整体のために行う、ストレッチ。普通に行われるストレッチとの違いとは?
こんにちは、
姿勢トレーナーの八巻です。
今回は、姿勢改善についてのお話でよく出てくる、
「骨盤前傾」と「反り腰」についてです。
普段良い姿勢を心がけているのに、何か腰がいつも重い・
腰が反ってお尻が後ろに突き出た「出っ尻」の姿勢なんだよな・・・
そんな方には是非お読みいただきたいと思います。
良い姿勢を心がけているはずなのに、
骨盤が後傾しているといつも言われるから、前傾するようにと言われるけど、
腰がきついんだよなぁ・・・
もしかすると、骨盤の前傾方法が間違っているかもしれません。
前回コラム「腰を反るから腰が痛くなる」
今回は姿勢改善の際に、骨盤をどのように操作すると良くないのか・
逆にどのように操作すればいいのかというお話をしたいと思います。
骨盤の前傾をしても、姿勢が良くなる訳ではない。
姿勢改善・とりわけ、骨格を整えるにあたって、
骨盤が前傾していなくてはいけないかというと、
実はそんな事はありません。
むしろ過剰に前傾を意識すると、
前回の「出っ尻&反り腰」を意識的につくってしまう事になります。
しかし、バレエやダンスをされている方はもちろん、
スキーヤーの姿勢や動作をパーソナルトレーニング等の際にチェックすると
骨盤が過剰に前傾している傾向があります。
これは、骨盤が後傾して姿勢が悪くならないようにと、
骨盤を前傾させて対処しているという訳です。
そうすると得てしてこのような姿勢になっていきます。
指導者でもこのような姿勢をつくってしまうような指導をしている人は
結構います。でもこれは骨盤が過剰前傾であり、
背骨が生理的湾曲(自然なS字カーブ)を維持しておらず、
頭が前に落ちてしまっています(ストレートネックになる)。
骨盤の前傾を意識し過ぎると、
腰はもちろん張りますがそれ以外に
ストレートネックによる頸・肩まわりのコリや
肩甲骨まわりのコリもどんどん増やしてしまう結果になります。
猫背と言われたり、骨盤が後傾していると言われても、
骨盤前傾だけしても姿勢は改善しません。
不良姿勢の形が変わっただけなので、
いろいろなところに負荷が過度にかかるのは変わらないのです。
座っている時・立っている時、骨盤は「ニュートラル」
では、正しい姿勢の時、骨盤はどういう状態がベストなのでしょうか?
それはこの上の見出しにもあるように
座っている時や立っている時のような静止時は
「ニュートラル」
が一番望ましい状態ではないかと思います。
骨盤ニュートラルとはどういう状態なのか?
それは骨盤の寛骨(左右にある大きな骨)が
直立している状態です。
絵でざっくり書くとこんな感じですが、
座っている時は、お尻の下の方に左右にある「坐骨」を立てて座ります。
左が骨盤(寛骨)を立てて坐骨で座った姿勢
右は骨盤が後傾し、尾骨も着いて座った姿勢
問題は、左のような座り姿勢にどうやって持っていくのかという事です。
そもそも骨盤が後傾してしまった理由は、
頭や背骨が本来の位置より地面に近づいてしまったからですので、
骨盤をニュートラルに戻すには、背骨や頭を元の位置に戻せばいいのです。
座ったままの姿勢で、このように伸びをしてみましょう。
脇腹や、肋骨の骨のすき間を拡げるように伸びをします。
(画像は正座ですが、椅子に座ってで構いません)
こうすると、他に何もしなくても骨盤が立ってくるのではないでしょうか?
この方法で骨盤は前傾でも後傾でもない、
「ニュートラル」な位置に来ます。
背骨の形が崩れていると、骨盤をどう動かしたところで姿勢は改善しませんが、
背骨の形を整えていくと、骨盤は自動的に最適な位置へ近づきます。
良い動作・姿勢の極意とは?
骨盤と頭が同じ方向へ動く事!
ここまでは主に静止時に骨盤はどうセッティングされるべきかというお話でしたが、
次は動く際にはどうなればいいのか?というお話です。
歩行をはじめ、スポーツなどの動作時にも、
背骨の湾曲は崩さないで行う事は重要です。
ただ、動作時は体が前に屈んだり後へ反ったりする事もあります。
そういう時に、体はどう動けばいいのでしょうか?
ここで、こんなイラストを用意しました。
真ん中が普通に座った姿勢で、
左がお辞儀の姿勢、右が後屈した姿勢です。
この3つの姿勢で骨盤はどうなっているかと言うと、
真ん中はニュートラル
左は前傾、右は後傾になっています。
そして、その上の背骨や頭はどうでしょうか?
真ん中はニュートラルの骨盤の上に背骨と頭が載っていますが、
左右も前傾or後傾した骨盤の延長線上に背骨と頭がありますよね?
これが非常に大切なのです!
頭が進む方向と、骨盤が進む方向は常に一致させる事が大事なのです。
上の図のように、お辞儀をしたら頭は前方へ降りていきますよね?
それに骨盤も同調しなくてはいけないという事です。
(背骨がたわむと、頭2:骨盤1というような割合でも前屈しますが、
その時も前屈方向にどちらも屈んでいる事が重要。
例:スキーの滑降・ロードバイク乗車姿勢など)
(赤線は今回は関係無いので無視してください)
右のようにお辞儀をして頭は前に行っているのに、
骨盤が留まっているか後傾するような動作がよくありません。
逆に反り腰になる時の姿勢は、
上のイラストの前屈からニュートラルに戻す時に
頭だけ起きてきてしまい、骨盤が前傾のまま起き上がって来ない事で起こります。
前傾からニュートラルに戻す時は頭が起きるのと連動して
骨盤も”後傾”させないといけないのですが、
骨盤が残ってしまうのですね・・
「骨盤は常に前傾させておかなくては・・」
というような潜在意識がすり込まれてしまっていると、
頭は後方へ起きているのに骨盤は前傾しているという、
連動性の無い姿勢・動作が生まれてしまう事になるのです。
まずはお辞儀をするような姿勢の時に
頭・背骨・骨盤が一緒に前屈⇔戻すという動作を練習してみましょう。
姿勢を整えるところから、動作へ移るところへのステップにもなります。
今回の反り腰についての関連動画です。