【親子問題】子がネットオークションで詐欺まがいのことをしていたら?
本記事は2026年10月時点の制度と一般的な窓口の運用をもとにしています。ハローワークの手続や相談の進め方は、地域や個々の状況によって異なることがあります。
成人した子がようやく「ハローワークに行ってみる」と口にしたとき、親としては一緒に行って手続を手伝いたい、あるいは本当に通っているのか見届けたいと考えることがあるかもしれません。一方で、「親がついてくるのは恥ずかしい」と子に嫌がられたり、窓口で親ばかりが話してしまったりと、同行がかえってつまずきの原因になる場面もあります。
この記事では、ハローワークに親が同行することがどう扱われているのか、親が代わりにできないことは何か、同行が役に立つ場面と控えたほうがよい場面、そして親以外の第三者に付き添いを任せるという選択肢について整理します。
親が同行すること自体は禁じられていない
ハローワークは誰でも利用できる公的な窓口で、家族が一緒に来所することを禁じる決まりは一般的にありません。待合スペースで待つ、相談の席に同席するといった形で家族が付き添う例も見られます。
ただし、ハローワークの職業相談は、仕事を探す本人との面談を前提に進みます。障害のある方の就職を支援する専門援助部門の案内でも、相談の出発点として本人の「働きたい」という気持ちを重視し、保護者や支援者の思いが先に立っていないかを確かめる姿勢が示されています。親の同席は可能でも、相談の主役は子であるという前提は変わりません。
親が代わりにできないこと
成人した子の仕事探しは、子自身の判断で進める事柄です。親が同行する場合でも、次のような手続は本人が行う必要があります。
求職の申込みと応募
ハローワークで求人の紹介を受けるには、本人が求職の申込みをする必要があります。インターネットで仮登録をしてから窓口に行く方法もありますが、希望する仕事や働き方を職員と話し合うのは本人です。応募先を決めるのも、面接を受けて労働契約を結ぶのも本人であり、親が代わりに決めることはできません。
雇用保険の手続
以前の勤務先を離職して失業給付(基本手当)を受ける場合、受給資格の決定と、原則として4週間に1回の失業の認定を受けるために、ハローワークへ出向くことが必要とされています。失業の認定は、働く意思と能力があるかを本人との面談で確かめる手続なので、親が代わりに出向いて済ませることは基本的にできません。病気などで来所が難しい事情があるときの扱いは、管轄のハローワークに確認してください。
本人の情報の扱い
職業安定法には、求職者の個人情報を適切に扱うことについての定めがあります。そのため、親が電話で「子がどの求人に応募したか」を尋ねても、本人の同意がなければ詳しく教えてもらえないことがあります。進み具合を知りたい場合は、職員に問い合わせるよりも、子との間で「どこまで共有するか」をあらかじめ決めておくほうが現実的です。
同行が役に立つ場面
親の同行が子の一歩を後押しすることもあります。たとえば次のような場面です。
- 長い間外出していなかった子が初めて来所するときに、移動や建物に入るまでの不安を和らげたい場面。
- 病気や障害があり、これまでの経過や配慮してほしい点を、本人の了解を得て親が補足したほうが伝わりやすい場面。
- 離職票や本人確認書類、障害者手帳など、必要な書類をそろえる段階で手伝いが必要な場面。
- 子自身が「一緒に来てほしい」と言っている場面。
障害や病気のある方を対象とする専門援助部門では、必要に応じてハローワークや就労支援機関の担当者が採用面接に同行する支援も案内されています。付き添いが必要な場面でも、その役割を親だけが担うとは限りません。
同行を控えたほうがよい場面
反対に、親の同行が子の自立を遠ざけてしまうこともあります。
- 子が嫌がっているのに、親が「確認のため」とついていく場合。
- 窓口で親が子の希望を代弁し、子がほとんど話さないまま相談が終わってしまう場合。
- 親が職種や条件を決め、子が納得しないまま応募が進む場合。
- 来所のたびに親子で口論になり、外出そのものが負担になっている場合。
親の「早く働いてほしい」という気持ちが前に出るほど、子は「自分で決めた仕事探し」と感じにくくなります。仕事が続くかどうかは、本人がその仕事を自分で選んだと思えるかに左右されることがあります。同行するとしても、話すのは子、親は聞き役という分担を前もって決めておくと、窓口での衝突を減らしやすくなります。
同行するなら決めておきたいこと
- 同行するかどうかを子の意思で決めること。
- 同行の範囲(入口まで、待合まで、相談の席までなど)。
- 窓口で親が話す場面と、話さない場面。
- 相談の内容を親にどこまで伝えるか。
- 同行をいつまで続けるか(最初の数回までなど)。
