マナーうんちく話604≪武士は食わねど高楊枝≫
世界屈指の地震大国と解ってはいるつもりでしたが、改めて自然の猛威を思い知らされました。
人は自然に対し「思いやりを」と言っていますが、自然の力に比べると人間の力は限りなく小さいと感じさせられました。
それにしても、阪神・淡路大震災や東日本大震災の爪痕が消えないうちに、再度想定外の地震に見舞われるとは・・・。
寺田虎彦の「災害は忘れた頃にやってくる」の諺が、すっかりあせてしまった感があります。
加えて、今回は前例がない位に余震が続いているせいで、日本人の「支え合う心」や「依りそう心」がスムーズに機能していないようですね。
物流の機能がマヒしたり、人手の問題もあり、救援物資が均等にいきわたっていないのも気になります。
状況が落ち着くのを祈るばかりです。
いつ発生するか?どの規模で発生するか?
予知できない大きな災害に対して、日頃から備えをしておくことが大切で、まさに「備え有れば憂いなし」ということを思い知らされた気持ちです。
しかも最悪の事態を想定した備えが、どこの地域でも必要だということも痛感させられました。
そこで、「自助」「共助」「公助」の概念に触れておきます。
「いざ災害!」という時には、先ずは自分で自分を守る「自助」がなりより大切です。自分のことは自分で守ることです。
そのためには日頃から危機意識と共に、防災意識をしっかり持つことではないでしょうか?自分でできる「最大限の備え」も必要でしょう。
非常食や避難用品を準備しておくことも大切です。
家具などの固定も必要でしょう。
マナーの世界には「衣食足りて礼節を知る」という諺があります。
「自分自身が充実したら、他者に対する配慮が出来る」という意味と、「他者に配慮するためには、自分が充実することが大切」だという意味です。
災害時も同じ理屈ではないでしょうか。
災害が発生したら、先ずは自分で自分を助けることが大切です。
そしたら次に、被害にあっている人に救いの手を差し伸べることが出来ます。
先に自分が犠牲になれば、家族や地域の人を救うことは困難です。
つまり災害時の基本は、自分の事を真っ先に守って、次に被害にあっている人を「救えることが出来る人」になることだと思います。
家族や近所の人を少しでも助ける側になれればいいですね。
そして、家族や職場や地域全体で支え合う「共助」の作用も非常に大切です。
次回は共助に触れてみます。