マナーうんちく話2231《幸せを呼ぶ挨拶の心得と作法《和顔愛語 先意承問》
四季が世界的に美しい国だからでしょうか?
それとも豊かな感性を備えていたからでしょうか?
日本人は自然に対し、本当に賢しこく付き合ってきていると思います。
その一例が、降る雨や雪、吹く風、さらに暑さや寒さにまで、時期や程度にマッチした様々な名前を付けております。
暑さを表現する言葉は、「酷暑(こくしょ)」「猛暑(もうしょ)」「極書(ごくしょ)」、さらに「炎書(えんしょ)」に「激暑(げきしょ)」等などがあります。
昨日の暑さはどう表現し、今日の暑さはどの漢字が妥当か?本当に迷いますよね。そういえば、7月18日、すなわち梅雨明け直後の山陽新聞の朝刊には、「炎暑の夏到来」という見出しが掲載されていました。
ところで、7月22日は二十四節季の一つ「大暑(たいしょ)」です。
すなわち、一年で最も暑い日です。
「酷暑」「猛暑」「極書」「炎暑」「激暑」等の表現が全て当てはまる日ですね。
この頃から、8月中頃までが暑さのピークになります。
今年の梅雨の雨にしてもそうでしたが、暑さも、年々厳しくなってきている気がします。
今までは、最高気温が30度以上の日を「真夏日」と表現していましたが、最近は35度以上の日を「猛暑日」と表現するようになりました。
睡眠やバランスの良い栄養などをしっかりお取りいただき、さらに、炎天下では無理をしないで、熱中症にはくれぐれもご注意ください。
さて、以前にも書きましたが、暑い頃の風物詩に「暑中見舞い」がありますが、今が、まさにぴったりの頃で、普段疎遠になっている知人や友人、さらに遠方の親せきなどに、心を通わす絶好の機会です。
加えて、身近な友人やビジネス上の人等に、さらなる親交を深める、またとないチャンスです。
思い思いの葉書を手作りされるのもお勧めですが、夏らしいデザインの便せん・封筒での便りも良いモノです。
物が豊かになった分、遊び心も加味して創意工夫を試みるのも楽しいですよ。
葉書や手紙で文を交わすことは、メールや電話などと違い、大変味わいの有るコミュニケーションです。無縁社会等と言われる時代だからこそ積極的に出したいものです。
暑中見舞いのポイントは、くどくど書くより、短文ですっきりと自分の言葉で纏られることです。相手に対し、最高の思いを込めて、それを端的に表現するのがおすすめです。
7月22日は二十四節季の一つの「大暑」ですが、7月19日は雑節の一つ「土用の入り」です。
ちなみに「土用」とは、立春・立夏・立秋・立冬の前約18日間のことですが、今では立秋(今年は8月7日)の前の約18日間を指す場合が多いです。
従って、この土用の頃に出す見舞い状ですから、暑中見舞いの事を、「土用見舞い」ともいいます。
年賀状と共に、明治以降、郵便制度の発達と共に一般にも広く普及しました。
土用の暑い時期には、身体に精力をつけたり、あるいは身体を休めるために「う」のつくもの、例えば鰻や牛、あるいはうどんや梅干し等を食す習慣がありますが、お好みの「う」の付くものを食しながら、冷たいビールと共に一筆啓上することを、夏の風物詩に加味されてはいかがでしょうか。