人間関係は互いの感覚のズレで構成されている ~感覚器官という制約がなければ自分も他人も皆同じ~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:相対性心理学・時間・空間学(時空学)

前回は記憶の仕組みについてとデジャヴについてのコラムを書きました。
(前回コラム:http://mbp-japan.com/kyoto/kyotocl/column/16123/

今回はその補足説明のような内容になりますが
認知症との関連も含め、感覚としてわかりやすく感覚の話を用いて解説してますので
前回とはまた違った視点で捉えられると思います。
人生や心を豊かにする材料として参考になさってください。


私たちの感覚器官の一つに、耳で聞く“音”があります。

音と言っても音楽や雑音など様々ですが
大抵は何かに限定せず、聴覚という耳から聞こえて来る音の事全体を指して言います。

ではその“音”ですが、自分の耳に入って来た時
もっと詳細に言えば脳が音を認知した時に初めて聞こえた状態になりますが
ではその音は、自分の耳に聞こえるまでは何の音もしてなかったのでしょうか?
聞こえたと認知した時に初めてその音がし始めたのでしょうか?

音は自分の耳に聞こえるよりも前からずっとしていたはずです。

脳が認知する前からしていた音は、脳が認知して初めて自分に(も)聞こえたのであって
脳が認知しなければ耳では聞こえてようと聞こえてまいと、それは何も聞こえてないのと同じで
脳が捉えた音だけを自分の中(意識)では“聞こえた”と思い込んでるのです。

しかし実際は聞こえてない音も同じように耳には入って来てるはずです。

ただどの音を音として捉えたか(認知したか)なだけで
聞こえてなくてもしてるはずの音は自分の認知外の音であり
何も聞こえてないようでも耳には入って来ていて音はしてるんですね。

これが前回お話した記憶の仕組みも同じ原理で働いていて
記憶にアクセスしてる(意識に上ってる)最中はしっかり憶えてると思い込んでますが
実際には自分の知らない認知外(無意識の部分)では何が起こってるのかは自分ではわかってないわけです。

しかしそれは確実に起こっています。

もちろん他の感覚器官である視覚も同じ原理で働いてますし
こういった自分の感覚だけでは捉えられない現象は自分では気づいてないだけで当たり前のように存在していて
そういう中に私たちは生きていると私は言ってるのです。

そしてこれが私の言う認知症(無意識)の世界であり
医学的に認知症と診断されてる人も私たち(健常者)も感覚の違いに差があるだけで
自分の感覚がどこまでを捉えられてるのかは認知症も健常者も違いはありませんし
これが記憶の領域にもズレを生じさせて互いの人間関係や自分という意識を構成してるんですね。

ですから以前にも言いましたように、自分と他人は同じ時間軸を生きてないという事が言えます。

目の前には居ても、目には見えていても(感覚では捉えていても)
本当に存在してるのは自分の感じたままの他人ではないのかもしれないという事です。

これが何を意味するのか、心理的にはどういう影響があるのか
無意識の世界の解明こそが私たちの心や人間関係を豊かにするのだと信じ
私はこれからも心理学の研究を続け、心理カウンセリングに応用して皆様の心の健康をサポートして参ります。

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専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

心の健康のみならず、メンタルに関連して起こる様々な身体への影響や健康に関する知識が豊富ですので、うつ対策や不眠症の改善といった、総合的な健康法についても心理学の観点からアドバイスと情報提供が可能です。

宮本章太郎プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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