリングプランとは、例えば、3年の中期計画を立案し、毎年、その中期プランのスケジュールを見直して策定しなおす、というようなスケジュール計画の立案方法です。
まずは、スタートの時点で、3年間を想定して中期のスケジュールを立案します。そして、それを前提に計画を実行に移します。そして、例えば、1年後に、この間に発生した外部や内部の原因を踏まえ、更に、3年間の中期スケジュールを立案するのです。
中期スケジュールが、毎年、転がっていくので、ローリングプランと言います。
重要なことは、常に、中長期の視点を持って、スケジュール計画を立案するということです。それによって、事業計画を中長期の視点で見直すことができます。
コンティンジェンシープラン
これに対して、コンティンジェンシープランというのは、基本計画を立案し、その基本計画に対して、それを促進したり、妨げたりする可能性がある要因を別に想定し、その発生の際に動かす計画を、別途定めておく方法です。
企業の事業計画のスケジューリングは、ローリングプランが最適
これらのプランニングの方法は、事業計画のスケジューリングにおいて、想定外の外部要因や内部要因により、計画それ自体が、必ず狂うことを前提とした議論です。
中小企業の事業計画やスケジューリングにおいては、ローリングプランがコンティジェンシープランよりも適しています。基本計画に対して、それを促進したり、妨げたりする可能性がある要因を事前にあげて、それに対応するプランを用意しておくことは、非常に困難だからです。
中小企業のスケジューリングは、立案時点における、事業ストーリーをたて、それに従って、1年から3年のスケジュールを組むのが適切です。そして、3か月から6か月程度の期間で、このスケジュールをその時点から、更に、1年から3年のスパンで立案を見直すという、比較的、短期のローリングプランで、スケジューリングをするのが適切だと思います。
プロジェクト体制
ビジネスモデルとマーケティングの立案、そして、ローリングプランに基づき、そのプランを実行に移すためのメンバーの要件と人数、その必要時期が決まってきます。
このメンバーの要件と人数、その必要時期からなる計画が、プロジュエクト体制です。
経営組織論の世界における、プロジェクトチームと、ここでいうプロジェクト体制は、意味が違います。プロジェクト体制とは、事業計画を実行に移すための人的な組織体制のことです。
このプロジェクト体制に従って、求人や人的な異動を行い、プロジェクトを維持するための予算を策定し、組織を創り、経営管理を開始するのです。
これで、スケジュールと、プロジェクト体制の計画が整いました。
次は、いよいよ、事業計画の中核でもある予算採算計画です。
次回のコラムで、予算採算計画を発信します。
松本尚典の中小企業経営者支援コンサルティングサービス
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