マナーうんちく話447≪成人の日とマナー≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:マナーの心得

昨日は成人式で街が華やぎましたが、成人の日は、第2月曜日で有る1月14日、今日です。

成人式が祝日になったのは、そんなに古い事ではありません。
「国民の祝日に関する法律」で、昭和23年に1月15日に定められてからです。そして、平成12年から第2月曜日になったのは承知の通りです。

ところで成人式の趣旨は、「大人になった事を自覚し、自ら生きようとする青年を祝い励ます」ということですが、昔の「元服」の行事に由来しています。

その元服の行事が、正月に行われていたわけですね。
では、なぜ元服の行事が正月に行われていたか?お解りでしょうか?

「マナーうんちく話173《満年齢と数え年》」で詳しくお話ししたように、昔は今のように満年齢ではなく、「数え年」だったので正月に年を取ったわけです。

すなわち、正月に、「おめでとうございます」と挨拶するのは、正月になると、「老若男女全員が目出度く一つ年を重ねることができるから」です。

ちなみに、昔は今と違い、ずいぶん平均寿命が短い時代ですから、大人になるのも結婚するのも早く、貴族や武家階級であれば、12歳から16歳頃には、「冠や烏帽子(えぼうし)を被る儀式」を行っていたようです。

こうすることにより、大人になった事を世間に告知して、晴れて家の「跡取り」となって、家を継ぐことができるわけです。

そして、今では満20歳になった男女が、大人になる事を祝い、主として自治体等の主催による記念式典が盛大に行われます。

男性は紋付き袴やスーツ姿、女性は振袖姿が圧倒的に多く、街中がとても華やかになります。

ちなみに、「成人のお祝い」は、家族や親族で行うものですから、それ以外でしたら基本的には贈り物はしなくていいと思いますが、成人式を迎えた人には、「おめでとう」の言葉を元気よく掛けてあげて下さい。

また、恒例により職場等で贈り物をされる場合は、赤白の蝶結び、熨斗つきで、表書きは「御祝」「御成人御祝」がいいでしょう。

贈るタイミングは、成人式前か、20歳の誕生日が相応しいです。
お祝いを頂かれた場合は、基本的にはお返しは不要です。

但し、大人として一人前になった印として頂いたものですから、キチンとしたお礼が必要です。
手紙を書かれる事をお勧めします。
文章は自分の言葉で、お礼と抱負等が加味されればいいですね。

「冠婚葬祭」の「冠」は、子どもの成長に伴う多彩な祝い事ですが、本来は、ほかならぬ成人式の事で、男子が初めて冠をかぶる元服の儀式、つまり「加冠の儀」のことなのです。

豊かで便利な社会になるとともに、進学率は高まり、人生の選択肢も大幅に増えたにもかかわらず、新成人の、実に57パーセントの人が、将来に大きな不安を抱いているとの調査結果に、一抹の寂しさを感じます。

それなりの気概いと希望を抱き、これからの長い人生を前向きに生きて頂きたいものです。

そして、これからは「大人のマナー」を自覚され、実践される事をお勧めします。

マナーは、人を心豊かにして、幸福にしてくれます。



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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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