マナーうんちく話511≪逆らいしぐさ、前置き言葉にご注意あれ!≫
マナーうんちく話62《名刺交換とその後》
●名刺交換のマナー
今まで数えきれないくらいの名刺交換をしましたが、段々と回を重ねてくると、その人の「人となり」が良く見えてきます。ということは、こちらも見られているということです。
初対面の印象は良いにこしたことはありません。ポイントをしっかり押さえて下さい。
○最初に、相手の正面に立ち、相手の目を見ます。次に「はじめまして。岡山ハッピーコミュニケーションの平松幹夫と申します。どうぞよろしくお願いいたします」と笑顔を添えて言います。そして一礼。(挨拶のコラムで説明しました分離礼になります)
そして名刺を両手で相手の胸のあたりに差し出します。
○相手はあなたの名刺を受取って、同じように挨拶⇒名刺を差し出します。あなたは両手で受け取ります。次に、相手の目を見て「ありがとうございます。菅さん(菅様、菅先生など)、今後ともよろしくお願いいたします」と挨拶します。ポイントは出来る限り「相手の名前を呼ぶ」ことです。名前が難しい漢字で読めなかったらはっきり聞くことです。
○その後座って話し合い(打ち合わせ)に入った場合は、名刺はテーブルの上に置いても、名刺入れに入れても結構です。どうしなければいけないというルールは有りません。覚えきれないようなら、テーブルの上に置くことがお勧めです。
○その他のポイントとしては、名刺交換する際には「上下関係は有りません」。あくまで「対等」です。不必要に「卑屈にならないこと」です。日本人の握手もしかりです。あまりペコペコすると卑屈に見えます。
またどんなに社会的地位が高い人であれ、お金持ちであれ、「偉ぶらないこと」です。ここにその人の品格が出ます。
○同時に名刺交換しますので、「出す」のと「受ける」のが一緒になりがちですが、まだ若い方は早く出す方がいいですので、「自分の名刺を相手の前に押し出す」と、相手が先に受け取ってくれます。年長の人(高位者)は、若い人が先に出すゆとりを与えてあげるのも、品位のある思いやりだと思います。
●いただいた名刺の有効活用
名刺交換で好印象を持っていただくことは大切ですが、これが全てではありません。ビジネスマナーの本には、名刺交換に関することが多く記載されていますが、その後のことはほとんど書かれていません。しかし一番大切なことは、名刺交換して、縁ができたら、其の縁をこれからどのように発展させるかです。
私はあちらこちらで「自分磨き講座」を開催していますが、自分磨きもしかりです。要は自分を磨いて、その後どうするかです。「好感度アップ」しかりです。好感度を上げてどうするかが大切です。改めて、いただいた名刺の有効活用の仕方について触れておきます。
○名刺の整理のお勧め
いただいた名刺は、商談が済んだ時点で、相手の情報をこと細かく記入し、今後の参考にして下さい。名刺を頂いた方の名簿を作成し、それに改めて出来る限りの情報を整理しておくことをお勧めします。なるべく早いうちからの方がいいですね。長所、短所、好み、家族構成、信条、趣味等など・・・。
これらの情報を聞き出すには雑談が有効です。但し人によっては出来ない雰囲気の人もあります。次にその相手と会う時は、当然その情報が役に立ちます。
余談事になりますが、良好な人間関係を築く極意は、以前のコラムでも触れたように「相手の喜ぶことをする」こと、そして「相手に関心を抱く」ことです。相手の情報を記憶しておくということは、相手にとって、関心を持ってもらっていることが認識できるので当然喜ばれます。
名簿はプライベート用、ビジネス用、その他用に分類されるのもいいでしょう。
名刺交換するだけでは、人脈は決して広がりません。名刺フォルダーに納めておくだけでも同じです。その時、その時の情報を細かく整理し、それを有効に活用することです。
活用の仕方は色々考えられます。DMやお得情報を発信したりするのもいいですね。
また暑中見舞い、年賀状は欠かすことなくキチンと出したいものです。
○自分の名刺を記憶して頂くための工夫も大切
相手方の名刺の管理も大切ですが、自分の名刺もまた相手に大切にして頂きたいものです。
デザインにこだわる事、特記事項など書き添えておくこともお勧めです。
○縁を積極的に生かしていく前向きな態度が必要
人脈は与えられるものではなく自ら築きあげるものです。「待てば海路の日和(ひより)あり」のようにはいきません。前向きに、一歩踏み出す心がけが大切です。
そしてそれは若い時こそおすすめです。ある程度歳を重ねてくると、やれプライドだとか、世間体だとかにとらわれてしまいます。素直に、誰にでも、頭を下げて、「よろしくお願いいたします」と言えるのは、若者の特権です。但しその効果を直ぐに期待してはいけません。何十年も経過して美しく開花してくるものです。
私も講演などでご縁があった人には必ず礼状を出しますが、返事が返ってくるのは大体2割から3割くらいでしょうか。しかしこのように返事を下さった方は大いに信頼できそうです。