こころの口癖・<セルフトーク> ①
さてこころの口癖<セルフトーク>だいぶ長いシリーズになりましたが、いよいよ後、数回。今日は哲学者アランの人生の知恵のことばから、まず紹介。
それは
「僕はね、2週間前から上機嫌という治療法をやっているのだが、とても具合がいいよ」
ほう、上機嫌療法なんてものがあるのか、もしできるのなら自分もやってみたい、という方もいらっしゃるのでは?
アラン先生はこうも言います。
「悲観主義は気分だが、楽観主義は意思である」
なるほど。確かに「感情」というものは確かに気分・ムードに左右されますが、一方で確かに感情をコントロールする意志の力も大切です。
上機嫌療法というのは、自分の意思の力で考え方を上機嫌に持っていこうということを言ってらっしゃるのです。
このように哲学者アラン先生は上機嫌の大切さを繰り返し説かれています。
アラン先生はこんな人。
アラン先生だけでなく、自分の気持ちを自分でコントロールすることは最近の認知行動療法などでも応用されていますが、そこまで専門的にならなくてもこれまで紹介したちょっとしたセルフトークのスキルを身に付けるだけで、かなりコントロールすることが可能になると思います。
さてスキルとしてのセルフトークを考えた時、3つのタイプが考えられます。
それは
1.ファーストパーソン(一人称)セルフトーク
2.セカンドパーソン(二人称)セルフトーク
3.サードパーソン(三人称)セルフトーク です。
例えばこれまでネガティブなセルフトークで上げてきた「どうせ、俺は何をやっても認めてもらえない・・・・」とか「まったく俺は何をやっても…上手くいかないよな」というのはファーストパーソン・セルフトーク。主語が自分で、思わず自分のこころのつぶやきがそのまま口から出てしまう、という意味で、自分の感情がそのまま言葉になった感じですね。
しかしこれが「おいおいしっかりしろよ、落ち込んでる場合じゃないぞ、お前(自分のこと)!」とか「お前はこういう時にミスしやすいから気をつけろよ!」「お前は本当によくやっているよ、自信を持とう!」などと自分で自分に話しかけるようになると、いわゆるセカンドパーソン・セルフトークということになります。
最初のファーストパーソン・セルフトークはどちらかというと、自分の気分やムードに浸っているときに出やすい言葉ですね。それに比べてセカンド・パーソンセルフトークは、どちらかというと自分のことをもう一人の自分が冷静に見て、自分に語り掛けるタイプの言葉です。
このセカンドパーソン・セルフトークは、とても大切で自分が自分の感情やムードに振り回されるのを防ぎ、自分を客観的にみつめることから「悲観主義」に陥ることを防いでくれます。アランの言う上機嫌療法なども、自分で自分にポジティブな言葉を語り掛けることから始まるのでしょう。
では最後のサードパーソン・セルフトークとは何か?
それについては次回紹介します。