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小橋広市

元建築家。女性の起業サポートするコーチングのプロ

小橋広市(こばしひろ) / 講師

一般社団法人Self&Lifeコンディショニング協会

コラム

人間関係は「待つ」と熟成する

2019年6月27日 公開 / 2020年10月25日更新

テーマ:人生の軌跡と羅針盤

コラムカテゴリ:スクール・習い事

青春時代


私の青春時代は1970~1980年の10年間かな。
その頃は携帯電話もネットもなく、友人や恋人との連絡方法は、家電か公衆電話、駅の伝言板くらい。

1960年代後半の中学生の頃には文通がブームでね。本屋に行っては少女マンガの文通コーナーを必死でメモって、他府県の女の子に手紙を出していました。文通が趣味の1つだったような気もします。

学校から帰ると一番にポストを確認するのが習慣で、手紙が入っていたらそそくさと自分の部屋に駆け込みました。私は他府県の女の子ばかりなので相手に手紙が届くのに3、4日かかり、往復で10日間くらい。その間、ただ待つのみです。

私は一人っ子でお袋と祖父が働いていたので、基本、待つことは好きでした。そんな性格だったので、時間がかかっても手紙が届くのが楽しみでした。どう言ったらいいでしょうか、待っている間、想いが熟成されるんです。

返事が遅かったらあれこれ妄想が浮かんできます。何か変なことを書いたかとか、このまま返事がこなかったらどうしょうとかね。素朴というか純情だったのでしょうね。

こういう複雑な感情が、互いの期待値を適度に調整して熟成させてくれます。手紙が来たらきたで、何度も何度も読み返し、再び妄想劇場の始まりです。でも、恋とはなんか違うんですよね。


私が過ごした時代は「しらけ世代」と呼ばれ、学生運動も終わり第一次オイルショックも経験しました。当時「シラケる」という言葉が若者の間で流行し、「無気力・無関心・無責任」の三無主義を掲げて個人主義を重んじる時代でした。

この頃かどうか忘れましたが、人は人、自分は自分の考え方からか「マイペース」という言葉をよく使っていたように思います。その頃の私は自分を大切にしますが、社会に対して無関心でした。

そうしているうちに高度成長期のバブル景気到来で、どこもかしこもキラキラです。バブルの恩恵を受けていない人は、それを冷めた目で見ていました。私もそのひとりで、異常な社会の誘惑に突っ張っていました。

そういう私も間接的にはバブルの恩恵を受けています。大手の会社でCADの開発に携わっていたこともありパソコンには精通していました。でもインターネットも始めの頃は、何に使えるのか分からず、時代に置いていかれた感がありました。

睡眠中

スピード社会


ネット社会の成長は早く、油断すると置いていかれる一方です。思い返せば、そのあたりから私自身も目に見えない焦りのようなものを感じ始め、何かにつけ、せっかちになったように思います。

今は携帯もメールもあるし、zoomやスカイプで、あたかもすぐそばにいるように話しができますが、それによって人間関係の期待値も高くなってきました。

ラインに既読があるのに返信がない、折返し電話してこない、SNSでコメントしてもコメントを返してくれないとか、本人も知らないところで相手が勝手に期待値を上げてくれます。

社会全体がスピード化し、影響された子どもまでせっかちになり、家庭や学校でも大人の都合に巻き込まれ「待つ」とか「我慢」することを忘れているような気がします。

待ったり我慢することで感情が熟成され、願いが叶った時には喜びもひとしおです。もちろんある程度、社会の流れに沿うことも必要ですが、自分がコントロールできないことまで抱え込まないでほしいですね。これは私自身への戒めでもあります。



下記に参考になる記事のリンクを貼っておきます。

「人間関係は信頼の凸凹道を双方で埋めていくこと」
良質な人間関係が構築できれば会話は減ってくる

「他人の目を気にするのは他人の人生を歩くのと同じ」
他人の目が気にならなくなるには

「嫌われないことを恐れなければ2割の好かれる存在になれる」
人間関係の8:2の法則とは




【小さな実践】
人間関係において、他者がコントロールすることは放置し、自分がコントロールできることだけに絞り込んで出来事を観察してみる


 

この記事を書いたプロ

小橋広市

元建築家。女性の起業サポートするコーチングのプロ

小橋広市(一般社団法人Self&Lifeコンディショニング協会)

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