病気や障害について職員に伝えておきたいことがある場合は、親が窓口で口頭で説明するよりも、本人と相談しながら要点をメモにまとめ、本人から職員に渡してもらう方法もあります。伝える内容を本人が把握したうえで相談が進むため、本人の知らないところで親が話を進めているという不信感を生みにくくなります。
特に最後の点は見落とされがちです。最初は一緒に行っても、次は入口まで、やがて子が一人で行けるようにと、段階的に手を離していく見通しを持っておくと、同行が長引いて親子双方の負担になることを防ぎやすくなります。
ハローワーク以外の窓口と、第三者による付き添い
いきなりハローワークで求人を探すのが難しい場合は、仕事に就く前の段階を支える窓口を経由する方法もあります。
| 窓口 | 主な内容 |
|---|---|
| 地域若者サポートステーション | 働くことに悩みを抱える15歳から49歳までの方を対象に、相談や職場体験などを行う |
| 生活困窮者自立支援制度の相談窓口 | 自治体の窓口で、就労準備支援事業など就労に向けた段階的な支援を案内する |
| ハローワークの専門援助部門 | 障害や病気のある方の職業相談・職業紹介を行う。障害者手帳がなくても利用できる場合がある |
各窓口の使い方は【親子問題】就労支援の選択肢|サポステ・就労準備支援事業の実際で詳しく取り上げています。
自治体の窓口や支援機関の中には、相談員がハローワークへの同行支援を行うところもあります。親ではない第三者が付き添うと、子が家族の目を気にせずに話せる、親子の衝突を窓口に持ち込まずに済む、といった利点があります。
親が関わりすぎないための役割分担
当事務所の親子問題の取り組みでは、弁護士が親の代理人として子からの金銭要求や暴力から親を守り、民間の自立支援カウンセラーが仕事探しや住まい探し、生活保護の申請サポート、日々の金銭管理といった子の生活面を支える形で、役割を分けて対応しています。ハローワークへの付き添いや求人選びの相談も、カウンセラーが担うことのある支援の一つです。役割を分ける考え方は【親子問題】弁護士とカウンセラーが組むという形|役割を分ける理由で説明しています。
親が同行をやめることは、子を突き放すことと同じではありません。日々の伴走を第三者に任せ、親は必要最小限の経済的な支えにとどめることで、親子が適度な距離を保ちながら、子が自分の力で収入を得る道を探しやすくなる場合があります。家庭内に暴力や金銭の要求がある場合は、仕事探しより先に、親の安全を確保する手立てを検討することも大切です。
よくあるご質問
子が行きたがらないので、親だけでハローワークに相談に行けますか
求人の紹介や雇用保険の手続は本人でなければ進められませんが、利用できる窓口や制度について一般的な説明を受けることは考えられます。家族からの相談は、自治体のひきこもり支援の窓口や、保護者の相談を受け付けている地域若者サポートステーションなどでも扱われています。
子が本当にハローワークに通っているか、確かめる方法はありますか
ハローワークに問い合わせても、本人の同意なく利用状況を教えてもらうことは難しいと考えられます。親が確かめようとするほど子が反発することもあるため、通った日の様子を子から話してもらえる関係を保つことや、第三者の支援者を通じて状況を共有してもらう枠組みを検討する方法があります。
採用面接にも親がついていくべきですか
一般の採用面接に親が同席することは、通常は想定されていません。企業側に「一人で判断できないのでは」という印象を与えるおそれもあるため、会場の近くまで送る程度にとどめるのが無難です。障害者雇用などで配慮事項の説明が必要な場合は、ハローワークや就労支援機関の担当者による同行支援を利用できることがあります。
親が求人を探して、子に勧めてもいいですか
求人情報を集めて見せること自体に問題はありませんが、親が選んだ求人に応募するよう強く求めると、子が「親に決められた仕事」と受け止め、続かなかったときに親を責める理由にもなりがちです。求人は参考として渡すにとどめ、応募するかどうかは子に委ねるほうが、本人の納得につながりやすいと考えられます。
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子の仕事探しへの関わり方にお悩みの方へ
ハローワークへの同行は、子が一歩を踏み出すきっかけになることもあれば、親子の距離が近すぎることの表れになっていることもあります。同行するかどうかに正解はありませんが、子の意思を中心に置き、いずれ親が手を離していける形を考えておくことが、子の自立につながりやすいといえます。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


