マナーうんちく話251≪電話のかけ方のマナー≫
異例の速さで出世をする人がたまにいます。
強力なコネがある、特別な能力があるなど理由は様々ですが、問題は出世してからどう展開するかです。
特に大切なことは、上に立った時に部下との人間関係をどのように築けるかで、これは男性も女性も同じでしょう。
部下との人間関係を良好に保つことができれば、本人も部下もモチベーションが上がり業績もアップしますが、良好でなければ、本人も部下もつらいし、業績にも悪影響を与えます。
そこでまず業績を上げるとともに、礼節を身に付け、それを武器に出世するという方法が、長い目でみれば理想的だとおもいます。
仕事の業績だけで出世することも勿論可能ですが、部下を持った時に部下との間に人間関係が築けなければ互いに辛い目にあいます。
また礼節がある人は出世しやすい傾向にあります。
誰からも好感を持たれ、良好な人間関係が築けるからです。
相手から好感を持たれるには聞き上手、笑顔、先手必勝の挨拶、褒め上手、相談上手など相手に思いやりを発揮することですが、実際このような人とともに仕事をしたいと思う人は多いはずです。
誰だって同じ仕事をするのであれば楽しくやりたいと思うものです。
だから礼節のある人は常に周りから声がかかりやすいわけです。
またお客様でもしかりです。
高価な買い物をする際、人間味があって好感の持てる人から買いたいと希望するのは自然の成り行きでしょう。
ちなみに礼節の根源を成すものは感謝、尊敬、思いやりですが、これらでもって、上司、先輩、同僚、後輩、そしてお客様、取引先に優しく接する人が、結果的には功績をあげることができ、その結果出世がついてくるわけです。
さらに窮地に陥った時にも、周囲から助け舟が差し出されるでしょう。
ここがコネや実力だけで出世した人と大きな違いが出る点です。
技術的に優れている、法律に強い、数字に強いなどの能力も確かに大切ですが、横柄な態度、話し上手の聞き下手など、人柄や品格が伴っていなければ、いい結果にならないということです。
さらに礼節がある人はいろいろな人が寄ってくるので、そこには温かいコミュニケーションが生まれ、人脈が築きやすくなります。
これはソーシャルネットワークの場合も同じことがいえると思います。
そして礼節がある人は、ネットワークを築いても、そこでリーダー的存在になれる可能性が高くなります。
多くの人がリーダーを選ぶ条件として、相手に対する気配り、優しさ、思いやりを上げているからです。
つまり公平さを保ち、敬意をもって優しく接することができる人は、何かにつけいい結果につながるが、能力はあっても人間味にかける人は敬遠されるでしょう。
接客・接遇マナーに「ハード面のミスはソフト面でカバーできるが、ソフト面のミスはハードでは解決しない」という教えがあります。従業員同士でも、お客様に対してもソフト面、つまり人としての魅力は特に大切だということです。
新年度を控え、新入社員を迎える準備に忙しい人も多いと思います。
給与、休日、福利厚生の充実も大切ですが、「彼らといかに良好な人間関係が築けるか」も優先事項に入れられることをお勧めします。
そのためには彼らを尊重し、礼節のある態度で接することです。
ということは彼らを良く知ることですが、共に過ごす時間を極力多く取って下さい。
人は自分が尊重されていると感じたら意外な力を発揮します。
礼節ある態度が新入社員のやる気を起こし、辞職率も下がるはずです。
新入社員のマナー研修の前に、彼らを向える人の研修が大切だということです。