片足立ちが出来ないのは、体幹が無いから?③~片足立ちがやりやすくなる、エクササイズをしてみよう!~
こんにちは、姿勢トレーナーの八巻です。
今回は今年最後の記事にたぶんなります、
前回の続きで、背骨をきちんと正しく動かすとはどういう事か、
さらに具体的にお話をしましょう。
前回までご紹介したエクササイズで、
体(体幹部)を動かすときの考え方をご紹介しました。
前回記事:背骨を動かしてインナーマッスルを効果的に鍛えよう
背骨を正しく動かすために、やるべき事とは?
体を前後左右に曲げる時、
必ず動くのは背骨です。
この背骨がきちんと動くかどうかで
肩まわりの動きの良し悪しが変わり、
背骨がきちんと積み上げられているかどうかで
股関節まわりや脚の動きにも大きく影響が及んでいきます。
背骨を「曲がりやすい」状態にしよう!
姿勢が崩れている時、背骨は
曲がりにくい状態
になっていると考えていいでしょう。
というのは、
姿勢が崩れている時体は重力で下につぶされている状態です。
この時背骨も上からつぶされています。
背骨の椎骨の間には、
椎間板という緩衝材のようなものがあり、
関節の動きの補助やクッションのような役割を果していますが、
背骨が押されると、この椎間板も押しつぶされます。
つぶれた状態で背骨を曲げたりするとさらに圧がかかり、
椎間板が飛び出てしまったりします。
(これが椎間板ヘルニアです)
背骨全体でみると、つぶされる事によって
S字カーブが崩れて猫背や反り腰の姿勢になっているのですが、
もっと細かくみていくと、
背骨を構成する椎骨(ついこつ)の間もつぶれていきます。
骨と骨の間隔が短くなると、
曲がる時に両方の骨がぶつかって曲がりにくくなる事が想像出来ます。
大きな動作がしにくくなってしまいますね!
スポーツやバレエ・ダンス等でダイナミックな表現をしたくても出来ません。
また、体を曲げる時に
体を縮めるように曲げてしまうと、
さらに骨と骨の間を圧迫してしまうので、
関節の部分に大きな負荷がかかってしまいます。
椎間板ヘルニアやすべり症のような障害は、
こんな動作を続けていると誘発しやすいのではないでしょうか?
曲がりやすくするには、「骨と骨の間を拡げる」
=体を伸ばす”伸び”がやはり大切!
そうならないようにするには、椎骨の間隔をひろげて曲がりやすくしておきます。
当コラムでは伸びをする事を度々ご紹介していますが、
こういう動作にも活きてくるのですね。
つぶれた体をまずは真っ直ぐ引き上げて、
背骨の間隔をひろげてS字カーブの本来の形に近づけます。
これで背骨が本来のパフォーマンスを発揮出来る状態に近づけていきます。
そこから前や後を「伸ばし増し」して、
体を前後左右に曲げるのです。
これが出来ると、見た目の動作もよりダイナミックでキレイに見えるはずです。
下方向に体を落として曲げるのではなく、
上方向に積極的に体を上げながら曲げるのです。
対して多くの人はこのような体の使い方をしておらず、
体をつぶすように背中を丸めたり、
腰を折るようにして体を反ったりしているので
よく曲げる場所を故障してしまうんですね。
股関節も、体がつぶれると動きが悪くなる
股関節の場合も同様で、
体がつぶれると骨盤の位置も重力方向に落ちます。
すると股関節も遊びが無くなってまわりにくくなってしまうのだと思います。
股関節は球の関節でスムーズに転がるのが理想なので、
遊びが無くなり転がりにくいと動きも悪くなります。
体幹=背骨
一番のコアにある、背骨にもっと着目すれば
体幹がより安定し、より大きな動きが手に入るはず!
という訳で背骨の動かし方についてのお話をさせていただきました。
背骨が大きく動くようにするには、
背骨の椎骨間にそれぞれある関節のすき間をあけておく事。
つぶれた体を元に引き戻す事がまず必要で、
その上で曲げる方向と反対側を「伸ばし増し」するようにして曲げるといいですよという事です。
こんな動きをしていると、
背骨まわりの筋肉や体幹の筋肉が徐々にその姿勢をサポートするように鍛えられてきます。
何より背骨やその周辺の可動域がアップしますので、
大きな動作が結果身に付いてくるのです。
最近は体幹というワードがもてはやされていますが、
それが一人歩きしているような感が私はします。
筋肉でどうにかしようという発想ばかりで、
そのもっと中にある一番文字通り体の「骨格」である、
背骨そのものの動き方・組み立て方がおざなりになっているように感じます。
トレーニングをする中で、
また皆さんがそれぞれされているスポーツやダンスなどをする中で
ご自身の骨格がそれらの動作の中でどう動いているのか、
そんな事を少しでも頭に思い浮かべながら動いてみてください。