肩甲骨を寄せて歩く・走る事は、果たして正しいのか??
こんにちは、姿勢トレーナーの八巻です。
今回のお話は、体幹トレーニングをする際、
どう体を動かして筋肉を使うかというお話です。
筋力トレーニングのやり方についてのお話と思っていただければと思います。
皆さんは筋力トレーニングというと、
どんな動きを想像するでしょうか?
やはり、腹筋のトレーニングでイメージされるように、
「筋肉を縮めて使う」動きなのではないでしょうか?
しかし、筋肉は3通りの筋力発揮の方法があります。
筋肉の働き方は、3種類ある。
- 求心性収縮
- 遠心性収縮
- 等尺性収縮
他の言い方をする事もありますが、
この3種類の収縮方法があります。
1.求心性収縮
筋肉を「縮ませながら」使う方法のこと
求心性収縮とは、上の腹筋トレーニングのように、
お腹を縮ませるような動作をして筋肉を使う方法です。
ウェイトトレーニングも基本はこの動作を意識して行います。
2.遠心性収縮
筋肉を「伸ばしながら」使う方法のこと
遠心性収縮とは、求心性とは逆に筋肉を伸ばしながら使う方法です。
私がこのコラムでよく紹介させていただく「伸び」はこれに当てはまります。
皆さんがよくやるストレッチもそうですね。
ただし、筋トレで腹筋をした場合でも遠心性収縮は常に行われています。
このようにお腹の筋肉を縮めて使った(求心性収縮)場合、
背中側の筋肉が伸びる事によって背骨が動く事が出来、お腹の筋肉が縮みます。
体が動く時は常に求心性収縮と遠心性収縮がペアで行われているのですね。
なので、一方の筋肉が弱くて縮みにくかったり、硬くて伸びにくかったりすると、
その部分の関節は動きが悪くなってしまうのですね。
3.等尺性収縮
筋肉が長さを変えずに筋力発揮をする方法
これは同じ姿勢で何十秒とキープする、
体幹トレーニングのようなトレーニング法がこれになります。
姿勢が崩れがちな現代人に一番必要な体幹の筋トレは
3つのうちどれか?
ここからは、この3つの筋力発揮方法の中で、
皆さんが一番必要なのはどれかというお話をします。
一番必要なのは、 2番目の遠心性収縮です。
現代人は、体幹が縮んでいるから!
縮んでいるから「伸ばす」んです!
おへそを中心に考えてみましょう。
筋肉や体をおへその方に向けて近づけていくような感じで体を動かすのが、
求心性の動作です。
腹筋もそうですが、日常のこんな姿勢も言わば求心性の動作と言えます。
こういう姿勢の人が、いわゆる「腹筋」をやれば、
一層体の中心の方へ体のパーツを集める力が強くなってしまいます。
ですので逆に、おへそから上下に遠ざけるように伸ばして使ってあげる、
「遠心性の動作」が必要という訳です。
体幹トレーニングのような等尺性収縮についてですが、
体を正しい位置までセットした上でその位置を覚えるためにという事であれば、
やるのはいいと思います。
ちなみに割と著名なトレーナーの提唱しているこのやり方はよくありません。
まずこれはお腹側に意識が向いていて、お腹を縮めた上での等尺性収縮なので
結局普通の腹筋のトレーニングとあまり効果が変わらないという事、
そしてお腹側が縮んだ「不良姿勢」でのキープなので、
悪い姿勢をわざわざ鍛えるトレーニングになってしまいます!
私がおすすめする体幹トレーニングについて
https://mbp-japan.com/tokyo/karadachosei/column/5039964/
大の字に寝っ転がって「伸び」をしよう!
今一番現代人に欠けている動きは、体幹部の遠心性の動作です。
みんな重力に体が潰されて、体が中心に集まってきているのです。
そんな状況を放置したまま、さらに縮めたりキープしたりしても、
状況は改善する訳はありませんよね?
一番私達が必要なのは、逆に体の中心から手足の末端に向けての体の動作です。
当コラムで事あるごとに伸びをしろと書いてありますが、
腹筋をする位ならば、一日何回も伸びをしてあげる方がいいです。
デスクワークの合間に立っておへその下からグーッと伸ばすだけでいいです。
お休みの前やお目覚めの時に、
仰向けのままバンザイをしておへそから両手両足をゆっくり遠ざけるように伸びをする。
こんなルーティンを取り入れれば、少しずつ体にも違った筋力がついてくると思います。
それは、姿勢を正しい方向に戻すための筋力です。
皆さんもぜひ取り入れてみてください。