男女トラブルの時効早見表|請求の種類別に何年で消えるか
別れ話を切り出したいけれど、二人きりで話すことに不安がある。以前に別れを伝えたとき相手が感情的になった、話し合いが何時間も続いて終わらなかった、お金の貸し借りが残っていて「言った・言わない」にしたくない。こうした事情から、「誰かに立ち会ってもらって別れ話をしたい」と考える方は少なくありません。
もっとも、立ち会いを頼める相手は友人・家族・警察・弁護士などさまざまで、それぞれにできることとできないことがあります。誰に頼むかによって話し合いが落ち着くこともあれば、かえってこじれることもあります。この記事では、別れ話に第三者を交えたいときの頼み先ごとの役割と注意点、弁護士に依頼する場合の関わり方について整理します。
第三者を交えたいと考えるのはどんな場面か
- 二人だけで話すと、相手が大声を出したり物に当たったりしそうで怖い。
- 前に別れを切り出したとき、泣かれたり引き止められたりして結局うやむやになった。
- 貸したお金や同棲の費用など、清算しなければならないことが残っている。
- 話し合いで決めたことを、あとから否定されるのが心配だ。
- 自分一人では、その場の勢いで不利な約束をしてしまいそうだ。
どれかが当てはまる場合、第三者を交えることには意味があります。そのうえで、まず確認しておきたいのは、交際をやめること自体には、法律上、相手の同意は必要ないという点です。婚姻と違い、交際関係には解消のための手続がありません(婚約している場合は、正当な理由のない解消が損害賠償の問題になることがあるため、別に検討が必要です)。
つまり、第三者に立ち会ってもらうのは「別れてよいか」の許可を得るためではありません。目的は、別れを伝える場を安全に保つことと、金銭や物の清算など、残った問題を整理することの二つにあります。どちらに重きがあるかによって、頼むのに向いている相手も変わってきます。
立ち会いを頼める相手と、それぞれにできること
共通の友人・知人
最も頼みやすいのが、二人をよく知る友人や知人です。第三者の目があることで相手が落ち着きやすくなり、話し合いの様子を見ていた人がいるため、あとで「言った・言わない」になりにくいという利点があります。
一方で、友人は中立とは限りません。どちらか一方の友人であれば、相手は「味方を連れてきた」と受け止め、かえって反発が強まることもあります。また、話し合いの後に相手から責められたり、連絡の中継役を頼まれたりと、友人自身に負担が及ぶこともあります。友人は代理人として交渉する立場にはないため、お金の清算について話をまとめる役割まで任せるのは避けたほうがよいでしょう。
双方の家族
同棲していた場合や婚約に近い関係だった場合などは、家族が関わることもあります。家族は事情をよく知り、本人を守ろうとしてくれる存在ですが、そのぶん感情が入りやすく、本人同士の話し合いが家族同士の対立に広がるおそれがあります。
反対に、相手の家族が話し合いに出てくることもあります。家族であっても、本人に代わって約束をする権限があるかどうかは別の問題です。この点は【男女トラブル】相手の家族が代わりに交渉に出てきた|代理権の有無の確かめ方で解説しています。
警察
「話し合いに立ち会ってほしい」と警察に頼んでも、交際の解消や金銭の清算は当事者間の民事の問題とされるため、立会人として同席してもらうことは一般的には期待しにくいところです。
ただし、暴力をふるわれたことがある、脅すような言葉を言われている、つきまといがあるといった事情があれば話は別です。事前に最寄りの警察署や警察相談専用電話(#9110)に相談しておくことが考えられますし、危険が差し迫った場面では110番通報をためらう必要はありません。相手の家に荷物を引き取りに行く場合なども、トラブルが心配な事情を伝えて相談しておくと、状況に応じた助言を受けられることがあります。
カウンセラー・行政書士・別れの代行をうたう業者
有料で話し合いに入ることをうたう民間のサービスもあります。気持ちの整理や伝え方について助言を受けること自体は問題ありません。
注意したいのは、お金や権利が絡む交渉です。弁護士法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で、法律上の争いについて代理や和解などの法律事務を業として扱うことを禁じています。貸したお金の返済、同棲費用の分担、慰謝料といった問題について、弁護士以外の業者が報酬を受けて相手と交渉することは、この規定に触れるおそれがあります。行政書士は合意書などの書類を作成することはできますが、争いのある相手方と代理人として交渉する立場にはありません。依頼する前に、その事業者がどこまでを担うのかを確かめておくと安心です。
弁護士
弁護士は、依頼者の代理人として話し合いに同席することも、本人に代わって相手とやり取りすることもできます。金銭の清算や合意書の作成まで、一貫して担える点が特徴です。弁護士ドットコムにも、話し合いの場に弁護士に立会人として同席してもらえるか、費用はどの程度かといった質問が寄せられており、関心の高さがうかがえます。
ただし、弁護士は依頼者の側に立つ代理人であり、双方から等しく距離を置く中立の立会人ではないという点は押さえておく必要があります。相手から見れば「相手方の弁護士」です。この性質を踏まえて、同席するのか、窓口になるのかを選ぶことになります。
ここまでの内容を整理すると、次のとおりです。
| 頼む相手 | 期待できる役割 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 共通の友人・知人 | 場を落ち着かせる、やり取りを見届ける | 中立とは限らない、交渉は任せにくい |
| 家族 | 本人を支える、事情を補う | 感情的になりやすい、代わりに約束する権限は別問題 |
| 警察 | 危険がある場合の相談先・通報先 | 民事の話し合いへの立ち会いは期待しにくい |
