マナーうんちく話1034《心映えが表れる「トイレ」のマナー》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

ビジネスでもプライベートでも、他社や他家を訪問した時に、長時間滞在する場合は、訪問先でトイレを使用するケースが多々あります。

年齢と共にトイレも近くなりますが、若い人でも、体調により頻度が高まることも珍しくありません。

トイレは日本では「便所」と言われ、しゃがんで用をたす「和式」と、座ってする「洋式」があります。

さらに、「水洗式便所」と「落下式便所」がありますが、最近では洋式の水洗式が増えています。

便所の呼び方は色々あったようですが、昭和以降になり「化粧室」や「お手洗い」「トイレ」等と呼ばれるようになりました。
ちなみに「トイレ」は英語の「toilet」から来ています。

そして、トイレの使い方は「その人の心映えを表現する」と言われています。

心映えとは非常に難しい言葉だと思いますが、「心延え」、つまり心の働きを外に及ぼすことです。

恐らく外国人には持ち合わせていない日本人独特の感性かもしれませんが、平たく言えば「普段からの心がけ」「思いやり」「心配り」だと認識して頂ければと思います。

だから、トイレに関しては、好感度の在る使用を心掛けて頂きたいものですね。
幼い時からの、家庭でのしつけが大切です。

トイレの使用に関しては、以下の要領を心得て下さい。

【トイレに行く時のタイミングと声のかけ方】
事前に用を足しておくことが基本ですが、無理に我慢すると、話が上の空になるので、タイミングに注意して切り出して下さい。

話が途切れたら、「トイレ(化粧室)をお借りしたいのですが・・・」「手を洗わせていただきたいのですが・・・」と切り出せばいいでしょう。

但し、この後が大切です。
戻ってきたら「ありがとうございました」「会話中に中座して失礼いたしました」等の一言が必要です。

【トイレットペーパーは折った方が良いの?】
トイレットペーパーを使用した後に、ペーパーを3角に折った方が良いのか、折らない方がいいのか迷うことがありますが、使用前のようにすればいいでしょう。
いずれにしても、使用後がキチンとなっていればいいと考えます。

【使用後の大切なマナー】
トイレを使用した時の最も大切なマナーは、後に続く他者への配慮です。
つまり、後に来た人がいかに心地良くトイレが使用できるか否かです。

小学生でも高学年になると出来るマナーですから、是非発揮して下さいね。

終わったら一度、入念に振り返ってみて下さい。
洗面台が水しぶきで濡れていたら、綺麗にハンカチで拭いて出るくらいの配慮が大切です。

スリッパを使用したら、つま先は、内側に向けて綺麗に揃えて下さい。

今では、要人警護任務に関わる専従警察官がいますが、実は昔の大名がトイレに入る際は、「家来の心得」がありました。

大名のトイレは独立した立派な建物が多く、呼び名も直接便所とは言わず「閑所(かんしょ)」「雪陰(せついん)」等と呼ばれ、木製の漆塗りの便器が置かれた広い部屋だったようです。

この時には無防備になるので、家来の役目は身辺警護に他なりません。

近くで控えるわけですが、近すぎても、遠すぎても役に立たないので、この微妙な距離感はどれ位だったのでしょうか?難しいところです。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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