マナーうんちく話53≪接客の歴史と社会貢献≫
【衣食足りて礼節を知る】
「マナーうんちく話」でも何度も触れてきた言葉ですが、相手に礼節を尽くすにはまず、自分自身の心と体の健康が大切です。
歯痛がひどい、高熱がある、夫婦喧嘩して気分がイライラしている、家族間の中が悪く悩んでいるなどの状況下では、礼節を発揮することは難しいということです。
日頃の生活習慣を大切に、常に心と体を快適に保つよう心掛けて下さい。
ちなみに「卵が先か鶏が先か」の話になりますが、職場において良好な人間関係が保たれていたら、そこで働く人の幸福度が増し心身共に健康になれますが、職場において礼節がなくなれば、人間関係もぎくしゃくしストレスもたまります。
体調に異変をきたすようにもなるでしょう。
まずは自分ファーストで、自分を心地よくさせることが大切です。
そして自分自身が充実したら、相手に礼節を尽くすよう心掛けて下さいね。
【和の精神を大切に】
「和の精神」や「同じ釜の飯を食う」という言葉は、長い間日本人が大変大切にしてきた概念です。いくらデジタル化やグローバル化が進んでも、そう簡単に組織から消えることはないと考えます。
日本社会においては、和の精神はないがしろにできないということです。
新幹線という偉業を達成できたのも、世界に先駆け長寿を実現したのも、その根底には和の精神があったからだと思います。
逆に組織内で和の精神が発揮されないと大変なことになるのではないでしょうか。
コロナ対策を見てもよくわかると思うのですが・・・。
最近コロナの影響もあり、オンラインでの仕事が増加傾向にありますが、できる限り共有する時間を作ることもたいせつにしたいものです。
【礼節の重要性を企業理念などで明確にアピールする】
戦国武将の武田信玄は多くの名言を残していますが、中でも「人は石垣、人は城、人は堀、情けは味方・・・」という言葉は良く知られています。
「人の力がないといくら立派な城があっても役に立たない。人は情けをかけると味方になる・・・」という意味でしょうか。
また経営の神様といわれた松下幸之助さんの名言に「企業は人なり」があります。
企業は働く人次第で良くも悪くもなるという意味ですね。
多くの企業には企業理念がありますが、その中であえて《礼節の重要性》を明確にアピールすることをお勧めします。
加えて礼節のある人を正しく評価し、昇給、昇進等でそれにこたえる体制作りもお勧めです。ご褒美ですね。
現在日本でも多くの企業がSDGs(持続可能な開発目標)に取り組んでいますが、直接的ではないにせよ、人や自然に対し礼節を尽くすということは、これにたいして大きく寄与すると思います。
企業イメージも上がるでしょう。
続きます。