マナーうんちく話251≪電話のかけ方のマナー≫
部長職だった時に「平松部長様」と綴った書簡を頂く機会が多々ありました。
勿論差出人は敬意を払ってくれているのでしょうが、「部長」や「課長」などの役職名は、それだけで敬語表現とされるので「平松部長様」は二重敬語になります。
「平松部長」、もしくは「部長の平松様」表現した方がすっきりします。
「各位」もしかりです。
複数の人への敬語になりますから「各位様」、あるいは「各位殿」も感心しません。
つまり、各位は皆様方と意味で、それだけで敬称になるので、相手先には「各位」とだけかけばいいでしょう。
「お客様各位」という表現をよくみかけます。
お客様の皆様方という意味ですから、これも二重敬語になると思いますが、この表現に違和感を覚える人は少ないと思います。
言葉は時代とともに変化するということで、「お客様各位」は市民権を得ているようですね。
但し、取引先や協力先に対しては、「お取引様各位」「ご協力先様各位」ではなく、「お取引先各位」「ご協力先各位」がいいでしょう。
「ご担当者様各位」より「ご担当者各位」、加えて「株主各位」「関係者各位」「会員各位」「従業員各位」「役員各位」となります。
目上の人に対して「各位」だけでは不安になるかもしれませんが、「各位」という言葉自体が敬称である以上、失礼には当たらないと考えます。
それでも不安とおもえば、個人の名称を使用すればいいでしょう。
「各位」を使用する時の注意点としては、個人に対して充てた書類には使用しません。
つまり、沢山の人を対象にして、その一人ひとりを敬う言葉ですから、各位と表現された書類を受け取ったら、多くの人に発信した書類と思って下さい。
早い話し、「各位=皆様」と言う意味で使用すると認識されたらいいでしょう。
お知らせや通達などでよく使用されるとても便利な言葉です。
様、御中、先、宛、気付、各位の使い方はマナーでもあり、教養の範疇でもあります。
時代とともに変化するものですが、それでも基本的なマナーは心得ておきたいものですね。
手紙やメールを送信する時には、文書は必ず読みなおしをすることが大切です。