スキーのオフトレーニングは、スクワットの習得に努めよう!
こんにちは、姿勢トレーナーの八巻です。
今回は、40代・50代からのスキー上達に関する話題です。
スキーのレベルは人それぞれで、
そのレベルに応じてそこからそれぞれが練習などをして、
レベルアップを目指していっている事でしょう。
その中で、なかなか上達が思うように進まなくなったという
お悩みを抱えている事も多いのではないでしょうか?
スキーの場合だと、ゲレンデのコンディションが気象状況によって違います。
今日はさらさらのパウダースノーで滑りやすかったけど、
今日はアイスバーンになって上手く滑れない・・
今日は暖かくて雪がザクザクで板がとられる・・というように、
ゲレンデコンディション一つでも苦手なシチュエーションがスキーにはあるものです。
そんな中でも、多くの人を悩ませ、
またそれを克服したいと挑み続ける人も多いゲレンデシチュエーションが、
「コブ斜面」です。
多くは一面に広がるコブに恐れをなし、果敢に挑戦した人も跳ね返す。
攻略が難しいからこそ、挑戦し続ける人も多いのが、コブ斜面なのでしょう。
私も30になる頃にモーグルを始めました。
それ以来10数年コブ斜面に惹かれていますが、
なかなか思うように上達をせず長らく悩んでいました。
一体どうやったら上手くなるのだろうか?
いろいろな練習・トレーニング法を試しました。
その末にようやく、全くコブが滑れない人でも
上から下までコブを滑り切れるようになる練習方法が見えてきたので、
今回それをご紹介しようかと思います。
コブ斜面の滑り方を教えてくれるスクール・コーチ選び
まずは様々な上達方法を試してきた私自身の経験を元に、
コブ斜面の主な練習法の検証をしてみましょう。
コブが滑れない・コブを滑るのは初めてだという人が、
なかなか自己流で滑れるようになるのは難しいと思います。
なので、最初はやはりスクールに入って
コブの滑り方のイロハを教わる事から始めるのがいいと思います。
では、どんなスクールがあるのでしょうか?
私が知っている中で挙げてみましょう。
①基礎スキー由来のコブスクール
②モーグル由来のコブスクール
大きく分けると、基礎スキー由来のコブレッスンと、
モーグルの競技由来のコブレッスンがあります。
①基礎スキー由来のコブレッスン
SAJのバッジテストは、1級から「不整地小回り」という種目があります。
コブ斜面をある程度滑り降りられる能力が必要になりますが、
その要素を教えてくれるのがこちらです。
こちらのレッスンは、
スキー場に常設されているスキースクールでも受講する事が出来ると思います。
ただ、コブ専門のレッスンというようにうたっているレッスンは、
スキー場の常設スクールではそこまで多くないかもしれませんが、
コブ斜面を滑る要素というのは何もコブを滑る事だけではありませんので、
総合的な滑走技術を上げるのにまず受けるといいのではないかと思います。
その上でコブを集中して練習したいというなら、
フリーのイントラさんで、
コブ斜面専門でスクールを実施している方はおられますね。
基礎スキー的なコブの滑りを教わるならこちらがいいのでしょう。
②モー グル由来のコブレッスン
もう一つは、コブを滑る競技・モーグル由来のレッスンです。
最近はスキー場に常設されたモーグルスクールがいくつかあります。
その多くは、かつてオリンピックやワールドカップに出場した選手が引退した後、
指導者としてスクールをされているというパターンです。
私の場合は後者でした。
コブが滑れるようになりたいなと思い、
教わるにはモーグルのスクールに入ればいいのかなと
雑誌で探して行ったという感じでした。
元ナショナルチームの女性のコーチにしばらく教えていただいてましたね。
私が入っていた頃はまだモーグルブームの余韻があった頃なので、
競技志向の滑りを教える感じがどこのスクールも強かったですが、
最近は純粋にコブを滑れるようにという人も対象にしているようなので、
バッジテスト合格を目指すような人が入っても大丈夫なはずです。
どちらのレッスンでもいいと思いますが、
まずは普通のスキースクールに入ってスキーの基本を練習し、
それからより専門的にコブを教えてくれる所を探していくのがいいでしょうね。
問題は、そこでどんな滑り方を教えているか。
そこを見極めていく事が大事です。
次では、コブの滑り方・練習法について検証してみたいと思います。
おすすめするコブの滑り方・おすすめしないコブの滑り方
コブレッスンの内容に関する記述なんかをWEBでみると、
コブ斜面を練習するいくつかの代表的なドリルがあります。
それらの方法を、ちょっと私的に分析してみようかと思います。
①横滑り
板を横に向け、体をフォールラインに向けて
そのまま板を横滑りさせて降りる方法です。
これは確かにコブを滑れるようになる上で大切で、
横滑りが上手く出来ないとなかなか上手くコブも滑れるようになりません。
モーグルコースが常設されているスキー場では、
時間毎にゲストのスキーヤーも含めてコース整備を行います。
デラパージュ(デラがけ)と言って、
荒れた斜面を慣らすのですが、
その時にコブの裏を削るように横滑りをするんですね。
これがちゃんと出来るかどうかはすごくポイントなんです。
私もかつてそうでしたが、
デラがけをしていて横滑りが出来ず、横に発射してしまうようなら、
これをきちんと出来るようにしておかないといけません。
コブの裏側を削るような感じはコブ滑走には欠かせません。
かといって、ひたすら横滑りを練習するのは違うと思う!
