マナーうんちく話1913《目指そう!ハッピーエンドの百寿人生》
【秋の七草が勢ぞろい】
秋の野に 咲きたる花を 指折りかき数えれば 七種の花
萩が花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔の花(山上憶良)
万葉の時代からうたわれた秋の七草ですが、「春の七草」にせよ「秋の七草」にせよ時期が来れば一斉に揃うわけではありません。
数か月間で順番に登場しますが、特に観賞用の秋の七草は、初夏から秋にかけて順番に咲いてきます。
それを楽しみに待つのも田舎暮らしの特権でしょうか・・・。
そして毎年彼岸の頃には、七種の花が旬の果物とともに出揃います。
今では花の名前を言える人は少なくなりましたが、都市部でも意外に簡単に入手できると思いますので、彼岸花やコスモスとともに楽しめます。
【自粛生活はもう限界だ!身体活動と社会活動再開!!】
コロナで自粛生活が長引いていますが、そんな中日本では65歳以上の高齢者人口はますます増加し、最新のデータでは3640万人になりました。
過去最多ですが、総人口に占める割合も29,1%でこれも過去最高で、世界で最も高い数字です。さらに「平均寿命」も「健康寿命」も、人口10万人当たりの「100歳人口」も世界トップクラスで、今の日本はまさに「人生百歳時代」を迎えています。
人類の永遠のテーマである長寿を世界に先駆け日本が達成したということは誠にめでたいことで、素直に喜びたいところですが、医療、介護、年金など多くの課題もあります。
そして新型コロナの直撃。
2年近く自粛生活を余儀なくされたわけですが、特に高齢者にとっては大変です。
身体と心が衰弱するフレイルや、人と人との交流が途絶えることにより生ずる、生きがい喪失や鬱。血糖値も上昇し深刻な状況です。
人により個人差はあるものの、多かれ少なかれダメージを抱えているのが現状でしょう。
それに加えて社会が激変し、従来の価値観では通じなくなってきました。
コロナ対策とともに激変する社会にも柔軟に対応できる、新たな知識や感性が要求されるということです。
コロナ対策をしたうえで、身体活動も社会活動も再開しなくてはいけません。
そこで地元の教育委員会の協力をいただき、楽しく学び、触れ合い、心身共に高齢期を充実させる《和気生涯楽習大学》を開講しました。
地域密着&全員参加型の講座です。
予定では5月スタートでしたが、自粛が長引き8月スタートで行動を起こしましたが、こちらも土壇場で延期になり、やっと先日スタートできたというわけです。
60代から90代の善男善女に参加していただき19か月ぶりの再開です。
用心に用心を重ね、検温、換気、消毒、さらに定員が100人以上の部屋で25名限定での開催です。また今までは都市部からの参加もあるのですが、今回は地域の方限定です。
お陰で参加者の皆さんは笑顔満開で大変良かったです。
マスク姿でも意外に笑顔の会話は通じるものが多々あります。
オンラインでは味わえない対面交流ならではの魅力でしょう。
【気力が蘇ってきた!参加者の感想】
〇やっと生活にメリハリを感じることができ嬉しかった。
〇うつ状態から解放された感じ。
〇みんなの元気な姿を見て「私も頑張らなくては」と改めて思った。
〇久しぶりにお洒落ができ、生き生きした。自分を取り戻せた気がしてうれしかった。
〇一番知りたかった内容なので大変参考になった。
講師が質問にも丁寧に答えて下さりありがたかった。
〇人と直接触れ合うことの意義を改めて感じた。今後が楽しみ。
〇みんなと一緒に身体が動かせてよかった。
〇スタッフの皆様が自分のことを覚えていてくれて本当にうれしかった。
〇いつものように温かいおもてなしに感動した。ありがとうございました。
【毎回豊富な内容が自慢】
第98回目を迎える今回の内容は、今が旬の「高齢期に役立つ薬の話」&「免疫力向上の話」「お気軽質疑応答」を地元の薬局の薬剤師にお願いしましたが、コロナ禍における高齢者の日常生活に直面する、身近な内容のせいもあり、質問事項をあらかじめ便せんに書いて熱心に質問する人もいました。
