【親子問題】成人した子が風俗で働いていることを知ったとき|親の介入の限界
本記事は2026年10月時点の制度をもとにしています。窓口の名称や対象年齢は自治体によって異なることがあるため、実際に利用する際はお住まいの市区町村や各窓口にご確認ください。
「子が40歳を過ぎてから、相談できる場所が急に減った気がする」というご相談を受けることがあります。ひきこもりの支援は、もともと若者の自立を支える制度から広がってきた経緯があり、窓口によっては年齢で対象を区切っているためです。
一方で、年齢を問わない窓口も整えられてきており、40歳を超えたからといって支援がなくなるわけではありません。また、子自身の介護保険や親の高齢化など、40代以降に新しく関わってくる制度もあります。本記事では、子が40歳を超えたときに「外れやすいもの」「変わらず使えるもの」「新たに関わるもの」を順に整理します。
40代以上のひきこもりは決して少なくない
内閣府が2023年3月に公表した調査では、15歳から64歳までのひきこもり状態にある人は全国で約146万人と推計され、40歳から64歳の層でも約2%が該当するとされています。ひきこもりは若い世代の問題と受け止められがちですが、実際には中高年の層にも同じ程度の割合で見られます。
それにもかかわらず、40歳以上の本人は支援機関を利用している割合が低いことも、各種の調査で指摘されてきました。かつては国や自治体の支援の多くが39歳までを対象としていたことが、その背景の一つと考えられています。その後、制度の見直しが進み、現在は年齢を問わない窓口も増えていますが、家族の側に「もう相談できる年齢ではない」という思い込みが残っていることも少なくありません。
40歳前後で対象から外れやすい窓口
まず、年齢の区切りがある主な窓口を確認します。いずれも「40歳になった途端に一切相談できない」という運用とは限らず、他の窓口への引き継ぎを含めて案内されることが多いため、区切りを知ったうえで早めに次の窓口を考えておく、という捉え方が現実的です。
子ども・若者総合相談センターなど若者向けの窓口
子ども・若者育成支援推進法に基づく相談窓口は、おおむね40歳未満を対象としています。不登校から続くひきこもりの相談を受けてきた窓口でも、本人が40歳を超えると、ひきこもり地域支援センターや市区町村の福祉窓口へ案内されるのが一般的です。
これまで若者向けの窓口と関わりがあった場合は、担当者が替わる前に、これまでの経過や本人の様子を引き継いでもらえるかを確認しておくと、一から説明し直す負担を減らせます。
地域若者サポートステーション(サポステ)は49歳まで
働くことに悩みを抱える人の就労を支援する地域若者サポートステーションは、以前は39歳までが対象でしたが、2020年度から就職氷河期世代への支援として49歳まで対象が広げられています。そのため、40代のうちはサポステを利用できますが、50歳を超えると対象から外れます。
就労に向けた支援を考えるなら、40代のうちにサポステとつながっておくことには意味があります。ただし、ひきこもりの期間が長い場合は、いきなり就職活動に進むよりも、生活リズムや人と話すことに慣れる段階から始めることが多い点も知っておきたいところです。
年齢で区切られない窓口
| 窓口 | 年齢の区切り | 主に相談できること |
|---|---|---|
| ひきこもり地域支援センター | なし | ひきこもりに関する相談全般、家族からの相談、訪問支援の調整 |
| ひきこもり支援ステーション(実施している市町村) | なし | 身近な場所での相談、居場所づくり |
| 自立相談支援機関(生活困窮者自立支援制度) | なし | 生活や仕事、家計の困りごと、就労準備支援 |
| 市区町村の福祉窓口(重層的支援体制整備事業) | なし | 介護・障害・困窮などが重なった世帯の相談 |
| 精神保健福祉センター・保健所 | なし | 心の健康に関する相談、医療機関へのつなぎ |
これらの窓口は、本人の年齢にかかわらず相談を受け付けています。本人が相談に行けない場合でも、まず家族だけで相談できる窓口がほとんどです。
なかでも生活困窮者自立支援制度の窓口は、仕事や家計の困りごとを入口として幅広く相談を受けており、中高年のひきこもりの相談も多く寄せられています。また、介護や障害、経済的な困窮が一つの家庭に重なっている場合は、市区町村が分野をまたいで支援をまとめる重層的支援体制整備事業の窓口が入口になることもあります。
医療や障害福祉の制度も年齢を問わない
ひきこもりの背景に、うつ病や不安障害、発達障害などが関わっていることもあります。医療機関の受診や、障害者手帳、障害福祉サービスといった制度は、40代・50代であることを理由に利用が制限されるものではありません。本人が受診を拒んでいる段階でも、精神保健福祉センターや保健所で家族が相談し、受診の進め方について助言を受けることができます。
