マナーうんちく話499≪習慣は第二の天性なり≫
今日から10月、「衣替え」と「神無月」のスタートです。
神無月(かんなづき・かみなしづき)は旧暦10月の異称ですが、今では新暦10月の異称としてもすっかりおなじみです。
全国津々浦々の神様が、島根県の出雲大社で開催される大切な会議に出席されるために、出張される月で、神様がいなくなるので神無月と言われております。
しかし、島根県には全国各地から神様が結集されるわけですから、島根県だけは「神無月」ではなく「神在月(かみありづき)」になります。
それでは、全国各地の神様が出雲大社に集合して開催される「大切な会議」とはなんでしょうか?
全国の農作物の出来・不出来に関する内容もありますが、大半は結婚に関する内容です。さらに、恋仲の縁のみならず、全ての幸せに通じる縁を結ばれるための会議もなさいます。
だから出雲大社は「縁結びの神」と呼ばれるわけです。
ちなみに、出雲大社は「因幡の白ウサギ」で有名な、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が祀られております。
大黒様の事です。
また、2013年は60年に一度の大遷宮が行われる年ですので、今年、出雲大社にお参りすると、より大きなパワーを授かるかもしれませんよ。
結婚のご縁を始め、全ての良縁祈願にご利益が期待できそうですね。
2013年は、伊勢神宮の「式年遷宮」と、出雲大社の「平成の大遷宮」が重なる年ですから、これを機会により神様とご縁を持たれる事をお勧めします。
遷宮とは、神社のご神体を補修・修復などの理由により、従前とは異なる本殿に移すことで、定期的に行われる遷宮を式年遷宮と言います。
ところで、神社に参拝して、ご利益に授かろうとすれば、やはりそれなりの礼は尽くしたいものですね。そこで簡単に参拝のマナーに触れておきますので参考にして下さい。
神社に行って先ず、目に入るのが「鳥居」です。
この鳥居の諸説ありますが、平たく言えば神様と人間の境目です。
従って、鳥居をくぐる時は先ず一礼して下さい。
そして、参道を進みますが、参道は神様が行き来るされますので、真ん中を歩かないで端を歩いて下さい。
次に、境内に入ると手水舎(てみずや)が有りますので、ここで心と身を清めます。
右手に柄杓を持ち左手を清め、次に左手に持ち替え右手を清め、また右手に持ち替え左手に注いだ水で口をすすぎ、最後に両手で柄杓を立て、上から水を流して柄杓を清めます。
この際、最初に注いだ水で全ての動作を行います。
拝殿に着たら、最初に賽銭を入れ、神様をお呼びするために鈴を鳴らします。
参拝は「二礼二拍手一礼」が一般的ですが、出雲大社は「二礼四拍手一礼」となります。
「礼」を「排」と表現することもありますが、いずれも神道や朝廷において、頭を下げて敬礼する意味です。
つまり、鈴を鳴らしたら、背筋を伸ばし深々と90度位の礼を2回、その後出雲大社では4回手を叩き、手を合わせて自分の思いをしっかり神様に伝えて、再び90度位の深々とした礼を行います。
ちなみに、お辞儀には立って行う「立礼」と、座って行う「座礼」が有り、下げる相手や目的により頭を下げる角度が異なりますが、神様・仏様に頭を下げる時、つまり神事や仏事の時に一番深々と頭を下げます。
全国各地には約79000社の神社が有ります。
つまりコンビニや郵便局や小学校より多いということです。
そして、遷宮もお参りの作法も、千年以上も脈々と風雪に耐え受け継がれているということは、神様は今でも日本人の大切な心の拠り所だということです。
秋祭り、結婚のシーズンを機に、神様とのご縁を深めてみるのもお勧めです。