お金の価値が品質を約束する ～有料か無料かで変わる物の価値と質の違い～

悩みを相談する所といえば
法律相談や育児相談など、行政が実施する様々な悩みのホットラインなど
無料で提供されてるものも多いですから
つい比べてしまうのか、どうして心理カウンセリングは高いんだとか
何で悩みを相談するのにお金がかかるんだと思われてるかもしれません。

当ルームへのお問い合わせでも
金額やお金がかかるのを知って驚かれる方もいらっしゃいます。

私も気持ちの上ではお金など取らず
無料でカウンセリングを提供したいところですが
しかしだからといって無料で心理カウンセリングをしてしまうと
品質の低下を招いたり様々な問題が発生してしまうんですね。

まず無料だという事は、誰でも気軽に利用出来るという事です。

これはメリットではありますが
誰でも無料でという事は人を選ばずという事でもあり
しかも悩みの内容も選ばないという事です。

つまり相手がどんな人であろうと、例えばルンペンや指名手配犯のような人であろうと
それがどんな悩みでも全部取り合わなければなりませんし
例えば小学生の宿題がわからないというような悩みでも
あらゆる悩みに全部真剣に応えなければならず、しかも手を抜く事は出来ません。

消防や警察、救急車の緊急電話にしてもそうですが
実際無料相談をやってみるとこのような状況になりますし
当然1人や2人では済みませんからね。

果たしてお金ももらわずサービス精神だけで
そんな神様仏様のような対応が出来るでしょうか？
最初はそれでいいかもしれませんが
長くやり続けるとなると、変わらぬ品質でサービスを提供し続けられるとはとても思えません。

この人の悩みは重いから真面目に取り組むけど
この人の悩みは軽いからいい加減でいいだろうなんて勝手に判断するのはおかしいですし
相手が小さい子どもだからと舐めて見下したような態度で取り組むなんてもっての外です。

そんなのはカウンセラーの個人的な主観であり
やはりお金を頂くからには誰のどんな悩みでも同じ様に向き合わなければならず
無料での提供となるとどうしても主観によって品質に違いが生じてしまうのです。

このように悩みの内容や人を選んでするようなカウンセリングは
そもそも心理カウンセリングではありません。
だからこそ安全と品質を確保するために、心理カウンセリングは利用料が必要なんですね。
無料でない事が品質を約束し、そこに価値を生むわけです。

わかりやすいように極端な例でお話しましたが
つまり価格を設定したり無料では利用出来ない事によって
それだけで利用する人を必然的に選ぶ（整理する）事になり、品質の保証にも繋がるんですね。

料金を設定せず無料だからと飛びつくような人は
事前にろくに調べもせず突然訪問して来たり
時間も守れずカウンセリング中であっても平気で入室して来るような人かもしれませんし
実際それくらいの感覚でいる人もいますので（だから悪いという事ではなく）
そしたら事前に料金が必要な事を伝えて諦めて頂く方が（納得頂いてから受けて頂く方が）
未然にトラブルを防ぐ事にもなり、カウンセリングの品質や安全も守られるのです。

例えば高級ホテルやリゾートを利用するのでもそうじゃないですか？

サービス精神だからと破格の安値で提供したり、誰でもどんな人でも簡単に利用出来るとなると
マナーも身なりもなってないような品の欠いた人が利用するかもしれませんし
そうなるとせっかくの高級感も台無しで
奮発しなければ簡単に利用出来ないからこそ、普段は味わえない格別のひと時を堪能出来るのです。

このように誰でも簡単に利用出来る環境というのは
例えば豪華客船を無料で利用出来るなんて状況を考えてみると
全く人を選ばないという事ですから
もしかすると難民ばかりが乗船するような状況になるかもしれませんし
これでは豪華も何も、難民船が就航してるのと変わらなくなってしまいます。

これは差別やキレイ事の話ではわからないので極端な例で説明しましたが
誰でも簡単に、しかも無料で利用出来るという事は
まさにそんな状況を招いてしまうというお話なんですね。

心に関する仕事だからと心理カウンセリングだけが特別なのではなく
例え人の命に関わるような医療の仕事であっても
無料奉仕の精神だけで、どこからも収入もないのに質の良いサービスなんて提供出来ませんし
むしろ命の危険にさらされる事になるのは想像に難くないでしょう。

どのような業界のどのような職種にも言えますが
やはりサービスを提供する側も相応しくないお客様には利用して頂きたくないですし
何の利益にもならないどころか品質や経営の問題にも関わりますから
利用してもらえるなら誰でもいいというわけではありません。

ただ単に利益の追求やそこに悪意がある場合は別ですが
このようにわざわざ提供する側が選別しなくても
自然にある程度人を選んだり絞る事によって、サービスの品質や安全が約束されるわけです。

ですから当ルームをご利用頂くクライエント様でも
無料でないからこそいい加減だったり横着な方は利用されませんし
やはりそれなりにきちっと身なりの整った
時間も守れる常識のあるような方がお越しになるわけですね。

わざわざこちらが条件を提示したりせずとも
自然に意識レベルの高い方がお越しになるのです。
（だから必然的にカウンセリングの効果も高くなりますし、意識レベルとは無関係に
ただカウンセリングを受けるだけでも効果があるのはこういった理由があります）

そういった意味では高ければ高いほど品質も良いという事になりますが
だからといって何でも高ければいいというものではありません。

やはり良心的な価格でそれでいて質の低下を招かず
なるべく多くの人に利用して頂けるようなサービスの提供こそ
本当に価値のある、真に求められる品質ではないでしょうか。

無料だと必ず問題が発生したり質が悪いという事ではありませんが
何でも無料だったり安ければいいのではなく
それはそれでデメリットもありますし
タダほど高いものはないと言うように、単純に金額だけで判断したりせず
自分が望むものとマッチするのかをしっかり考えて、賢く利用したいものですね。

そしてこういう風に言うと
ちゃんと料金を払ってるのに納得出来ない、満足出来ないじゃないか
いくらでもお金は出すから何とかしてくれるんだろうなと
品質についての話をしてるのに、それを自分の思い通りになるかどうかという話と勘違いし
自分に都合良く解釈してしまう人もいますので
ほんとにこの世は何をどうしても苦悩に満ちた世界でございます。


京都カウンセリングラウンジ
宮本　章太郎



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