マナーうんちく話499≪習慣は第二の天性なり≫
昨日は春にお世話したカップルの結婚式に出席しました。
「類は類を呼ぶ」と言いますが、新郎・新婦がとても誠実で素晴らしい人だったので、その両親・親族・友人も良い人ばかりで、それに心温まる多彩な演出が加味され、大変優雅で、和やかなひと時を過ごさせていただきました。
ところで、優雅な振る舞いができる人は、とても好感が持てます。
優雅な振る舞いとは、「美しい」と「無駄がない」の二つの要素が必要ですが、ポイントは脇を、緩やかに閉めておくことです。
軍隊や運動会など「気おつけ」の姿勢で、固く脇を締め付ける姿勢は、威厳を保ち、緊張感を出すもので、凛々しく見えますが、優雅とは言えませんね。
また、このコラムでも何回か触れましたが、日本の礼儀・作法には「一回一動作」と言う基本が有ります。
傍から見て優雅に見える人は、この基本に忠実です。
近くに、優雅に振舞う人がおられたら、是非その人に注目し、一部始終、参考にされるのもお勧めです。
人が身に付けているブランド製品を見て「羨ましいな」と思うのではなく、立ち居・振る舞いの美しさに見とれて、それを素晴らしいと思える人は、優雅に振舞える素質が有ります。
「何を身に付けるか」も大切ですが、「どのように振舞えるか」も大切です。
ここで、改めて「一回一動作」について解説しておきます。
優雅に振舞うには、「・・・ながら」動作をしないでください。
言いかえれば、一度に二つの事をしないと言うことです。
新聞を読みながら、食事をしない。
歩きながら、電話をしない。
道で会って挨拶する時に、歩きながらではなく、一旦立ち止まって挨拶する等です。
但し、仕事上の能率を考慮するような時にはこの限りではありませんので、TPOに応じて臨機応変に対応して下さい。
精一杯お洒落して、結婚披露宴に出席した時等にも、良い意味で目立つ人は、優雅で素敵な振る舞いができる人です。
例えばシャンパンで乾杯をする時、シャンパングラスを持って起立するのと、起立してグラスを持つのでは、立ち居・振る舞いの美しさに雲泥の差が出ます。
「一回一動作」の理に従えば、「立つ動作」と、「グラスを持つ動作」を別々にします。
そして、これらの動作を、一つ一つ、ゆっくりと、落ち着いてすることがポイントです。
小さい時に「モノを食べながら、喋ってはいけません!」と教えられた人も多いと思いますが、実はこのことは、「一回一動作」を重んじた躾なのです。
一回一動作を、心を込めて、ゆっくりと、丁寧に行って頂いたら、色々なしぐさが優雅になるとともに、会話まで穏やかになり、相手から大変好感の持たれるマナー美人になれます。
日常生活にぜひ取り入れて、慣れることが大切です。
いざ出陣!と言う時にとても役に立ちますよ。