マナーうんちく話239≪バラ色の人生とマナー≫
花見に押されてあまり話題になりませんでしたが、4月8日は「花まつり」の日でした。
「花まつり」と言われてもピーンと来ない人も多いと思いますが、お釈迦様の誕生日です。
神様(神道)仏様(仏教)の国日本で、クリスマスは国民的行事としてキリスト教国より派手にイベントを繰り広げますが、お釈迦様の誕生日は殆どニュースにさえなりません。日本の葬式の9割以上は仏教でとり行われているのに、おかしいですね!
ところで、今年も様々な人たちが、新たな第一歩を踏み出されたことと思います。
学校生活やビジネスシーンにおける多様なマナーを、教えたり教えられたりしている人も多いのでは。そこで暫くの間、「旬の話題」、「歳時記」等に加え、「好スタートに役立つ様々なマナー」についても詳しく触れて行きたいと思います。勿論指導的立場にある人にも大変お役にたつと思いますので、仲良くお付き合いいただければ嬉しいです。
好スタートを切るに当たり、最初にお勧めしたいことは「感謝の心」を持つことです。
今、地球上には約190の国が存在し70億人の人々が生活しています。
その内、約12億人は1日の衣食住の生活費が1ドル以下です。いわゆる国連が定義している貧困層です。約8億人が飲み物食べ物に困り恒常的栄養失調をきたしております。
日本人は昨年の大震災のせいで「節電」を強いられましたが、節電はおろか、電気そのものに無縁な生活をしている人は約15億人います。また、電気の恩恵は受けているが1日に数時間しかその恩恵にあずかれない人は約10億人です。
電気は無くとも命は維持できますが、食べ物が無くては飢えて死んでしまいます。
飢餓、すなわち飢えが原因で命を落としている人が1日に数万人います。
15歳以下の幼い子供が貧しいがゆえに学校に行けず働いています。このような子どもの労働を「児童労働」と表現しますが、2億1000万人位います。
戦争、内戦、天災で難民生活を余儀なくされている人も数えきれません。
このように地球上では多くの人が不自由な暮らしをしていますが日本はどうでしょうか?
美しい四季と多くのモノに恵まれています。
着るものも食べ物も有り過ぎて、何を着ようか?何を食べようか?と迷います。
ファッションも世界でトップクラスです。食料自給率は39%と先進国では最低ですが、世界一贅沢な食事をしており「飽食の国」と言われています。加えて、大阪・神戸・京都は世界一「美食の都市」になっています。
また、67年間戦争に無縁です。皆さんは主だった国で、67年間戦争に無縁の国を幾つ思い浮かべることができますか?
他殺率も世界で最低ではないでしょうか。加えて何世紀にも渡り治安の良さは世界一です。電車に忘れ物をしても、届出をすれば、それが手元に戻る国です。
電車も国内津々浦々において鉄道が敷かれ、しかも数分の狂いなく運行されています。
教育水準も高く、日本の義務教育や高校の進学率も世界一です。
礼儀・作法も文化水準も非常に高いレベルに位置しています。
就職もしかりです。学生は「就活」で大変でしょうが、日本には卒業と同時に、仕事のスキルも知識もなくても就職できる「学卒制度」があります。
さらに世界一の長寿国です。特に日本人女性は、26年間世界一の長寿の座を保っています。百寿を迎えた人も岡山県だけでも1000人以上、全国には47000人以上います。
このように、なにもかも恵まれている国で生活できることに、先ずは感謝です。
すばらしい国を作ってくれた先人に感謝、そして今まで育ててくれた親や家族に感謝です。
先生や友達に、地域の人に、同僚や先輩や上司にも感謝の心を抱く事が大切です。
次に、感謝の気持ちを具体的に表現することも大切です。
具体的には「ありがとう」の言葉を発して下さい。
すでに詳しく説明しましたが、感謝の言葉は「すみません」ではなく「ありがとう」です。
「ありがとう」の言葉は、それを発した人も、発せられた人も、周囲で聞いた人も、大変気持ち良くなる言葉です。従ってこの言葉は何度発しても良いのです。多いほど良いです。
一日のうち、「ありがとう」の言葉を何度発したか?
この発した回数で、今後の人生における幸福度が大きく変わります。
世界の窮状を把握すれば、どんな時でも、「ありがとう」の言葉はスムーズに出るはずです。