マナーうんちく話500≪継続は力なり、500回ありがとう!≫
今の子育ては間違いだらけ!?
教育者ではないので、子どもの教育のことはよくわかりませんが、若者の様々な研修会を担当して痛感することが多々あります。
大人が子どもとの接し方を間違えると、「思いやり」「感謝」の心の成長が遅れてしまい、未来に支障をきたす恐れがあるでしょう。
現に辛抱、我慢、やる気などが希薄で、加えて人間関係を築く能力が乏しい若者が珍しくなくなった気がします。
特に育ち盛りの子どもにとって家庭が醸し出す雰囲気はとても大切です。
しかし今の日本の子どもは非常に多くのストレスを抱えているといわれています。
家庭外の学校などで辛い思いが結構あるということでしょう。
そのような状況下でも家に帰れば、外の辛い出来事も和み、また新たな意欲もわくというものです。
だから世界中の国でも家庭を第一優先し、大切にするのではないでしょうか。
家族が同じ場所に集い、暖かくて楽しい時間を過ごすには、父母の共同作業が当然必要になりますが、それには父と母の間に思いやりの心があり、気兼ねのない雰囲気が大切です。
ちなみに最近の親は極端に子供と接する時間が少ないようですね。
忙しくて子供と時間を共にする時間が少なくなると、親はその罪悪感から、子どもにブランドの服やおもちゃなどを買い与えます。
子どもと共有する時間が取れない代償として、高価なものを与えると、子どもは喜ぶかもしれませんが、親と子の情緒的発育は妨げられ、物欲の強い子にもなりかねないでしょう。
勿論子どもが喜ぶものを与えるのは素晴らしいことだと思います。
子どもが喜ぶ顔は誰にとっても大きな張り合いになります。
しかし物がすべてではありません。
できる限り子どもとの時間を作り、家事や苦労も教えて頂きたいものです。
特に家族での暖かい食卓作りはとても大切で、ここで子供は社会性やコミュニケーション能力がはぐくまれるわけですが、最近はこの部分が極端に少なくなっています。
世界普遍の「you are what you eat」という言葉がありますが、日本では子どもとの食卓が危機に瀕しているようですね。
食卓における作法は特にそうでしょう。
テーブルマナーは、幼少のころから家庭で自然に身につくように、親が手本を示すことが大切です。
ニューヨークには有名な宝石貴金属商のティファニー社《tiffany》があります。
日本でも知らない人の方が少ないくらい有名なブランドです。
そのティファニー社が編纂した「ティファニーのテーブルマナー」(tiffanys table manners for teenagers)教本は、食卓の作法を、漫画的挿絵などをふんだんに交え、大変わかりやすく説明しています。
世界的に有名なブランドを有する会社が、テーブルマナーの本を発行している点に大変共感を覚えます。素晴らしいことだと思うわけです。
一方日本には「衣食足りて礼節を知る」という美しい言葉が存在します。
にもかかわらず、今の日本は物が豊かで衣食は十分すぎるくらい足りていますが、礼節は欠如しているのではないでしょうか。
大人になって、箸の上げ下げを教えることは至難の業ですが、子どもには可能です。
今、日本にとっても、地域にとっても、家庭にとっても、子どもにとっても本当に大切なことは、子供に高価なブランド商品を与えるより、礼節の心を教えることだと痛感しています。
社会人になってビジネスマナーを教えるのではなく、幼い頃から家庭や学校できちんと教え、社会に出ると前向きに発揮できるようにしなければなりません。
そのためには親も教師もマナーに対して正しい認識を持って欲しいものです。