マナーうんちく話604≪武士は食わねど高楊枝≫
慰霊祭、同期会、同窓会などで「黙祷」する機会は多々あります。
特に東日本大震災後は、様々な所で頻繁に「黙祷」する光景に出合います。
毎年の終戦記念日しかりです。
しかし、意外に知っているようで、いざとなったら自信もてないのが「黙祷」です。
学校や家庭で教わるわけでもありません。
また、社会人になって先輩や上司から教わるわけでもなく、見よう、見まねになっている部分が多いので、無理もないことです。
しかし、黙祷は神や死者の魂に無言で語りかけ、祈りを捧げる大変神聖な行為です。
正しく理解し、自信持って臨みたいものですね。
黙祷の「黙」は黙ると言う意味があり、「祷」には祈ると言う意味があります。
早い話し、黙祷とは黙って静かにお祈りすることです。
従って黙祷の作法は黙って、動かないで行うことが基本です。
手は合わせても良いし、下げたままでもいいでしょう。
では何をお祈りすればいいのでしょうか?
10人10色だと思います。
一般的には、故人に対して安らかに休んで下さいと祈ればいいでしょう。
人により「合格の報告」「仕事の進捗状況」等、日々の状況報告や、自分の思いがあるかもしれません。
合格祈願や、結婚祈願等のお願いごとになるかもしれませんね。
つまり、黙祷は故人への鎮魂の意味のみならず、様々な内容が有ると言うことです。
但し、あくまで無言で行うわけですから、自分の気持ちを素直に、キチンと整理して行って下さいね。
また、黙祷する時間ですが、できれば1分間行うことをお勧めします。
「1分でないといけない」と言う決まりは有りませんが、終戦記念日や東日本大震災の追悼式典でも、1分間の黙祷があるので、それに準ずるのが良いと考えます。
ちなみに、終戦記念日8月15日には、正午から1分間黙祷が捧げられます。
何のために捧げられるかと言えば、戦没者の存在を改めて確認し、亡くなった人と、今生きている人の関係を考えるためとされていますが、まさに人それぞれです。
戦争を知らない人もいれば、大戦で肉親を亡くした人も多いわけですから、当然と言えば当然ですね。
この国に悲惨な戦争があった事や、戦争のことを理解するためにも、黙祷することは意義あることと思います。
では黙祷は何時頃から行われているのでしょうか?
黙祷には、そんなに長い歴史は有りません。
関東大震災のあとからだと言われており、この時にも1分間行われたそうです。
黙祷の儀式は急には有りません。
同窓会や同期会、あるいは慰霊祭等に出席予定が有れば、一分間の黙祷で、故人に何を語りかけるか?
心の整理をして臨んで下さい。