マナーうんちく話194≪お客様の迎え方のマナー≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

「もてなしの仕方」については、既にお話ししましたが再度別の角度から解説いたします。

もてなしの基本は掃除です。勿論、客人に心地良く過ごして頂くためです。客間、玄関、トイレなどは特に綺麗にして客人を待ちます。また、和室にお通しする場合は、前回お話しした座布団の、置く位置や置き方にも気配が必要です。洋室の場合は、ソファーの位置にも注意して下さい。おしぼり、茶菓も必要ですね。
さらにお客様をお迎えする際の身だしなみにも注意して下さい。

客人が着いて、チャイムが鳴ったら「はい!」の返事が先です。それから、速やかに玄関に出向き、客人を確認し、笑顔で「ようこそお越しくださいました」「お待ち致しておりました」等の言葉をかけ、コートや傘等をお預かりします。この時点では、ごく簡単な挨拶で済ませます。

次に、スリッパを勧めて、客間へと先導します。この際客人にお尻を向けないよう、少し体を斜めにして下さい。段差等が有れば優しくその旨を伝えて下さい。この時、できるだけ客人の目を見るように心がけて下さい。

○和室に案内する時のマナー
和室の前に来たら、座って正座、もしくはき座の状態で、襖(障子)を静かに開け、それからそのまま下がって(膝退で)、「どうぞ」と言葉を添えて、客人に中に入って頂きます。
なおこの時点では、まだ座布団はお勧めしませんが、長時間お待たせする場合は、勧めていただいても構いません。

○洋室に案内する時
ドアの形態により案内の仕方(入る順序)が異なります。
・押して入るドアの場合⇒案内する人がドアを押して、先に入り、ドアを押さえた状態で客人に入って頂きます。

・引いて入るドアの場合⇒案内する人がドアを引いた状態で、先に客人に入って頂きます。

和室、洋室いずれの場合も、客間に入ったら、ここで本日、最高の挨拶を丁寧に行います。
挨拶がすんだら、客人は「手土産」を渡してくれますので、「いただきます」「ありがとうございます」等の言葉を添え、両手で受け取ります。頂いた手土産は一旦上座側に置き、茶・菓を用意する時に、一緒に持って出ます。

ごく親しい友人の場合は、頂いたお土産をその場で開け、感謝の気持ちを表すのも良いかもしれませんが、改まった場合はいったん下げることをお勧めします。

お頂いたお菓子を下げたら、次に茶菓を出します。客人の好みを聞いてあげられたらいいですね。例えば「日本茶、コーヒー、紅茶をご用意いたしておりますが、どちらがよろしいでしょうか?」等と、客人の目を見て優しくお聞きして下さい。好感度がグーンと上がります。ポイントは「目を見て!」です。

茶菓を出す時は、和室なら畳の上に、洋室ならテーブルの端などに一旦お盆を置き、両手で菓子や茶を静かに置きます。

この時、どうしても譲れないマナーが有ります。
和・洋問わず、「菓子類は左」、「飲み物は右」に置くことです。
理由は、「左上位」だからです。このコラムでも説明したように、昔は、右と左なら左が格上、奇数と偶数なら奇数が格上という決まりが有ったからです。

つまり、昔は砂糖がとても貴重品だったため、その砂糖を使用して作られたお菓子の方がお茶より格上ということになります。

また、親しい人から頂いた手土産は、この時点で出されても良いと思います。先方も一緒に食べたいと希望して持参されたかもわかりませんので。
この際は、「お持たせ」ですけど、という言葉を添えて下さい。

但し、折角頂いた手土産は、夫婦、家族、仲間が揃った時に、「誰が誰から、どのような理由で頂いた」ということをキチンと説明し、皆で仲良く開けて、召しあがれる事をお勧めしています。理由は、そうすることにより、より互いを理解し合え、絆が深まるからです。持参してくれた客人も、そのようにして食べて頂ければ本望だと思います。

形式にこだわらず、心と心を通わせることが、「もてなし」の本来あるべき姿です。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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