マナーうんちく話521≪お心肥し≫
台風の影響でしょうか、空がどんよりしたり、雨が降ったりでパットしませんね。
ところで、この時期になると蝉が一段と元気になります。
蝉にも色々な種類がありますが、多くの種類の蝉が一度に鳴きたてる様を、時雨に例えて「蝉時雨(せみしぐれ)」と表現します。
ちなみに、時雨とは晩秋から初冬の頃、急にパラパラと降ってすぐに通り過ぎる雨のことです。
蝉時雨は朝が早く、これで目を覚まされることもしばしあり、迷惑な話ですが、当事者であるセミにとってはそうはまいりません。
蝉が地上に出て、大きな声で鳴くことができるのは、ほんのわずかな期間だけです。大部分は地中での生活になり、成虫での期間は、わずか一週間位だと言われています。
しかし、この期間に大事な仕事が控えているわけです。
大事な仕事とは、子孫を残すことです。
つまり蝉時雨は、オスの蝉が子孫を残すために大きな声で鳴き、メスの蝉と交わるためなのです。
今流の言葉で表現すると、蝉の「婚活」でしょうか。
しかし、婚活に精を出せる期間は約一週間ですから、雨の時雨のように、さっと降って、さっと去る。
先人は、その儚さを時雨に例えたわけですね。
私は「幸せ婚」推進派の一人ですから、結婚応援活動にも積極的に取り組んでいますが、個人差はあるものの、人にも結婚適齢期は存在すると思っています。
適齢期とは、ある年齢に差し掛かった時というより、結婚を決意し、結婚生活が可能になる多様な力が備わった時だと思います。
その時には、婚活を最優先し、必死で取り組まれる事をお勧めします。
何事もタイミングが大切です。
長い間地中で生活し、地上に出て、残された約一週間の時間内で、力の限り子孫繁栄のために頑張る蝉の姿をどのように捉えるか?
時雨のようにはかないと捉えるか?
素晴らしいと捉えるか?は人それぞれでしょう。
残されたわずかな時間を、未来のために悔いなく使い、思い残すこと無く一生を終えることができれば良いですね。
このように生きてみたい。
こうしたいと思っても、人生は思うようにいきません。
しかし、報いは残したくないと考えるのが常です。
日本人の平均寿命は世界のトップクラスになりました。
だから何度でもやり直しがきくようになりました。
今までは失敗の連続であったが、これからの何年間が我が人生の総仕上げだと心に決め、何かに打ち込むのも素晴らしいことだと思います。
自分の心を満たすようなものを、ひたすら追及してみたいものですね。