マナーうんちく話1851《不安も心配もあるが、喜びも希望も多い長寿社会。もっと前向きな議論を!「高齢社会を【幸齢社会】にするために④」》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:超高齢社会に対応するマナー

本来人類永遠のテーマは長寿を実現することだったと思います。

日本でも例外ではありません。
その証拠に、国家として世界屈指の長い歴史を有する日本には「長寿」を祈願する人生儀礼はたくさん存在します。

日本人は昔からよりよい生活や長寿を願って、年齢の節目ごとに近所の氏神様にお参りしたわけですね。

例えば子供が生まれたら「お宮参り」をして健やかな成長をお祈りします。

そしてその子どもが男の子であれば数え年で3歳と5歳になった時、女の子だったら3歳と7歳になった時にお宮に参ります。

室町時代から現在まで続いている「七五三」の伝統行事ですが、まさに子どもの未来と長寿を願う儀式です。

さらによく知られた儀式に男性が数え年で25歳、42歳、61歳の時、女性は19歳、33歳、37歳になった時に行う「厄払い」の行事も長寿をお祈りするのが目的でしょう。

またこれから先の健康と長寿を祈念する「祝年」は沢山あります。

先ず数え年で61歳になった時の「還暦」、さらに定年を祝うのでしょうか66歳の「録寿」、70歳の「古希」、77歳の「喜寿」、80歳の「傘寿」、88歳の「米寿」、90歳の「卒寿」、99歳の「白寿」と続きます。

そして現在日本には約7万人いますが100歳の「百寿」があります。

これで終わりかと思えばさらに108歳の「茶寿」、111歳の「皇寿」と続きます。
昔の人は本当に長生きを願っていたのですね。

実はまだあります。
120歳の「大還暦」です。
還暦が二度めぐってくる年で、この勢いで寿命が伸び続ければ近い将来夢ではなくなるかもしれませんね。

ちなみに現在の日本では卒寿は男性も女性も珍しいことではありません。
そればかりか90歳以上の人口は既に200万人を超えています。

ところで長生きをした人の葬儀に参列した時に「天寿を全うした」といわれますが、天寿とは具体的に何歳かご存知でしょうか?

色々な説があり定かではありませんが、182歳とか250歳だともいわれています。

ただ「天寿を全うする」とは、実際に生きた年数ではなく、天から授かった寿命を生きつくして亡くなるという意味で使用されますね。

つまり事故や、災難や、病気、あるいは殺人や、自殺などによる不幸な死ではないということです。

これに対し病気や事故などの場合は非業の死などと表現されます。

このように日本では既に奈良時代の頃から、節目になる年齢をお祝いする「賀寿」というとてもユニークな文化があったわけです。

いかに長生きを望み、かつ人の長生きを寿ぐという、人として本当に優しい気持ちを有したということです。

だから190余りある国に先駆けて長寿を実現できたのかもしれません。

これに対してネガティブな事ばかり並べて多くの国民を不安にさせるのではなく、長寿を喜び、前向きに長寿社会を歩んで頂きたいものです。

もっと明るくなるような話題こそ、今の日本には必要だと考えます。

私の講演はとても前向きな内容です。
多くの高齢者が本当に望んでいることではないでしょうか・・・。
多くの高齢者と接して実感します。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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