マナーうんちく話499≪習慣は第二の天性なり≫
昭和51年から始まっている、「晴れの国」岡山の春の風物詩、後楽園の「松の菰焼き」も終わり、春がそこまでやってきました。
心浮き浮きと参りたいところですが、連日報道されている中国からやってくる大気汚染が気になりますね。
そうでなくとも日本では、これから花粉症の季節になり、加えて黄砂も飛んでくるのに、それに「PM2.5」と呼ばれる微小粒子状物質が加われば身体にいいわけないですね。
物質的な豊かさや便利さと引き換えに、常に人の命や健康が犠牲になっている気がしますが、これでは本末転倒ですね。
昔は朝鮮半島や中国から、仏教や多彩な文化が海を渡って日本にやってきて、心豊かな生活に寄与してくれました。
しかし、科学が進歩した現在は、朝鮮半島や中国から、核爆弾や大気汚染の危機が空からやってくるようになりました。
一方、東日本大震災から2年を迎えようとしていますが、今だ32万人の人達が原発事故のせいで、故郷を追われ避難生活を余儀なくされています。
本当につらいことだと思います。
日本は世界屈指の「飽食の国」であり「美食の国」でもありながら、食料自給率は先進諸国の中では最も低く約39%しかありません。
さらに、日本は資源に非常に乏しい国で、ほとんど外国からの輸入に頼り、原子力を除けばエネルギー自給率は約4%です。
省エネ製品もどんどん開発されていますが、エネルギーの消費量は減ることは有りません。
そんな中、石炭・石油から原子力へとエネルギー政策が転換され、経済は益々活性化され、先人達が夢にも思わなかった豊かさや便利さを手に入れました。
台所事情しかりです。
和食、洋食、中華の調理器具や食材が有る台所を備え、世界一贅沢な物を食い、世界一食品廃棄物を排出しています。
物も全国津々浦々まで豊かで便利になりました。
座ったままリモコン一つで、冷暖房の調整や電気の消灯や好きなチャンネルのテレビが見ることができます。
欧米のセレブが持つバッグを持ったり、ブランドの服も自由に着ることができます。化粧もダイエットにも多額のお金を掛けることができます。
このように、今までとは比較にならないほど物質的な豊かさや便利さを手に入れましたが、それと引き換えに多くの貴重なものを失いました。
その結果、多くの人が犠牲になり不幸になっています。
約半世紀前に出版されたにもかかわらず、今なお世界中に多くの読者が存在する、レイテェル・カーソン著Silent Spring(沈黙の春)をご存知の方も多いと思います。
農薬や化学薬品がもたらした被害の実態を問い、自然へのマナーを怠った現代人に警告を鳴らし、人類にとって「本当の豊かさとはなにか?」について考えるきっかけを与えた先駆的な本だと思います。
この本には、「DDT」と「BHC」が登場しますが、農薬は農業とは切っても切れない関係にあり、農業の生産性を大きく高めてくれます。
有機野菜は理想ですが、全て有機野菜で12500万人の胃袋は満たせません。
しかし、農薬によるリスクも心配が有ります。
どこで、どのように調整するかです。
まだ農薬が無かった時代に先人たちは、木に菰を撒いて、その中に害虫を取り込み焼いて殺すという、原始的で効率は悪いですが、環境に配慮した方法を生み出しました。
環境保護か?経済優先か?
二者択一と言うわけにはいかないとしても、おおいに検討しなければならない時です。
そして、その根源になるモノは、人間や自然に対する「思いやりの心」だと考えます。