【解決事例】一度の関係後に「不同意性交」として50万円を求められた事例|合意書を拒む相手方に弁護士が対応し、追加の支払いなく接触が止まるまで
パパ活で相手から受け取ったお金や品物について、「税金の申告が必要なのか」「贈与税と所得税のどちらなのか」と迷う方は少なくありません。現金で受け取っている場合や、少額のやり取りが続いている場合には、申告の必要性に気づかないまま時間が経ってしまうこともあります。
この記事では、かかる可能性のある税金の種類、申告の目安、申告していなかった場合の扱いを整理し、税金の問題が相手とのトラブルに結びつく場面も解説します。
本記事は2026年10月時点の法令・制度に基づき、一般的な考え方を説明するものです。所得区分の判断や税額の計算は、受け取った経緯や金額によって変わるため、個別のケースは税務署や税理士にご確認ください。
パパ活で受け取ったお金も課税の対象になり得る
食事やデートの相手をすることそのものは、直ちに違法とされるわけではありません(相手が18歳未満の場合などは別です)。ただし、違法かどうかと、税金がかかるかどうかは別の問題です。所得税の実務では、収入のもとになった行為が適法かどうかを問わず課税の対象とする考え方がとられており(所得税基本通達36-1)、パパ活で受け取ったお金や品物も、受け取った経緯に応じて所得税または贈与税の対象になり得ます。
現金で手渡しされた場合も、振込で受け取った場合も、税法上の扱いに違いはありません。「手渡しだから申告しなくてよい」という考え方には根拠がない点に注意が必要です。
贈与税か所得税か|分かれ目は「何の見返りとして受け取ったか」
パパ活で受け取ったお金にどの税金がかかるかは、税理士の間でも見解が分かれることがあるテーマです。おおまかには、次のように整理されます。
| 受け取り方の例 | 考えられる税金 | 申告の目安 |
|---|---|---|
| 「1回会うごとに○万円」など、会うことの見返りとして決まった額を受け取っている | 所得税(雑所得・事業所得) | 会社員の場合、給与以外の所得が年20万円を超えるかなど |
| 会う条件とは関係なく、相手の好意でお小遣いや品物をもらった | 贈与税 | 1年間に受け取った合計額が110万円を超えるか |
会うことの見返りとして受け取った場合
食事やデートに付き合うことの見返りとして、あらかじめ金額や回数を決めて受け取っている場合には、役務の対価としての性質が強く、所得税の対象として整理されることが多くなります。所得の区分は、継続性や規模、帳簿の作成状況などによって「事業所得」と「雑所得」に分かれ、副業的に行っている場合は雑所得として扱われることが一般的です。
なお、所得税法では、個人からの贈与により取得するものは所得税の非課税所得とされ、贈与税の対象となります(所得税法9条1項)。そのため、「対価」なのか「贈与」なのかの見極めが、どちらの税金かを判断する出発点になります。
見返りなく受け取った場合
会う約束や条件とは関係なく、相手の好意でお小遣いや品物をもらった場合には、贈与として贈与税の対象になると考えられます。贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産の合計額から、基礎控除の110万円を差し引いた残りの額に課税されます。複数の相手から受け取っている場合は、全員分を合計して判断する点に注意が必要です。
品物でもらった場合は、もらった時点の価額(時価)で計算します。ブランド品やアクセサリーも、合計額に含める対象になります。
両方が混ざっている場合
実際には、「1回ごとのお手当」と「誕生日の贈り物」のように、性質の異なる受け取り方が混在していることも珍しくありません。その場合は、受け取りごとに経緯を振り返り、日付・金額・名目を一覧にして区分していくと整理しやすくなります。
申告が必要になる金額の目安
申告の要否は、税金の種類と本人の状況によって変わります。主な目安は次のとおりです。
- 会社員など給与を1か所から受けている方は、給与以外の所得の合計が年20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。
- 給与などの収入がない方は、所得の合計額が基礎控除などの所得控除の合計額を超えると、確定申告が必要になります。
- 所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあります。
- 贈与税は、1年間に受け取った贈与の合計額が110万円を超えると、翌年2月1日から3月15日までに申告が必要になります。
「所得」は収入から経費を差し引いた金額
所得税の対象となる場合、年20万円などの基準と比べるのは、受け取った金額そのもの(収入)ではなく、そこから必要経費を差し引いた「所得」です。待ち合わせ場所までの交通費など、収入を得るために必要だったと説明できる支出は、経費として扱われる余地があります。一方で、衣服や美容代のように私生活と区別しにくいものは、全額を経費とするのは難しく、業務に使った部分を合理的に説明できるかが問われます。
申告しないままにしておくと何が起きるか
申告が必要だったにもかかわらず申告していなかった場合、本来の税額に加えて、次のような負担が生じることがあります。
- 無申告加算税として、納付すべき税額のうち50万円までの部分に15%、50万円を超え300万円までの部分に20%、300万円を超える部分に30%が課されます。
- 延滞税として、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じた金額が課されます。
- 収入を隠す、記録を改ざんするなど、事実の隠蔽や仮装があったと判断された場合には、無申告加算税に代えて、より重い割合の重加算税が課されることがあります。
税務署が過去にさかのぼって税額を確定できる期間は、原則として5年(贈与税は6年)、偽りその他不正の行為があった場合は7年とされています。
