心理学コラム「信用と裏切り」 ~目の前の出来事に翻弄されない生き方~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:心理学コラム・心理トレーニング、テクニック

人は信用できない。

それはその人が信用できない人だからというより、人は変わる生き物ですから
生涯ずっと同じままではないわけですね。

だからその時はこの人は信用できる人だと思ってたとしても(実際信用できる人物であったとしても)
それがそのまま生涯信用できる人間だとは限らないのです。

なぜなら人は変わる生き物ですから。

この話は相手が変わってしまったから信用できなくなってしまうという話ではなく
変わるのは自分も同じ。
相手はもちろん、自分も同様に変わっていくのですから
その人を信用できなくなったからといって、何も全て相手に原因があるとは言えないんですね。

そしてこの変化というのは、性格が変わっていくような変化ではなく
身近な環境や状況の変化、あるいは人間関係など様々な要因で変化していくものです。
ですから人が変わったかのようにまるで別人になって信用できなくなるのではありません。
変化を余儀なくされ、良い意味でも悪い意味でも人は自然に変わっていく。
そういう生き物なのです。

悪人はずっと悪人のままではないし、善人はずっと善人のままでもないのです。
様々な要因で人は変わります。

ただその変化に自分でも周りの人間もなかなか気づけないだけで
特に自分は自分自身の変化に気づけないものなのです。
自分からしてみれば変わったのは周りの方だと思ってしまうわけですね。

でも実際はお互いそれぞれ皆変わっているのです。
自分でもわからないまま、少しずつ少しずつ変わっていってるのです。

人は何か大きな変化がないと変化を感じられません。

心理カウンセリングでもそうですが
何か劇的に悩みや問題が改善でもしない限り、ああ良くなったな、これでスッキリしたと実感できないものなのです。
だから続けて何の効果があるのかと疑問を抱いてしまうんですね。

変化という意味では私は当ルームのクライエント様に対して
悩みを抱えて苦しんでらっしゃるからかわいそうだなんて思ったことはありません。

それはこの苦しみがいつまでも同じで、このままずっと変わらないと思ってるからかわいそうだと思うんであって
この苦しみもいつまでも同じではない、これから変わっていかれるんだと思えば
今苦しんでるからといってクライエント様をかわいそうだなんて思う要素がどこにありますでしょうか。

人は変わっていくものだということを前提としてわかっていれば
人を信用できないとかいつか裏切られるのではないかと不安に思う必要はありません。

最初からそうなることを前提に(受け入れて)接していけば良いのですから。
変化することそのものを受け入れられないから
あとから裏切られたとかやっぱり信用できないと苦しまなければならないのです。

自分では気づかなくても人は変わる生き物(自然に変わっていくもの)だということを認識しておけば
大きな変化だけに意識を奪われないで
日常という普遍的な環境(状況)の中にも諸行無常を感じられると思いますよ。

信用とか裏切りということではなく、人は変化していくものだと変化を受け入れられるようになること。

そうすると目の前で起こった出来事や周りの環境、あるいは人間関係などに流されず
変化を受け入れながら(見極めながら)自分の歩みで人生を進んでいけるのではないでしょうか。

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宮本章太郎
専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

心の健康のみならず、メンタルに関連して起こる様々な身体への影響や健康に関する知識が豊富ですので、うつ対策や不眠症の改善といった、総合的な健康法についても心理学の観点からアドバイスと情報提供が可能です。

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