マナーうんちく話1505《家庭で介護にあたる人のセルフケア》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

超高齢社会の進展とともに独居高齢者が増加傾向にあります。
さらに結婚しない若者も増加傾向にあるので、若者の一人暮らしも増えています。
高齢者も若者も、一人暮らしが増えている社会になったということです。

しかし長い目で見れば、長い人生の中で家庭生活を経験しない人はほとんどいないでしょう。そしてその家庭において時には誰かが、看護や介護が必要になる期間はあると思います。

子供が発熱して看病しなければならない時もあるでしょう。
大人がインフルエンザにかかり寝込むときもあるでしょう。
加えておじいさんやおばあさんが高齢になり看護・介護が必要になり、家族がそのお世話を余儀なくされることも珍しくありませんね。

昔は「仕事の定年」=「人生の定年」で、家庭での介護の期間は短かったわけですが、長寿社会は介護に要する時間が長くなります。

「平均寿命」と「健康寿命」の隔たりが大きいからです。
男性は10年近くですが、女性の場合は平均約13年間もあります。

さらには家族の死。
深い悲しみに陥ることになりますが、長い人生で避けては通れません。

このようなことは多くの人が経験することですが、現実に病人や介護者を家庭で抱えるということは、家庭環境が暗くなりがちです。
注意していただきたいことは、不必要に暗い面ばかり見ないことです。

家族で介護が必要になった、あるいは病気になった、という厳しい現実の中で、いかに明るくふるまうかも大切だと思うわけです。

お化粧もしないで暗い表情で介護するか、メイクもきちんとしてできる限り朗らかに介護をするかでは、介護を受ける人の気持ちも雲泥のさがあります。

そのような時こそ、人として一段と磨かれる時期かもしれませんね。
介護しなければならなくなったといって、それを自分の不幸の言い訳にはしないでくださいね。

その過程の中で「自分磨きに励んでいこう」ととらえることも大切だと思うわけです。

家族は多くの人間関係の中で最優先しなければいけません。
だから「無償の愛」が伴います。
つまり「寛容の精神」や「忍耐」も必要だということです。
家族のためだから・・・。

都合のいい時だけ、あるいは順風満帆の時だけ家族愛を発揮することは簡単ですが、窮地に陥った時にこそ、なおも愛し続けることが大切ではないでしょうか。

つまり家族に介護が必要になれば、介護施設に預けることもいいかもしれませんが、それを辛抱強く見守ることも必要だと思います。

世界に誇る日本の「おもてなし」は見返りを求めません。
家族の愛もそうでしょう。

見返りを求めず愛情を精いっぱい注ぐこと、つまり優しい心で要介護者に接することで、介護を「する側」も「される側」も心地よくなると考えます。
そのためには、言葉遣いも、表情も、態度、も立ち居振る舞いも優しくしてくださいね。
互いにマナー美人になればいいということでしょう。

特に介護する側は自分を大切にする心をもって下さい。
自分を犠牲にして介護に専念すれば長続きしないでしょう。
そのためには制度を上手に利用することもお勧めです。
そして自分自身の時間を数時間でもいいですから確保してくださいね。

顧客満足を与えるには自分を犠牲にしてでも、形式的なことをきちんとこなせば何とかなるでしょう。

しかし顧客に心底喜んでもらうためには、犠牲的精神では無理でしょう。
自分を充実させ、「自分喜び」が「顧客喜び」につながると考えます。
私はこのことを33年の接客の仕事から学びました。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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