現金で受け取っていても、相手方の口座の動き、受け取った側の預金の増減や高額な買い物、サービスの運営会社への調査などをきっかけに、収入の存在が把握されることがあります。2022年には、飲み会の場に女性を紹介するマッチングサービスの運営会社への税務調査を通じて、登録していた女性たちの申告漏れが把握されたと報じられました。
申告していなかったことに気づいたら
過去の分を申告していなかったと気づいた場合、税務署から調査の通知を受ける前に自主的に申告すると、無申告加算税の割合が原則として5%に軽減されます。期限を過ぎていても、早めに動くことで負担を抑えられる可能性があります。
申告にあたっては、受け取った日付・金額・相手・名目を、手元の記録からできる範囲で整理することが出発点になります。領収書のようなものがなくても、メッセージのやり取りや手帳のメモ、口座の入出金明細が整理の手がかりになります。記憶に頼る部分も、金額を小さく見積もらず、分かる範囲を正直にまとめておくことが大切です。
申告書の作成や所得区分の判断は、税理士の専門領域です。区分に迷う場合や金額が大きい場合には、税理士への相談をおすすめします。
扶養・勤務先・相手との関係で気になる点
親の扶養から外れる可能性
学生などで親の税法上の扶養に入っている場合、パパ活による所得が加わることで、扶養の基準を超えることがあります。2025年分以降、扶養親族とされる所得の基準は合計所得金額58万円以下に引き上げられていますが、これを超えると親の側で扶養控除が受けられなくなり、親の税額に影響が出ることがあります。健康保険の扶養は税とは別の基準で判断されるため、加入している保険者への確認が必要です。
勤務先に知られるか
会社員が確定申告をすると、給与以外の所得に対する住民税が、給与から差し引かれる住民税(特別徴収)にまとめられ、税額の変化から副業収入の存在に気づかれることがあります。確定申告書には、給与以外の所得に係る住民税を「自分で納付(普通徴収)」とする選択欄があり、これを選ぶことで勤務先の住民税額に含まれないようにできる場合があります。ただし、自治体の運用によって扱いが異なることもあり、確実な方法とはいえません。
申告すると相手に伝わるのか
贈与税の申告書には、贈与をした人の住所・氏名を記載する欄があります。申告したことが相手に自動的に通知される仕組みではありませんが、税務署が内容を確認するために相手方へ照会する可能性は否定できません。相手の本名や住所が分からない場合は、把握している範囲の情報で申告することになります。
税金の話が男女トラブルに結びつく場面
パパ活をめぐる相談では、税金を材料にした相手とのトラブルが問題になることがあります。
「税務署に通報する」と言われた
関係を終えようとしたときなどに、相手から「税務署に通報する」「申告していないことをばらす」と言われる場面があります。税務署への情報提供そのものは誰でもできるものですが、通報をほのめかしてお金の支払いや関係の継続を求める場合には、恐喝罪や強要罪が問題になる余地があります。言われた内容は、日時が分かる形で保存しておきましょう。正当な権利の行使と脅迫との境目については、「訴えるぞ」「警察に行くぞ」は脅迫か|正当な権利行使との境界線で解説しています。
一方で、申告していないことが事実であれば、相手への対応とは別に、自分の申告を整えておくことが、相手に交渉の材料を与えないことにもつながります。
「あれは貸しただけ」と返金を求められた
関係が終わった後に、相手から「渡したお金は貸しただけだ」と返還を求められることがあります。民事上の返還義務があるかどうかは、受け取ったときの約束の内容ややり取りから判断され、税務上どの区分で申告したかによって直ちに決まるものではありません。もっとも、申告の際に整理した受け取りの経緯と、相手との話し合いでの説明が食い違うと、後の交渉で不利に働くことも考えられます。受け取った経緯の記録は、税務と民事の両方で一貫させて整理しておくことが大切です。
約束したお手当が支払われない
反対に、約束していたお手当が支払われないというトラブルもあります。約束の内容がメッセージなどで残っていれば、請求を検討する際の手がかりになります。口約束のままのケースや条件が途中で変わったケースの考え方は、パパ活の「約束したお手当」トラブル|口約束・条件変更でもめたらで解説しています。
よくあるご質問
年110万円以下なら申告しなくてよいと聞きましたが、本当ですか
110万円は贈与税の基礎控除の額です。会うことの見返りとして受け取ったお金で所得税の対象となる場合は、110万円ではなく、年20万円などの所得税の基準で判断することになります。また、所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。
もらったブランド品を売った場合も、税金はかかりますか
もらった時点で贈与税の対象になるかどうかとは別に、売却したときの利益が問題になることがあります。生活に通常必要な動産の売却による所得は原則として非課税ですが、貴金属や宝石、美術品などで1個または1組の価額が30万円を超えるものは、非課税の対象から外れます。高額な品物を売却した場合は、税務署や税理士に確認しておくと安心です。
関連する解説記事
- 「渡した金を返せ」と言われた女性へ|返済義務があるケース・ないケース
- 別れた途端「これまでの金を返せ」と言われた|贈与と貸付の違い
- 【解決事例】パパ活相手からの高額な返金請求|弁護士の介入により支払0円で関係を清算した事例
- 【男女トラブル】パパ活をやめたいのに相手が関係を続けようとする|続ける義務の有無と、終わりの伝え方
- 【男女トラブル】弁護士が交際関係の解消時のトラブルに介入するサービス|金銭の清算・画像の削除・ストーカー・脅迫まで全国対応
受け取ったお金の扱いに迷ったら
パパ活で受け取ったお金に税金がかかるかどうかは、受け取った経緯や金額によって変わり、判断が分かれる場面もあります。申告そのものは税務署や税理士に相談しながら進めることになりますが、相手から返金を求められている、通報をほのめかされているといったトラブルを抱えている場合には、当事務所が窓口となって相手方とのやり取りに対応することができます。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


