骨が動けば、筋肉は一緒に動く
前回の記事 で、姿勢をよくするために
肩甲骨を寄せてはいけないと言いました。
今日はその続きです。
背中は、出来るだけリラックスしたいのです。
肩甲骨を背骨に寄せてみてください。
背骨の方に寄るだけではなく、上がっていくような気がしませんか?
左の画像に書き足したのが、肩甲骨を寄せて上げてしまう筋肉達です。
オレンジが「菱形(りょうけい)筋」、
エンジが「肩甲挙筋」といいます。
肩甲骨を寄せることだけを意識してしまうと、
この筋肉達が肩甲骨を上の方へ引き上げていってしまいます。
肩が上がると、当然肩周りの筋肉は
肩を持ち上げるために絶えず緊張し、こってしまいます。
立っての静止姿勢の時、肩甲骨は逆に
「背骨から遠ざける」ようにするが正しいようです。
以前の記事でも言っていますが、胸椎は後へ彎曲しているのが正しいのですから、
肩甲骨を背骨から離して彎曲をつくります。
そうすると、肩甲骨を寄せてしまう筋肉のはずの菱形筋が、
逆に背骨を正しい彎曲を維持してくれます。
そして、肩甲骨を上げてしまうはずの肩甲挙筋も、
同じく肩甲骨を正しい位置に維持するように働いてくれるのです。
肩甲骨周りは、丸まっている感覚でむしろいいのです。
この姿勢をとっている時も、もちろん肩甲骨は離れて下がっています。
でも俗に言う「猫背」ではありませんよね?
では、どこをどうしているのでしょう?
胸のあたりを覆っている、胸郭(肋骨)を上へ引き上げています。
猫背になっている人の問題は、肩甲骨ではなく、
胸郭前側がしぼんで落ちてしまっている点なんです。
肩甲骨って、肋骨の上に乗っているようなものですから、
肋骨の動きに左右されます。
肋骨の前側が下がってしまえば、
肩甲骨は上がってしまいますし、逆に上がれば下がります。
肩を下げてリラックスするようにするには、
この辺の使い方を改善することが必要になります。
肩こりにお悩みの方は、このあたりを改善すると
だいぶ楽になってくるでしょうし、
スポーツなどで、「力んでいる・力抜いて」と言われる方は、
このあたりを改善すると、体の力みがとれやすくなります。