マナーうんちく話143≪昔と今、どう違う恋愛事情≫
最近、結婚相談や夫婦間の相談が多くなりました。
これらの相談を依頼する人は、年齢も職業も価値観も性別も様々です。
1990年代の中頃から、恋愛観、結婚観、離婚観が大きく変わりました。
「適齢期になれば結婚しなければいけない」という意識から、「どうして結婚しなければいけないの?」と疑問を投げかける人が増えてきました。
また、「嫌になったら、我慢するより、別れたらよい」と言う人が増えたようです。加えて、「辛くなったらいつでも実家にお帰り」と言って嫁がせるお母さんも、珍しくなくなった気がします。
一方、結婚願望は強いけど、思い通りの結婚が期待できそうもない人もいれば、
夫婦の中は冷え切ってしまっているが、出来れば離婚は避けて、元の鞘に収まりたいと願う人もいます。
相談の内容は非常に多様化していますが、いずれの相談も、とても深刻です。
今、巷には、「婚活」と「結婚式」に関する情報は氾濫しています。
どの情報を選択したら良いのか?多過ぎて迷います。
しかし、「結婚の意義」について、きちんとした考えを持っている人は、意外に少ないようです。
時代がいかに変化しても、多くの人が、素敵な異性と出会い、恋をして、愛を語り、やがて結婚して、幸福な家庭を築きたいと願っています。
時間もお金も自由自在になる、「独身貴族」と言う言葉が有りますが、一生独身貴族でいたいと願っている人は、意外と少ないと思います。
これまで、約1000カップルに素敵なご縁を頂いた経験から、良縁に恵まれることは、人生で大きな幸せだと感じています。
ちなみに、良縁とは、良い人に出会い、恋愛を経て、結婚し、幸せな家庭を築き、それを持続することです。
そのためには、以前にもお話ししましたが、結婚の意義と目的をしっかり把握して頂くことが必要です。
そして、結婚の意義とは、男と女が一緒になって、長い、長い人生を、寄り添いながら、共に歩んでいくことに有ると思います。
日本人の人生は、世界で一番長いわけで、その長い人生を、「共有することができる人」がいることは、何よりも幸せな事ではないでしょうか?
しかし、長い人生に対する価値観は、結婚しても、男と女は異なります。
そのことを、理解し、尊重することも大切です。
夫婦で築く温かい家庭には、本当の愛と団らんが存在します。
従って、結婚する前と、結婚した後も、この深い意義を、見失しなわない様にしていただきたいものです。
私はマナー講師で有ると共に、結婚推進派の人間です。
結婚を推進する大きな理由は、人は、結婚生活を通じ、他者に対する思いやりの心を発揮できる、円熟した人間になれると思っているからです。
しかし、結婚する以上は、それが幸せな結婚で有ることが大前提になります。
「良い夫婦の日」に、今一度、未婚の人も既婚の人も、結婚の意義をしっかり考えて頂きたいと思います。