という事で、ひたすら横滑りのポジションでブレーキをかけながら、
「ズルズル・ドン」という感じで滑りましょうとやっているところもあるようですが、
これは私はちょっと違うんじゃないかなぁと思います。
この滑り方だと、せいぜい数ターンしか出来なかった人が、
ソロリソロリ降りてちょっと距離が伸びた位にしかならないのではないでしょうか?
1ターン毎に板の向きを換えるという動作に非常に気をとられますし、
ターン毎に形をタイミングよく作れないとすぐ破綻してしまうでしょう。
だからゆっくりでないと上手くターンが続かないと思います。
横滑りは大事ですが、その形だけ形態模写でつくってもそれっぽくなるだけです。
どういう動作を経て、横滑りをつくっていくかが重要です。
②ストックを強くつく
コブを滑る時に、コブを強く突くというように言っているところもあります。
これもちょっと私は賛同しかねます。
そもそも、トップモーグラーやトップデモが、コブを滑る際に
そんなに強くストックを突いて滑っていますかね?
私もやってみた事がありますが、
ターンが長く続きませんでしたね。
力が必要なのは、上半身ではなく下半身のほうの踏力です。
上半身に力を入れすぎると、板への踏力が逆に下がるような気がします。
もしかするとこれも全く滑れない人が
少し滑れるようになるには有効なのかもしれませんが、
上述のズルズルドン滑りやストックを強く突く滑りは、
その後への応用が利かない滑りではないかと思いますので、
そこからさらに上のレベルで滑れるようにという際に、
また1から違う滑りを覚えないといけなくなると思います。
何故なら、上手い人はそんな風に滑っていないからです。
上手い人と違う滑り方を練習して、上手くなるわけがありません!
私はいろいろやってみて、そう感じています。
上手い人の滑りを分析して、その動作を分解し、
かみ砕いて練習してこそ、本当に必要な練習になるのです。
③プルークを整地・不整地で練習する
あるモーグルスクールに入った方に聞いたお話です。
そこでは例えば午前中はずっとプルーク(ハの字)の練習をさせられたという事でした。
コブでもプルークだったと。
板を揃えて滑らなくてはいけないコブ滑走で、
このプルークドリルはどうなのでしょうか?
これこそが本質を捉えた練習なのではないかと思います!
私もこれを知ってコブでの滑りが安定してきた! コブでのプルーク
プルークでのターンの練習は、
片足ずつ交互にしっかり圧をかける動作を身につけるのに欠かせません。
コブ斜面ではコブの裏側でしっかりそれと同じ動作を行っていきます。
コブ斜面に入る前の、基本練習はプルークボーゲンに尽きる!
結構上手く出来ない人が多いのが、
ハの字でブレーキをかけながら降りるこの動作。
板を前方に押しだし、雪の壁をつくるような動作をするといいのですが、
ブレーキを上手くかけられない人って結構いたりします。
この動作を左右交互に行うと、
「プルークボーゲン」になります。
私もそうでしたが、コブを滑れるようになりたいと言いつつ、
このスキー初級者の基本・プルークボーゲンすら出来ていないのなら、
まずこれが出来るようにしなければいけません。
小学生くらいの小さな子供なんかは、
ハの字のまま、器用にコブを滑って降りますよね?
板が短いからコブの中で邪魔になりにくいというのもありますが、
ハの字できちんと滑れていると、板を平行にするのにはそう時間はかかりません。
私も最近は滑り始めの1本目は、コースチェックも兼ねてプルークボーゲンでコブを滑走します。
これでしっかり片足過重の感覚を体にチェックさせます。
ただ、コブの中でのプルークはいきなりは難しいので、
まずは整地でしっかりプルークボーゲンが出来るようになってからコブでの練習を始めましょう。
プルークボーゲンを
スキー初心者が何故最初にやるか知っていますか?
それは、スキーのターン時に必要な、
「外向姿勢」を身につけるため
なのだそうです。
外向姿勢とは、
体の向きに対して板が内を向く状態・
すなわち板の向きに対して体が外を向く状態です。
板をハの字にすると、それで既に外向の状態が出来ていますよね!
