感覚から探る、心のコントロール術 ~人は自分にないもの、わからないものはコントロール出来ない~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:心理学コラム・心理トレーニング、テクニック

人は感覚(心)を
知識(理性)で何とかコントロールしようともがいてるのです。

しかし感覚をコントロールするなんて簡単ではありません。
自分が感じたものは感じたままなんですから
それをコントロールするだなんて至難の業なんですね。

その感じたままのものが感覚なのですから
いくら違うと頭で否定しても、心は否定出来ません。

知識(理性)での否定が心に嘘をつく行為
つまりそれがコントロールであり
自分が感じたもの(感覚)は否定出来ない。
これが心は嘘をつけないという事であります。

私は以前、コラムにも書きましたが
心とは感覚だと言いました。
(参考コラム:http://mbp-japan.com/kyoto/kyotocl/column/11948/

例えば政治とカネと言われるように
国会議員の献金や談合、収支報告などの不正、不祥事の問題が後を絶たないのも
あるいは私たちが公務員の金銭感覚がおかしいと感じるのでも
政治家や公務員が個人的にどうのと言うより
職による感覚の違いからこの問題は生じてるんですね。

もう少し詳しく言いますと
役人さんが通常業務の中で扱ってるのは人のお金です。
自分で稼いだお金(収入)ではありません。

つまり普段目にしている
自分が向き合ってるお金は単なる数字(情報やデータ)でしかなく
指先一つで簡単に数字を移動出来るわけですね。
これは株をやってる人なんかも同じ感覚だと言えるでしょう。

普段自分が接しているお金は数字でしかありませんから
その感覚が身に付いてしまってますので
日常生活で使うお金も無頓着になりがちで
どうしても私たち一般人とは金銭感覚が狂ってしまうのです。
その人が個人的にお金に対して無頓着だからなのではありません。

普段から人のお金ばかり扱ってると
自分が稼いだお金だという感覚がありませんから
お金に関して公私の区別がつかず
私たちが何とかして家計をやり繰りするような事をしようとしないのです。
というより出来ないのです。

それはつまり、お金に対して自分が苦労して稼いだものだという感覚がないから。

偏った言い方をすれば
どこからか湧いて来るような感覚でいる人も居るかもしれませんね。

感覚がないとは(相手やその人にとって)それがどういうものなのか
どれ程の意味を持つものなのかわからないという事です。

わからないのですから
物事を全部自分の感覚だけで判断しなければならず
その判断基準からしか向き合う事が出来ないわけですね。

普段からお金は数字でしかないなら
自分のお金だろうと人のお金だろうと
まるでデータをやり取りしてるような感覚でしか扱えないわけです。

ですから本人に悪意や悪気があって
お金に対する扱いが雑(不適切・無頓着)だったり不正を働くのではなく
そもそもこれは人のお金なんだ、自分のお金なんだという感覚がないのですから
それが人の物であっても自分の中にある感覚だけで扱ってしまい
不正かどうかとは無関係に
世間では一般的に悪事とされるような事でもつい簡単に手を染めてしまうのです。

そこに不正を働いてるという感覚はありません。

人は自分にない感覚はわからないし
わからないものは自分の中にある感覚だけで判断するしかないのです。

この感覚のズレこそが様々な問題や摩擦を生み出し
人間関係での衝突や紛争にまで繋がってるんですね。

自分にないものやわからないものはコントロールする事なんて出来ませんから
まずは自分の感覚(つまり心)がどういうものなのかを認知・認識する事で
問題への対応力が身に付き、ある程度コントロールする事も出来るでしょう。

そしてそれぞれが相手の持つ感覚を理解する事が
問題解決に繋がる相互努力(相互理解)であり
誰か一人だけが努力して解決するような問題はないという事が
お分かり頂けたと思います。

自分の感覚、あるいは人の感覚がどんなものなのか
ぜひ心理カウンセリングを通して認識してみてください。

きっとそこから、何か見えて来るものがあると思いますよ。


京都カウンセリングラウンジ
宮本 章太郎



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