休憩時間は通常は手作りのデザートでのカフェタイムで、会話に花を咲かせていただくのですが、今はそれは無理なので、《楽々レクレーション「自粛生活で疲れた体と頭をリラックスしよう」》で楽しんでいただきました。
スタッフの中の「健康生きがいづくりアドバイザー&レクレーション介護士」が、参加者の年齢や体力等に合わせての実施で、今後はゲームや音楽等も併用予定です。
【四季の花と笑顔でおもてなし】
またスタッフの中には華道講師が3人います。毎回季節の花を生けますが、今回は前日にスタッフが野山で摘んできた「秋の七草」で会場を彩り、参加者に秋をしっかり感じて頂きました。
いつもは季節の花を鑑賞しながらカフェタイムを楽しんでいただくのですが、今回は手作りの袋を用意して、お菓子を持ち帰りいただきました。
コロナが落ち着くまではこのスタイルが続きそうです。
そしてなんといってもスタッフの笑顔のもてなしが自慢ですが、マスク姿でも対面交流なら、十分心が通じるものと改めて確信しました。
最後に記念写真(集合写真)を取るのですが今回は大事を取りそれも省いて、その代わりスナップをたくさん撮って次回にお配りする予定です。
【通信制度】
主催者である「ハッピーライフ創造塾」には多彩な12名のメンバーがいます。
9割は高齢期を迎えており時代の流れに思うように追従できない面も多々ありますが、高齢者が高齢者のために、高齢者目線で実施できることが何よりです。
地域の高齢者がどんなことに困り、どんなことを希望しているかが身に染みて理解できるので、発信する内容も的を射たものになります。
報酬は笑顔です。
しかし高齢化率が4割を超え、過疎化が進行している町には、都市部では考えられないこともたくさんあります。例えば交通手段。
参加したいのはやまやまだけど足がない人も大勢います。
また看病や介護、孫の守などなどもしかりです。
スタッフがボランティアで送迎もしますが、できる範囲は限られます。
そこで、参加できない人には、せめて「講座便り」や「資料」を郵送することにしています。手間暇はかかりますが、思った以上に好評です。
【ユニークな内容の出前講座】
さらに積極的に、地域や職場や学校に出向き講義を行う《出前講座》も多数用意しています。大変人気がよく各種団体や地域から多くの依頼を受けます。
高齢者や働く人を対象にした「健康寿命増進講座」「幸福寿命増進講座」「快適生活応援講座」「高齢期の健康・生きがいづくり講座」を始め、「ビジネスマナー」「コミュニケーション講座」「お仕事マナー」「冠婚葬祭講座」「整理整頓術」さらに、小学生向けの「金銭教育」「整頓術」「食育講座」及び中学生向けの「コミュニケーション講座」「ビジネスマナー講座」まで、多種多彩なメニューが受け、都市部からの依頼も結構あります。
【とにかく楽しく!がもっとー。今後の予定】
高齢化率が4割を超える中山間地域で、高齢者が元気で、はつらつと暮らすのと、しょぼくれた生活を余儀なくされるとでは、家庭も地域も町全体も雲泥の差です。
住み慣れた地域で心豊かに暮らすには運動、栄養、睡眠、お金も大切ですが、なにより社会参加を視野に交流を深めることが大切です。
周囲の人といかに良好な人間関係が築けるかです。
デジタルは便利ではありますが、人を幸せにしてくれる力は弱いでしょう。
地域においては、人と人との温かい触れ合いが必要不可欠ということです。
そしていくつになっても色々なことを学ぶということは、生活における必然であり、その意識や姿勢は高齢期をより豊かに彩ってくれます。
そこであくまでコロナを注視しながらですが、状況に応じ今までやってきた、講演会、フォーラム、座談会、討論会等を始め、会食会、茶話会、料理、歌声喫茶、体操、レクレーション、ゲーム、年中行事に関連したイベント、日帰り旅行、館外研修などを積極的に開催出来ればと考えています。
コロナ禍において、費用をかけず、気軽に集え、楽しく通え、自由に参加できる家庭以外の居場所づくりを、どのようにして参加者の皆様方とともに楽しく実施できるか?それを考えることも認知症予防ですね。