そこから反対側の板を寄せればパラレルで外向姿勢になります。
過重をかけていない方の板は、
かけている方にしっかり乗れていればいるほど自由になります。
プルークボーゲンの練習をしっかり行い、
片足にしっかり過重をかけられると、
反対の板は容易に寄せる事が出来るようになります。
こうして手に入れたパラレルの外向姿勢を使えば、
自然にバターナイフを使ってマーガリンを塗るような
キレイなスライドをする横滑りになっていくと思います。
必死に体はフォールライン・板は横向きの姿勢をつくる事も無い訳です。
最近はカービングスキーの影響で、
体を傾けるだけであまり過重をかけなくても曲がってしまうので、
それがかえってスキーの基本を疎かにしてしまっているとも言えます。
実際私もそうでした。
コブを滑る時の過重のかけ方は、 片足過重が安定する。
コブを滑る時は、短い時間でターンを終わらせるので、
一気に強くコブを蹴るような力をかけます。
コブを滑る時は閉脚で板が揃っているので、
両足を伸ばしながら両足でコブを蹴る方法もありますが、
プルークボーゲンでのコブ滑走の延長で、
外足のみの片足でコブを蹴る方法の方が、
ターンが安定するように私は感じます。
1段飛ばしで階段を駆け上がっていくような感覚で、
片足でしっかり踏み込んでコブを滑っていくのですね。
コブ上達はオフシーズンの過ごし方にあり!
コブ上達のオフシーズントレーニングとは?
ここまではコブ斜面克服のために、
冬のシーズン中にどんなスクールに入ればいいか・
どんな練習方法がいいのかというお話でした。
ここからは、オフシーズンには
どんなトレーニングをすればいいのかというお話をしていきたいと思います。
オフトレには、どんな方法があるのでしょう?
私が今まで試した事のある方法を挙げてみましょう。
①サマースキー
最近はスノーマット・プラスノーを敷いたサマーゲレンデが多くなってきました。
かぐらやふじてんのように、コブの形状にした斜面があるところもあるので、
そういうところで練習するのもありです。
ただ、雪と違ってスリップしやすく下も硬いので、
転ぶと打撲などのケガのリスクは雪より高いので気をつけましょう。
それこそプルークボーゲンの練習をこの時にしっかりやっておくといいかもしれません。
②トランポリン
モーグルやエアの選手がよく使用するトランポリンですが、
ターンの時の体の使い方のトレーニングにも使えます。
トランポリンの上で脚を屈伸し、コブでの吸収動作を養います。
③スクワットなどの筋力トレーニング
スキーはやはり脚力が要ります。
しっかり踏めるように、脚力をつける必要がある場合もあります。
そんな時は、スクワットを中心にした、下半身のトレーニングをやりましょう。
スクワットは、筋力アップもそうなのですが、
スキーがきちんと踏める適切なポジションセッティングをするためにも、
正しく行える事がそれ以上に大切になります。
例えばしゃがんで体が下がっていくと
骨盤が後傾してお尻が落ちてしまうような人は、
コブを滑ってコブを乗り越える度にお尻が落ちてしまいます。
お尻が落ちてしまうと、もう板が先に走ってしまい、
暴走→転倒の流れになってしまいます。
こういう人は雪の上で練習してもなかなか上達出来ません。
その前にスクワットが正しく出来るようにして、
板の上に常に体がある状態をキープ出来る体にしておきましょう。
④動作・機能自体をトレーニングする
上手く板に力を加えられない・
横滑りの格好が上手くとれずにお尻が回ってしまう・・
そういう症状をかかえているスキーヤーは、
体の機能がそういう動作を苦手にしています。
雪の上で体の機能を滑りながら練習するのはとても大変です。
雪に上がる前に、必要な機能をある程度身につけておく必要があります。
こんな風にオフトレもいくつか挙げてみましたが、
シーズンのように板を履いてほぼ同じシチュエーションで練習出来るものから、
スキーに必要なフィジカルを鍛えるものまで様々だという事がわかります。
まとめ:
私はどれを採用してコブ斜面を克服していったか?
ここまでオンシーズン・オフシーズンの練習方法を挙げてみました。
長い間コブが上達せずに停滞していた私をそこから上達へと持っていったのは、
まずはオフシーズンの「動作・機能のトレーニング」です。
やはり私はコブを滑ると段々背中が丸まっていき、
股関節をきちんとたたむことが出来ずにお尻が落ちて破綻していたので、
滑走中の姿勢をつくる事をはじめ、
脚の屈伸の仕方などの体の動かし方をずっと研究していました。
ある程度それが出来てきたら、
雪の上で実際にどういう動作をすれば
それが上手く反映出来るかをいろいろ試行錯誤しました。
それのある程度の答えが、
結局スキーの基礎・プルークボーゲンでしっかり片足過重を練習する、だったという事ですね。
上手な人の滑りは、結局この滑りがベースになっているのです。
やはり基本に忠実にある事は何にも勝るのです。
オフには体力アップももちろんですが、
スキーが操作しやすくなるように体の機能を全体的に上げておくと、
スキーのスクールに入っていろいろなドリルを課せられても、
体がそれに反応してくれやすくなるでしょう。
40代からでも華麗にコブを滑って降りて来られるようになる方法を、
今回はご紹介させていただきました。
オフトレでフィジカルをアップし、スキーで基本から練習する。
このセットで皆さんもコブ斜面克服を目指してみませんか?