マナーうんちく話1922《職場で礼節が廃れば業績に悪影響を及ぼす!どうする?》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:ビジネスマナー

スマートフォンの普及とともに暦と縁が薄れていくようですが、本来暦の上では四季があり、それがゆっくりと情緒豊かに移ろっていくのが日本の特徴だったはずです。

しかし地球の温暖化のせいでしょうか、しとしとと降る「細雪」や「春雨」「秋雨」が無くなり、今まで経験したことのないような豪雨が珍しくなくなりましたね。

自然の優しさを感じることが少なくなり、自然の猛威におびえることの方が目立つようになったのは、ひとえに人が自然に対しての礼節を尽くさなくなったせいだと思います。

自然や神や仏に畏敬の念を抱き、大自然と共生してきた先人は、常に礼節を尽くしてきたわけですが、物が豊かで便利になるにつれ、これらが薄れていくのは寂しい限りで、このような状況下で真の繁栄はないと考えます。

職場においてもしかりでしょう。
企業において、無礼が横行し礼節が低下すれば、その企業は大きな打撃を受けると思います。

最近特に感じるのが指導的立場にある人や有名人の礼節の低下です。

不祥事を起こした政治家の弁明にもうんざりしますが、あらゆるところで日本人の礼節が悪化しているように思えてなりません。

かれこれ半世紀くらい前に「仁義なき戦い」という映画が話題になりましたが、どんな世界にも、道徳上守らなければならない道筋である「仁義」や、他者に対する思いやりを根源とする「礼節」は必要でしょう。

これらが失せつつある原因はいろいろ考えられます。
「時代の流れが速くなったこと」、「長寿になったせいで世代間のギャップが大きくなったこと」、「急激に国際化が進展したこと」、さらに「情報機器が発達したこと」などがあげられます。

しかし最も大きな要因は、私は「人間関係が希薄になったこと」だと思います。

スマートフォンの普及は計り知れないくらいの恩恵をもたらしてくれましたが、反面それにばかり頼りすぎて、人と人とのかかわりが薄れたということでしょう。

さらに価値観の変化でしょうか、利己主義の人が増え、自分の利益より他者の利益を優先する利他主義の人が少なくなってきた感があります。

もちろん「自分ファースト」はとても良いことだと思います。
問題は自分を充実させた後です。

「衣食足りて礼節を知る」という言葉がありますが、今は自分ばかり可愛すぎて、他者に目を向けることが少なくなってきているようですね。

他者に対して礼節を欠くようになれば、社会にも企業にも悪影響を与えるのは明確でしょう。

企業内に無礼な人がいれば、周囲にストレスを与え仕事の効率に支障をきたします。
これが顧客に向けば顧客との信頼関係が悪化します。
悪いことだらけです。

政治家が国民に無礼な態度をとると政治はマヒしかねないが、企業内に無礼な人がいると一般に捉えられている以上に、企業の被る損失は大きいということです。

かつて日本人は目に見えない神や仏に畏敬の念を抱き、世界が絶賛する「おもてなし」の文化を築きました。

オリンピック招致委員会のプレゼンにも登場した言葉ですが、目に見えないものにも真心を込めるという本来の意味でもてなしを発揮していただきたいものです。

ちなみに「働き方改革」でテレワークや時短などが多くの職場で実施されているようですが、それで生活が本当に豊かになり、組織の業績アップにつながっているのでしょうか・・・。

再度「礼節」に対する認識と理解を深め、企業内で無礼なふるまいをなくし、礼節を素敵に発揮することが大切だと考えます。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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