マナーうんちく話⑬≪葬儀の服はなぜ黒い?≫
香典とは、本来死者に手向ける香の代金です。
昔は香や野菜や供物を供したものですが、それがやがて現金を包むようになったわけです。
香は昔から大変高価なもので、焼香の際、参列者は自分で使用するお香を自分で持参していたようです。
さらに葬儀では野菜な米が必要なので、それも持参したわけですね。
しかしそれでは参列者の負担がかなり重いので、代わりに主催者がそれを用意するようになり、参列者は遺族への心遣いとして、お金を包むようになったと思われます。
現在では宗派を問わず、香や野菜の代わりに霊前に備える現金を「香典」と言います。
ちなみに、昔の「食糧香典」が、今のように「金銭香典」になったのは昭和初期ではないかといわれていますが、地域差があるようです。
なお、香典の表書きは宗派により違いますが、仏式なら「御香典」「御香料」、神式なら「御神前」「御玉串料」でいいでしょう。
宗派が解らない時には「御霊前」がいいとされています。
薄墨みで書くのがしきたりです。
通夜か告別式に出席した時に渡せばいいでしょう。
香典は普通黒や無地の風呂敷や袱紗に包んで持参します。
受付で渡すときには受付の前で一礼して、袱紗から金子包みを取り出し、袱紗を畳み、両手で渡します。
香典を郵送する場合は、不祝儀袋に表書きして、お悔やみ状とともに現金書留にしてください。
最後に「親の葬儀に子は香典を出すのか?出さないのか?」という質問が多く寄せられます。
それぞれの家庭にはそれぞれの事情があります。
いずれにせよ、葬儀を出す施主が誰になるにかかわらず、葬儀にはたくさんの出費があります。
葬儀後の香典返し、法事、お墓、仏壇などなど・・・。
相続を含め皆でよく話し合われるのが大切だと考えます。