マナーうんちく話749《恋焦がれて鳴く蝉より鳴かぬ蛍が身を焦がす》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:マナーの心得

一生のうちで最も充実している時期を盛りと言います。
「男盛り」に「女盛り」、「伸び盛り」、「食べ盛り」などと言いますが、蛍も蝉も盛りが非常に短いわけですね。

蛍は卵から成長になるまで1年から2年かかりますが、幻想的で美しい光を放つ期間はつかの間です。

蝉も地下での生活は数年ありますが、地上に出て、思い切り鳴ける期間は非常に短いのが現状です。

だから、儚い命を象徴する言葉に「蛍二十日に蝉三日」があります。
日本人の平均寿命は世界一ですが、健康でいられる「健康寿命」は、男女とも何歳もギャップがあります。
身も心も元気なうちに素敵に輝きたいものですね。

また、「鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」と言う諺があります。
諺と言うより、江戸時代に三味線に乗せて歌われた大衆芸能のドドイツ(都都逸)と表現した方が適切かもしれませんね。

言葉の意味は、口に出して何かとモノ申す者より、口に出して言わない者の方が、心の中でしっかり思っていると言うことです。

標題の「恋に焦がれて鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」は、恋に焦がれてままならぬ恋をうたった歌ですが、あまり好きだ!好きだ!と言わない人でも、内心はとても好きだと感じている人もいます。
ちなみに、恋に焦がれるとは、激しく募ってくる、恋への情です。

若かりし頃に、好きな人が出来て、正面から「好きだ」といいたくても、どうしても言えなかった、そんなもどかしい経験をした事はありませんか?

チョッとした事でも気軽に言える人と、思いは人一倍あるのに、どうしての言えない人では雲泥の差があります。

ではどうするか?
酒の力を借りて告白する手も有ります。
しかし、アルコールは特効薬にはなりません。

そうなると、告白する時のセリフやムード作りでしょうか?
残念ながら、これもそんなに効果は期待できそうにありませんね。

酒でもなく、セリフでもなく、ムードでもないとすれば、思い悩むところですね。結局100%成功する告白の仕方はないのではないでしょうか?

あえて言えば、告白するタイミングが、とても大切だと思います。
タイミングと言うのは、一緒に買い物に行ったときとか、食事をしているときとかと言う意味ではありません。

互いに知り合ってある程度の時が経過して、互いが互いを理解し合って、この人となら仲良く付き合っていきたいと感じた時がベストだと考えます。

そして、回りくどい言い方や、きざな言い方や、酒の力を借りて告白するより、真摯な態度で、相手の目をキチンと見て、素直に、ストレートに言えば良いと思うわけです。

もし、振られても、しつこく追い求めるより、「残念です!」と言って素直に引き下がるのもお勧めです。事態が好転するかもしれませんね。

お釈迦様は「幸福は愛他の気持ちから生まれ、不幸は自己本位から生まれる」と説いておられます。

本当の幸せは他人を愛する気持ちから生じ、自分本位の気持ちは不幸にしかならないと言う意味です。

世界一平均寿命の長い日本人の人生、愛する人と共に歩むと言うことは大変素晴らしいことだと思います。

好きな人が出来たら、指をくわえているだけではなく、勇気を出して告白してみるのもお勧めです。


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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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