| 民間の事業者 | 気持ちの整理や伝え方の助言 | 報酬を受けての法的な交渉は非弁行為のおそれ |
| 弁護士 | 代理人としての同席・交渉、書面の作成 | 中立の立場ではない、費用がかかる |
弁護士に頼む場合の二つの形
弁護士に依頼する場合、関わり方は大きく分けて「話し合いに同席する形」と「本人は会わずに弁護士が窓口になる形」があります。
話し合いの場に同席してもらう
自分の言葉で別れを伝えたいという方に向いている形です。弁護士は話し合いの場に同席し、話が本筋から外れたとき、お金の話になったとき、その場で書面への署名を求められたときなどに対応します。
同席の効果を生かすには、事前の打ち合わせが欠かせません。伝えることと伝えないこと、譲ってもよい条件と譲れない条件、話し合いを切り上げる目安などを決めておきます。また、弁護士が来ると知ると相手が身構え、話し合いに応じなくなることもあるため、同席を事前に伝えるかどうかも打ち合わせの中で検討します。
本人は会わず、弁護士が窓口になる
会うこと自体に危険がある場合や、会えば押し切られてしまいそうだと感じる場合は、この形が考えられます。弁護士が書面で別れの意思と今後の連絡窓口を伝え、清算の条件について相手と話をして、まとまれば合意書を作ります。弁護士からの書面に、相手の行動を強制する力があるわけではありませんが、窓口が一本になることで、本人が直接やり取りをする負担は軽くなります。流れの詳細は【男女トラブル】別れ話を弁護士に任せるときの流れ|本人と会わずに関係を終える、書面が効きやすい場面とそうでない場面は弁護士に窓口を移すという選択|代理人通知が効く場面・効かない場面でも解説しています。
第三者を交えて話し合うときに気をつけたいこと
誰に立ち会ってもらう場合でも、次の点を意識しておくと、話し合いがこじれにくくなります。
- 場所は人目のある落ち着いた場所を選び、相手の自宅や密室は避けるほうが無難です。
- 人数は相手と釣り合うようにし、こちらだけが大勢にならないよう配慮します。
- 話し合いで扱うことと、終わりにする時間をあらかじめ決めておきます。
- お金の約束はその場で決めきらず、内容を確かめてから書面にします。
- その場で示された書面には、内容を確認する前に署名しないようにします。
- 記録を残したい場合は、録音の扱いについても事前に考えておきます。
場所の選び方は【男女トラブル】別れ話の場所をどう選ぶか|会うか・会わないかの判断、記録の残し方は【男女トラブル】別れ話を録音しておくべきか|交際を終える話し合いでの記録の作り方、書面の効力は【男女トラブル】交際相手との間で作った書面|『誓約書』『覚書』の効力で詳しく扱っています。
相手が第三者を連れてきたとき
こちらが一人で出向いたところ、相手が友人や家族を連れてきていたという場面もあります。複数人に囲まれると、冷静に考える余裕がなくなり、望まない約束をしてしまうおそれがあります。
そのような場合は、その場で結論を出す必要はありません。「今日は話を聞くだけにします」「弁護士に相談してから返事をします」と伝えて、日を改めることができます。対応の考え方は【男女トラブル】相手が別れ話の場に友人を連れてきた|複数で囲まれたときの対応で解説しています。
会って話すこと自体を見直したい場面
過去に暴力をふるわれたことがある、「別れるなら職場に知らせる」などと言われている、別れを告げた後に待ち伏せや執拗な連絡が続いているといった場合は、第三者が同席しても安全を十分に確保できるとは限りません。こうした場面では、会って話すことにこだわらず、会わない形で関係を終えることを優先して考えるほうがよいでしょう。
連絡が止まらない場合の対応は別れ話のもつれでLINE・電話が止まらない|接触禁止を実現する方法、つきまといが心配な場合の相談の順序は【ストーカートラブル】警察と弁護士のどちらに先に相談するか|ストーカー被害での順序をご覧ください。
よくあるご質問
友人に立ち会ってもらうと、友人に迷惑がかかりますか
話し合いを見届けるだけであれば、友人が法的な責任を負うことは通常考えにくいところです。ただ、相手から責められたり、その後の連絡の窓口にされたりと、気持ちの面での負担が生じることはあります。頼む前に、どこまでの役割をお願いするのかを友人と共有しておくとよいでしょう。
弁護士に同席だけをお願いすることはできますか
対応は事務所によって異なりますが、同席のみ、同席と合意書の作成など、関わる範囲を相談して決めることが一般的です。当事務所でも、ご事情を伺ったうえで、同席するか窓口になるかを含めて、どの形が合うかを一緒に検討しています。
弁護士に相談したことは、相手に知られますか
相談しただけで相手に伝わることはありません。相手に連絡が入るのは、ご依頼を受けて弁護士が動き始めてからです。詳しくは【男女トラブル】相手に知られずに相談できるか|相談しただけで相手に伝わることはないで解説しています。
まとめ
- 交際の解消に相手の同意は必要なく、第三者を交える目的は、場の安全と清算の整理にあります。
- 友人や家族は場を落ち着かせる役には向きますが、中立とは限らず、交渉を任せるには向きません。
- 警察は民事の話し合いに立ち会う立場にはありませんが、危険がある場合の相談先・通報先になります。
- 報酬を受けて法律の絡む交渉を代わりに行う民間の事業者には、非弁行為のおそれがあります。
- 弁護士は代理人として、話し合いに同席する形と、本人に代わって窓口になる形のどちらもとることができます。
別れ話に誰を交えるかは、相手との関係や残っている問題によって変わります。会って話すべきか、誰に入ってもらうべきかの判断に迷う段階でも、ご相談いただくことができます。当事務所の取り組みについては【男女トラブル】弁護士が交際関係の解消時のトラブルに介入するサービス|金銭の清算・画像の削除・ストーカー・脅迫まで全国対応をご覧ください。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


