運動をすると腰が痛くなるのは、腰から体を反り過ぎているから!【スポーツ・ダンスのボディケア】
こんにちは。
前のコラムでは、健康長寿を目指すために体力維持が大切だというお話をしました。
最近は”貯筋”などという表現もする事もありますが、
健康維持の観点から言うと、
筋肉もただ強くすればいいという訳ではありません。
どう強くすればいいのでしょう?
今回はそんなお話です。
静止しての筋力トレーニングより、大きく動かす事が重要!
「筋力アップが大事です!」
こう声高に唱える先生方も多いので、
筋力アップがとにかく大事だと思っておられる方も多いと思います。
ただ、実際に多くの方をトレーニングしてみて感じるのは、
筋力の少なさでは無く、関節の可動域の狭さです。
例を挙げると、
大人になって歳を重ねるごとに「体を反る」事が出来なくなってきます。
これは背筋が無いから反れなくなったのではなく、
背骨の1個1個の椎骨のすき間が姿勢の悪化で無くなり、
屈んだり反ったりする動作に制限が出来ているからです。
(それで動作をしない事で、やがて筋肉も衰える)
背骨の動作に制限が出てくると、
体全体の動きがどんどん小さくなってきます。
すると、筋肉もその狭い範囲でしか活躍出来なくなるので、
筋肉のポテンシャルも充分に発揮出来ないのです。
よく筋力アップの運動で紹介されているものの中には、
体をその場に留め、体勢を維持してトレーニングするものも多いです。
確かに「筋力をアップする」という点だけ重視すれば、
それはそれでいいのでしょうが、
体が硬い人・関節の可動域が少なくなっている人がこういう運動をしても
むしろ逆効果になります。
「その人の目的に合っていない」のですね。
むしろ多くの人は、筋力そのものが足りないのではなく、
「自分に今ある筋力を使いこなせていない」
事に問題があると思っています。
使いこなせない原因というのは、先にお話したとおり、
背骨をはじめとする各関節が上手く動けない状態にある事にあります。
ですので、まず必要な事は体を大きく動かすように心がけたトレーニングをする事です。
その場に留まって静止しての筋トレ時、
筋肉の長さはほぼ一定です。
このように筋力を発揮するのではなく、
出来るだけ筋肉を大きく曲げ伸ばしするように動かしてあげる事が有効です。
筋肉は、鍛えた範囲でしか働かない。
「体幹トレーニング」のような静止状態での筋トレで鍛えた筋力は、
静止状態でしか力を発揮しません。
その場に留まろうとする筋力が強くなってしまうので、
むしろ体の動きは余計に悪くなることも考えられます。
筋トレでも常識とされていますが、
筋肉は動かした範囲でのみ鍛えられています。
体を動かさない筋トレは、体をより動かなくさせます。
そう考えると、筋トレも「どう鍛えるか」って
すごく大事です。
一番わかりやすいのが、
ラジオ体操のような動きですね。
ああいう大きな全身運動が最終的には一番効果的です。