傾聴だけではダメ。フィードバックこそカウンセラーの腕の見せどころ
クライエント様といっても様々な方がいますので
心理カウンセリングの進め方も同じようにはいきません。
心理カウンセリングの初期段階、特に初回のカウンセリングなんかでは
お話されるだけで、お話をお聴きするだけでいっぱいいっぱいで
とても何か心理療法を試してみるという状態ではありません。
そんな初回のカウンセリングだけで何とかしようと思われているクライエント様なら
もちろん何も進展も変化も手応えもありませんから
そこで断念して(自己判断して)自ら心理カウンセリングを終えられます。
長きにわたって悩まれていたお悩みなのに
そんな1回のわずかな時間のカウンセリングで何とかなる問題ではないのです。
にもかかわらず、1回受けてみただけでどうにもならなかったからか
問題と丁寧に向き合っていこうと、努力して続けていこうとされないのです。
自分の問題なのに、心理カウンセラーが何とかしてくれなかったと諦められるのでしょうか。
心理カウンセリングは心理カウンセラーに問題を丸投げするのではなく
一緒に手を携えて取り組んでいくものです。
ですから初回のカウンセリングや初期段階で自己完結させてしまわないで
ぜひ自分の問題と向き合って続けてもらいたいところですが
心理カウンセラーとしてもまずはクライエント様のことを知らなければ
初めてお会いして少しばかりお話をお聴きしただけでは
何をどうしたほうが良いのかもわからないのです。
目先口先のことだけなら何とでも言えますよ。
でもそれはクライエント様のことを何も理解していない段階での
ただその場で情報を整理した状況からのお話をしているに過ぎません。
心理カウンセリングの大まかな流れとしては
まずは初回でお悩みの概要を把握し、理解して
クライエント様の状況と考え方や人となりを知り
これからどうしていけば良いのか方向性を探っていく段階です。
その後のカウンセリングをどう展開していくのかはクライエント様や状況によって様々ですが
いろいろと試行錯誤しながら今後どのようにしていけば良いのかをクライエント様に合った方法で
一緒に考えていきながら手立てを探っていくのが流れでしょうか。
いずれにしてもまずクライエント様のことを知った上で(知ってから)
それから一緒に向き合っていくのです。
心理カウンセリングはこうと決まっているやり方を押し付けるのではないのですから
クライエント様のことを何も知らないままでは何もできません。
クライエント様ご自身も、ただ問題を心理カウンセラーに丸投げにするのではなく(受け身でいるだけでなく)
自分でも考えてアドバイスなども求めながら
心理カウンセラーと一緒に取り組んでいく気持ちで問題と向き合っていただくと
問題の改善や自己実現に繋がっていきやすくなります。
ですから自分の問題に自ら向き合って取り組んでいく気持ちで心理カウンセリングを受けてみてください。
ただ受け身でいるだけではなく、自分が主体で取り組んでいくんだということを念頭に置いて
長期的な視野で心理カウンセリングを受けてみてください。
長期的にと言っても何回も定期的にずっと通い続けなければならないという意味ではありませんよ。
回数の問題ではなく、自分の人生という長い目でという意味で
自分の人生をより良く生きるために心理カウンセリングを利用するんだという目的意識です。
そして忘れてはならない肝心な取り組み方として
ただ現在抱えている問題を解決するために心理カウンセリングを受けるのではなく
心理カウンセリングを通して自分がどうなりたいのか?どうしたいのか?
心の負担(悩み)を軽減するのと同時にこれからの自分の生き方
つまり“自己実現(自分の生き方で生きる)”を目標にして心理カウンセリングに臨んでみてください。
そうすると同じ心理カウンセリングを受けるのでも効果が全然違ってきます。
もちろん自己実現がわからなければこれから一緒に考えていけば良いですし
その時の気持ちを聞いてほしいのでと1回だけのカウンセリングでも構いません。
心理カウンセリングをどのように利用するかはクライエント様それぞれですが
あくまで自分が主体なんだということを忘れないで
心理カウンセリングでの向き合い方と捉え方を少し変えてみてください。
そうすると心理カウンセラーが何もしてくれなかったと自分の問題を人のせいにすることがなくなり
問題の改善や自己実現に繋がりやすくなると思いますよ。
心理カウンセラーはそのためのサポートをさせていただく存在ですので
(心理カウンセラーが何かしてあげたり言われた通りにするのではない)
それこそ疑問や質問などあれば何なりとお話くださいませ。
心理カウンセリングを通してこれからの人生の生き方を一緒に考えていきましょう。