マナーうんちく話861《めでたさも 中くらいなり おらが春》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

正月を家族揃って健やかに過ごされた方も多いと思います。

また、一人暮らしの人は仕事を忘れ、誰に気兼ねすることなく、思いのままに過ごされた方も多いのではないでしょうか。

お雑煮とお節料理を食べ、新年の挨拶を交わす。
モノが豊かで便利になった今では、ことさら目出度いという気分には浸れないかもしれませんが、どことなく落ち着ける。

幸せの感じ方は人それぞれですが、意外に人の幸せとはこんなものかもしれませんね。

《目出度さも中くらいなりおらが春》

今から約200年前の句で、芭蕉、蕪村と共に江戸の三大俳人と称された小林一茶の句です。

「おらが春」は「私の新春」、つまり正月という意味で、「新年を迎えるのは誠に目出度いのですが、私にとっては大吉の目出度さではなく、中吉くらいの目出度さ」という意味でしょうか・・・。

掃除をしたり、門松や注連縄飾りなどの迎春準備もしないで、ありのままに迎えた正月だから、本当に目出度いのかどうかは良く解らない。

また、正月だからと言って格段何かをするわけでもなく、通常の生活とあまり変わりはない。

決められたことを、決められた日に、皆揃ってしていた昔とは異なり、物が便利で豊かになり、価値観やライフスタイルが多様化した現在では、この句の様な思いをされている方も多いと思います。

ところで、昨年は「ありのままで」の曲が大ヒットしましたね。

降り始めた雪は足跡消して 真っ白な世界に 一人の私・・・・
戸惑い傷つき だれにも打ち明けられず悩んでいた・・・・
ありのままの姿見せるのよ ありのままの自分になるのよ・・・・
・・・・

「自由」とか「権利」とか「個性」などというキーワードが主流になった現代において、「自分らしく生きる」事を意味する以上のような歌詞が、多くの人の共感を呼んだのでしょうね。

では、どうすれば「自分らしい生き方」が出来るのでしょうか?
単に、今のままの自分に素直になればいいモノではないと思います。

加えて、自分自身を取り巻く環境は、自分の希望とは裏腹に刻々と変化します。
しかもそのスピードは、かつて無いほど速くなっています。

つまり、「ありのままで生きていく」には大変難しい時代だと言うことです。
従って、この曲の本意は、「出来るものなら今の自分から脱皮したい」、「何かに挑戦したい」というところに有ると思うのですが、如何でしょうか?

自分らしく生きて、ハッピーになるにはそれなりの努力が必要です。
人生いろいろと挑戦することも必要です。

特に日本は世界屈指の長寿国です。
その長い人生を、単に長生きを競うのではなく、健康で心豊かに生きることが大切だと思います。

その積み重ねの中に、本当の意味での「自分らしさ」を醸し出すことが出来るのではないかと考えます。

ということで、中くらいの春も良いですが、新年に当たり、「マナー講師」「健康生きがいづくりアドバイザー」として、何か自分なりの「生きがい」を持たれる事をお勧めします。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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