マナーうんちく話521≪お心肥し≫
ちょっとした感謝の気持ちや、謝罪の言葉等を伝えるのに、「すみません」の言葉をよく使います。
「すみません」は、お願いする時にも、謝罪する時にも、お礼にもしばし使われる本当に便利が良い言葉ですね。
ちなみに、「すみません」の「済む」には、気持ちが「収まる」とか「晴れる」と言う意味が含まれています。
また、日本国語大辞典では「済みません」は「気持ちの上で満足しない、納得しない」となっています。
従って、謝罪の言葉として「すみません」を使用する場合は、「大変失礼をして私の気持ちが収まりません、納得しません」と言う意味になります。
感謝の気持ちを表現する時の「すみません」には、「お世話になっていながら何のお返しもできず、納得しません」等の意味に繋がります。
ところで、皆様は「済みません」と言いますか?
それとも「すいません」でしょうか?
「済みません」の他にも「すいません」ともよく言いますが、「すいません」は「済みません」から分かれた言葉で、いわば本家と分家のような関係だとされているようです。
つまり、「済まない」の丁寧な言い方が「済みません」で、それを少し砕けた言い方にすれば「すいません」、より丁寧な言い方にすれば「あい済みません」でしょうか。
傾向とすれば、「済みません」の方が、好感が持てそうですね。
しかし、だからといって、なんでもかんでも「済みません」は、考えモノだと思います。
つまり、なにかあれば「済みません」と言っておけばいいと言う、「逃げ道」になってしまいそうな気がしますが、如何でしょうか?
前述したように、「済みません」には、お願い、謝罪、お礼の等の多くの意味があります。
それだけ便利で都合のいい言葉ですが、反面、意味が多ければ多いほど、意思の伝達がはっきり伝わらないこともあります。
最悪の場合は、「感謝の言葉」か?「謝罪の言葉」か?理解できないことも多々あります。
従って、謝罪の言葉としては「申し訳ございません」、感謝の言葉としては「ありがとう」がお勧めです。
英語では感謝の言葉はthank youです。
そして、お詫びの言葉はI am sorryです。
「感謝」と「お詫び」の言葉が非常に明確に分かれていますが、日本語はなんとなく複雑です。
だから使い分けが大切だと思います。