マナーうんちく話530≪昭和とバブルと礼儀作法≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:マナーの心得

「桜」から「花ミズキ」に、そして「桜餅」から「草餅」や「柏餅」の頃になってきましたね。
皆様方の地域では、「こしあん」ですか「粒あん」ですか?

この頃になると、なんとか霜の心配が薄れてきます。
しかし、野菜作りにおいては手放しというわけにはいきません。
「八十八夜の忘れ霜」と言う諺が有ります。

八十八夜は「雑節」の一つで、立春から数えて88日目にあたる日で、今年は5月2日です。
温かい日が続いていると思いきや、急に気温が低下し、霜が降り、農作物に被害がでるので、昔の人は警戒し、このように名付けたわけで、注意を促したわけです。まさに、先人の生活の知恵ですね。

「人は自然に背いて栄ゆること能(あた)わず。」といわれるように、自然と調和することはとても大切です。

ところで皆さんは「バブル」を思い起こすことは有りませんか?
バブルとは、一般的には1985年(昭和60年)から1991年(平成3年)の日本の好景気を指します。

とにかく、仕事が有り過ぎて、人手不足で求人が溢れていた時代です。
多くの金持ちを産み、拝金思想が大手を振っていた時代です。

そして、「物の豊かさ」や「利便性」に重きが置かれ、「礼節」と言う言葉が薄れてきた時代でもあるように思います。

昭和の終わり頃までは、富や地位を手に入れれば、次に教養や礼儀作法に価値を置く風潮が有ったような気がしますが、平成の声を聞く頃になって、すっかり失せてきた感が有ります。

ある面においては、この頃が、日本人の倫理や教養の面でも荒廃した時代かもしれませんね。


バブル期の後遺症は多々ありますが、マナーの視点では、計り知れない位、事後に及ぼす影響が有るような気がしてなりません。

バブル期に幼さなかった人も、今や立派な大人です。
親になっている人も多いのも当然です。

そして、その親や子供が、由々しき問題を沢山抱えています。
バブル期に、お金では買えられない大切なものが存在することを忘れたせいです。

4月29日は「昭和の日」です。
その趣旨は、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を願み、国の将来に思いをいたす」とあります。

昭和から平成へと移行した今、悲惨な戦争こそありませんが、子どもの陰湿ないじめ、不登校、校内暴力は後を絶ちません。

加えて、家族、地域、職場の絆が希薄化し、無縁社会や孤独死が出現しました。さらに離婚、家出、自殺の増加、難婚化、未婚化現象等など課題山積です。

これを解決するには、先人の教えに忠実になることです。
そして、皆でほんの少しだけ素敵なマナーを発揮することです。

幸いにも、日本には1000年以上前に生まれた世界に誇る、「和の精神」や、「礼儀作法」、そしてこのコラムでも連載中の「江戸しぐさ」等、良き見本が沢山存在します。

これらを参考にしない手は有りません。
今注目されている哲学や、欧米から入って来たコミニケーションスキル等は、日本にはすでに江戸時代から存在したわけです。

先人の、暮らしの英知、人や自然に対する思いやりの心等を、今に蘇みがえらせ、本当の意味で豊かな時代を作りたいものですね。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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