どうして冤罪は生まれるのか ~人は対面では本当のことが言えなくなる~(事実が歪曲する)

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:思考と考察・生き方を学ぶ

人は環境や状況、話す相手によっても言うことが変わってきます。

つまり言い訳や弁明、証言といった人の話も
環境や状況、相手によってその内容が変わってくるわけですね。

自分の会話やコミュニケーションを思い返してみてください。

同じ内容の話でも、相手がどんな立場の人にも同じように言えますでしょうか?
例えば話す相手が威圧的な人物だったら?
相手が自分の苦手な人だったり信頼を寄せている人だった場合
話し方や言い方も違ってくるのではないでしょうか?
(この人には言えるけどこの人には言えないなど)

そしたら法廷での証言や取り調べといったシーンでも
同じように言うことが変わってしまうということが言えます。

相手によって言ってることが変わったり
言える人と言えない人がいるといったように
これは人の自然な心理状態がそうさせているのであって
正直に言いなさいと白状を迫るような態度や接し方では
萎縮して言いたくても言えなかったり言われたままに従ってしまうといった
証言の食い違いが生じてしまうわけです。

その結果起こってしまうのが“冤罪”です。

事件の取り調べの可視化が言われてますが
人は証言が変わる(つまり言うことがコロコロ変わってしまう)ということは
日常の中でも普通に起こっている現象であり
特に裁判事件など個人のその後の人生に直接大きな影響を与える事案については
こういった点も考慮(配慮)しなければならない重大な問題だと言えるでしょう。

ただ単に可視化すれば良いという問題ではなく
状況や環境、そして人によって証言が変わってしまう事態を防がなくてはなりません。
(誰でもどんな環境でも素直に正直に証言できる環境を整えなければならない)

でなければ冤罪という人の一生を棒に振るような最悪の事態は免れず
似たようなケースが後を絶たない事例が増えていくでしょう。

このような事態を避けるためには取調官が人間による対面式の取り調べではなく
取調官や立会人の誰もいない取調室でモニターを設置するなどし
AIや機械音声による取り調べの対応が必要なのかもしれません。

目の前に人がいるとどうしても萎縮したり
心理的な影響から事実が歪曲して伝えられてしまいますので
(意図してかどうかに関わらず)
このような冤罪を生み出す土台(危険性)を少しでも減らせるように
取り調べ方に対する取り組みを早急に見直す必要があると思います。

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宮本章太郎
専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

心の健康のみならず、メンタルに関連して起こる様々な身体への影響や健康に関する知識が豊富ですので、うつ対策や不眠症の改善といった、総合的な健康法についても心理学の観点からアドバイスと情報提供が可能です。

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