マナーうんちく話220≪就職祝いと親先輩の役割≫
1月11日は「成人の日」ですね。
新成人になられた121万人の新たな門出を祝うと共に、心からオメデトウの言葉を贈りたいと思います。
ところで、成人の日と言えば「成人式」ですが、その趣旨は「大人になったことを自覚し、自ら生きようとする青年を祝い励ますこと」、つまり大人の仲間入りしたことを祝い、自治体や企業が記念式典を行うわけですが、開催される日は市町村によりまちまちです。
だいたい成人の日か、その前後が多いようですが、中には大型連休中や盆に開催するところもあります。
日本の祝日は、世界的にもインド、タイ、韓国等と共に非常に多く、年間15日ありますが、成人式ほど町全体が華やかになる日はないでしょう。
殆どの人が晴れ着を着て出席し、雰囲気が盛り上がりますが、特に女性の振り袖姿は本当に美しいですね。
姿勢を正し、内股気味で、小幅で、ゆっくり歩いて下さい。
成人式振袖料金は当然店により異なりますが、レンタルの場合で10万円から20万円、購入の場合は20万円から100万円が相場と聞いたことがありますが、いずれにせよ、内股気味で、小幅で、ゆっくりと歩いて下さい。
姿勢も大切です。
そして、改めて平和で、豊かになった国と時代に産まれてきたことに、感謝したいものですね。
先人の努力のお陰です。
ちなみに、成人式は今ではハッピーマンデー制度の導入で1月の第2月曜日になっていますが、平成11年までは1月15日と決まっていました。
このコラムでも触れましたが、1月15日は「小正月」であり、昔は小正月に「元服の儀」が行われていたのがその理由です。
今の日本は世界屈指の長寿国で平均寿命は83歳から84歳位ですが、昔は30歳から40歳くらいであったようです。
ですから子どもが概ね15歳位になると、大人の仲間入りをします。
成年になると言うことです。
それを祝って、髪形や服装を改めることが「元服の儀式」で、最も大切な通過儀礼の一つで、「冠婚葬祭」の「冠」は成人式そのものを意味します。
元服の時に冠をかぶるので、元服はもともと「加冠の儀」を意味していました。「冠」=「加冠の儀」=「成人式」と理解されたらいいでしょう。
ただし、長い人生の節目の儀式を「通過儀礼」と言いますが、今では「冠婚葬祭」の「冠」は、誕生から長寿に至るまでの通過儀礼一般を意味します。
世界には「子どもから大人になる通過儀礼」は非常に沢山存在し、とてもユニークな儀式も多々あるようですが、日本では「成人式」と認識して頂ければ良いでしょう。
今まで子どもとして扱われていた個人が、一人前の大人として社会から認められるわけですから、これほど大切な通過儀礼は有りません。
「家制度」が幅を利かせていた頃は、元服の儀式が済めば、立派な跡取りとして世間から認められることになるので、その重要性は今と比較にならないほど高かったと思います。
成人式を迎えられた人は、周囲から多くの「おめでとう」の言葉を頂かれると思いますが、権利も有しますが、義務も生じます。
身も心も元気で、これからの長い人生を前向きに歩んで下さい。