人はなぜそんなに他人の事が気になるのか? ~芯のある人が持っている、強さの秘密~
先月29日に京都国際会館で開催された
iPS細胞に関する生命倫理のシンポジウムについての感想ですが
超高齢社会によって近い将来必ず訪れる事になる
深刻な臓器移植・臓器提供不足の問題で
人の臓器を動物の体内で作り
それを移植すれば臓器提供の問題が解消されるのではないかと
このようなお話がありました。
その中で、人の尊厳について考える機会があったのですが
例え臓器は人の物であっても、動物から臓器移植を受ける事によって
あの人は体の中に動物の臓器がある、動物の臓器で生きているなど
イジメの対象になったり非難を受けたりしないだろうかと懸念の声も上がりました。
確かに考えると、全くないから心配しなくていいとは言えませんが
今の世の中、この現状でさえ
とても人の尊厳が尊重されてるとは言い難いのに
どうして動物から臓器移植を受けたからといって
人の尊厳が傷つきはしないだろうかと懸念する事があるのでしょうか。
そんな将来の心配をするよりも
まずは今ある身近な尊厳の問題から取り組んで行く必要があるのではないでしょうか。
また別の話で、iPS細胞の技術を使ったところで人の尊厳は保たれたとしても
人間のために臓器提供に使われる
動物の尊厳は無視しても良いのかという意見もありました。
私はこれが正解だなんて答えはないように思いますが
倫理や道徳、または常識のように思い込んでる事など
このような問題に対していつも思うのは
人の尊厳と一口に言っても、じゃあそもそも人の尊厳とは何か?
わかった上で議論しようとしてるのか
何だかわからないままで、わからない事を議論しようとしてるのか
まず最初にここを明らかにする必要があるんじゃないかと思います。
それぞれの価値観における人の尊厳といった、表面的な話ではありませんよ。
私の言ってるのはもっと深いレベルでの話です。
皆同じの、帳尻合わせで作られるような価値観では
本質的な問題は何も解決しないからです。
これは心理カウンセリングで取り扱うような問題でも同じです。
まず問題の本質を明らかにする事。
それに対して理解を深めていく事。
こうして一つ一つの問題が解決していくんだと私は思ってます。
今回参加して来た生命倫理の問題に関しても
正解はこれだと答え探しをするのではなく
新たに学んだ事を心理カウンセリングに活かし
私は私の出来る方法で、私の出来る事をしていきたいと思います。
京都カウンセリングラウンジ
宮本 章太郎
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