ただし、医療や福祉の制度を使うかどうかは、最終的には本人の意思が前提になります。親が先回りして手続を進めようとすると、かえって本人の抵抗が強まることもあるため、相談先と歩調を合わせながら進めることが大切です。
40歳を超えて新たに関わってくる制度
子自身が介護保険の被保険者になる
40歳になると、子自身が介護保険の第2号被保険者となり、介護保険料の負担が始まります。子が国民健康保険に加入している場合、保険料(税)に介護分が上乗せされ、世帯主である親に通知が届くことが一般的です。
保険料の負担が家計に重くのしかかる場合は、減免や軽減の対象にならないか、市区町村の窓口に確認してみる余地があります。あわせて、子の国民年金保険料の扱いも、40代以降の家計を考えるうえで見直しておきたい項目です。
親が65歳を超えると地域包括支援センターが入口になる
子が40代になるころには、親自身が65歳を超えていることも多くなります。高齢者の総合相談窓口である地域包括支援センターは、本来は親の介護や生活の相談先ですが、同居する子のひきこもりがきっかけで関わりが始まることもあります。
親の通院や介護の相談をする際に、同居する子の状況もあわせて伝えておくと、ひきこもり支援の窓口との連携につながる場合があります。親の介護と子の支援を別々に抱え込まないことが、8050問題と呼ばれる状況に進む前の備えになります。
支援の目標そのものが変わることもある
若い世代では就学や就職が支援の目標として掲げられやすい一方、40代以降では、職歴の空白が長くなっていることも多く、就労だけを目標にすると本人の負担が大きくなることがあります。そのため、家の外に出る機会をつくる、生活費の見通しを立てる、医療や福祉の制度につながるといった、生活の土台を整えることが支援の中心になる場合もあります。
また、40歳を超えた本人は、支援を受けることへの抵抗感が強くなりやすいとも指摘されています。本人の意思を尊重しながら関わることは年齢を問わず大切ですが、特に中高年の場合は、本人の自尊心に配慮した関わり方が求められます。
子が40歳を超えたときに親が整理しておきたいこと
- 子が利用できる窓口と、すでに利用している窓口の対象年齢の確認。
- 家族だけで相談できる窓口への相談の開始。
- 子の健康保険・年金・介護保険料の加入状況と負担の把握。
- 親自身の健康状態と、介護が必要になった場合の見通しの整理。
- 親の収入や資産で、あと何年いまの生活が続くのかの試算。
子が40代になると、親が亡くなった後の子の生活も現実的な課題として見えてきます。親の年金や預貯金でいまの生活が成り立っている場合、親が亡くなったり介護が必要になったりした時点で、子の収入の当てがなくなるおそれがあります。早い段階で、子が自分の名義で受けられる制度や、生活保護を含めた選択肢を確認しておくことが、後の混乱を小さくすることにつながります。
すべてを一度に進める必要はありません。まずは家族だけで相談できる窓口に現状を伝え、そこから必要な制度を順に確認していくことで、親だけで抱え込む状態から少しずつ離れることができます。
公的な窓口だけでは進まないときに弁護士ができること
公的な窓口は、それぞれの制度の範囲で相談や支援を行う役割を担っています。一方で、子からの暴力や繰り返される金銭の要求がある場合や、親子が同じ家で暮らし続けることそのものが難しくなっている場合には、窓口の支援だけでは状況が動きにくいこともあります。
当事務所では、弁護士が親の代理人として子との間に入り、親への暴力や金銭の要求を止める対応を行っています。あわせて、自立支援のカウンセラーとチームを組み、家探しや仕事探し、生活保護の申請、日々の金銭管理などを通じて、子が家を出て生活を立て直すまでを支えています。子が40代、50代になってから依頼を受けたケースもあり、年齢だけを理由に動けないということはありません。
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まとめ
子が40歳を超えると、若者向けの窓口から外れたり、サポステの利用が49歳までになったりと、使える支援の顔ぶれは変わります。その一方で、ひきこもり地域支援センターや生活困窮者自立支援制度の窓口など、年齢で区切られない窓口は引き続き利用でき、子の介護保険や親の高齢化に関わる制度も新たに視野に入ってきます。年齢の区切りを知ったうえで、いまの家庭の状況に合った窓口を選んでいくことが大切です。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


